ここ数か月の間に、Facebookへの投稿で動画が増えてきたなぁという事を感じています。賛否両論はありましたが、昨年のアイス・バケツ・チャレンジなども「ソーシャル・メディア」と「動画」が身近になったからこそ、あれだけの広まりを見せたのだと思います。
これまで、テクノロジーの世界では、常に「コンシューマー向け」が「企業向け」の数年先をリードしています。インターネット、クラウド、ソーシャル、動画…。ユーザーはプライベートで便利である事を実感しているのに、企業として本格的に取り組むのはしばらく経ってからです。
今回は、その中でも最近利用が進んでいるウェビナー(ウェブを活用したオンラインセミナー)についての、面白い記事をご紹介致します。みなさんも思い当る点が多いのではないでしょうか?
リンクの引用元はこちら:https://www.linkedin.com/pulse/webcast-has-some-splainin-do-k-c-watson
ウェブキャストが普及してきた一方で、企業で利用している社員からは、こんな不満があがっています。“プライベートと同じ感覚、品質で、ビデオが使えれば良いのに…”
世界でも有数の大手企業と仕事をしていると、ビジネスにおけるビデオの市場について、面白いポイントが見えてきます。現在、市場にある個々の製品やサービスを非難するつもりは全くないですが、実際に利用しているお客様からの感想によって、ある種のトレンドが浮かび上がってきます。
今回はウェブキャストに注目してみましょう。ウェビナーの招待メールが、どんどんメールボックスに溜まってくるという事は、みなさんも経験していると思います。ほとんどのウェビナーは、見込み客や既存のお客様、パートナーといった社外向けのものですが、最近では、社内・グループ企業内での社員向けのウェビナーも大幅に増えてきています。製品のトレーニングや、社員教育、ブランディング、企業トップのメッセージなど、様々な場面で、ウェビナーという選択肢を正しく活用出来れば、これほど便利なツールは他にありません。フォレスターリサーチ社のJames McQuivey氏もこんな言葉を残しています。“1分間のビデオには180万語の言葉の価値がある”
しかし、企業のマーケティング・広報担当者がウェビナーを使う傾向が強まってくるにつれて、私たちはこんなことを考えてしまいます。“ここ5年間でのビデオに関するテクノロジーの進化に、視聴者側の環境は追いついているのか?” 多くのお客様からは、「追いついていない」という回答が返ってきています。
以下は、企業のマーケット・広報担当者からヒアリングした、ウェブキャストのサービスに対する6つの不満です。
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コンシューマー向けの製品の品質が素晴らしいから、という訳ではないですが、そういった素晴らしい製品・サービスに慣れてしまっているので、企業内で利用する場合にも、同じ水準を期待してしまいます。Facetimeを使って両親と会話をして、HDで高画質の映画を楽しんでいるような人は、 “何で会社のウェブキャストは、10年遅れなのだろう?”と思ってしまいます。ビデオの品質は非常に悪く、ウェブキャストのサービスを提供している会社のブランドによって、視聴する画面はバラバラ、iPadで見ようものなら…
様々なデバイス上で動いているブラウザーベースのアプリケーションの世界では、いちいちウェブキャストのアプリケーションをインストールしなければならない事が問題になっています。「アプリをインストールする」という余計なステップのせいで、ビデオを視聴する事をあきらめてしまうのです。
ウェブキャストに参加するユーザーは、面倒な登録フォームの入力やログインにうんざりしています。プライベートの時のような、ソーシャルベースでの登録やログインの仕組みに憧れているのです。しかし、ファイヤーウォールの中では、社員であるあなたは、“他の社内システムは、ディレクトリーサービスと連動して簡単にアクセスできるのに、ウェブキャストは…”と、がっかりしてしまいます。
ウィジェットやエンベッドを利用して、マーケティング・広報担当者は、既存のウェブページに解りやすい図表や事例のなどと並べて、ウェブキャストのプレーヤーを挿入出来るようにするべきです。 ウェブキャストを視聴しようとすると、登録フォームのポップアップが立ち上がり、別画面でプレーヤーが立ち上がる、という事にユーザーは違和感を覚え、仕事の流れを止めてしまうのです。
多くのウェブキャストは社内・社外の両方に配信する目的ですが、セキュリティレベルや、企業の外部からのネットワーク接続の貧弱さが原因で、従業員がクラウドサービスを利用して社外から視聴しようとした場合に、品質面で非常に不満が残るケースが多いのです。“ハイブリッド クラウド”という言葉が一般的になっていますが、会社のシステムに対して、オンプレミスとクラウドを合わせ持つハイブリッドの仕組みを期待してはいけないのでしょうか?
ビジネスインテリジェンスがかつてないほどに進んでいる中で、従来のウェブキャストの仕組みの大半では、視聴データやパフォーマンスの状況に関するデータが欠落しているのです。マーケティング・広報の担当者は、単なるコンテンツの視聴回数よりも詳細な情報を必要としているのです。“データ重視”の現在では、他の社内システムに影響を与えるパフォーマンスの分析結果などを含めて、様々なリアルなデータがトラッキング出来る必要があるのです。
ウェブキャストが使われ始めて10年近くになりますが、企業ユーザーはコンシューマー向けサービスと同水準のサービスを企業で利用するシステムにも求めています。
最近では、ユーザーイクスペリエンスも含めた非常に素晴らしい企業向けソリューションも出てきている、という嬉しいニュースも聞こえてきています。
これまでのテクノロジーの進化の過程で幾度となく見てきましたが、いわゆる老舗と言われているようなソリューションベンダーは、そういった素晴らしいソリューションを提供する新規参入企業に後れを取ってしまうかもしれません。企業の担当者は、従来のソリューションをゴミ箱に捨てるかのように、新しいソリューションに簡単に切り替えてしまうでしょう。
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