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作成者: 藤本 諭志|Feb 22, 2024 6:18:37 AM

WAF、DDoS対策、アンチチート対策の重要性

WAFはWebアプリケーションを攻撃から守り、DDoS対策はサービス停止を防ぐために不可欠です。アンチチート対策はオンラインゲームの公平性を保持し、ユーザー体験を向上させます。これらのセキュリティ対策は、サイバー脅威から企業とユーザーを保護し、信頼とビジネスの継続性を確保するために重要です。

WAF(Web Application Firewall)

WAFの基本

WAFとは何か、その機能と目的

WAFは、Webアプリケーションを攻撃から保護するセキュリティ対策です。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、ファイルインクルージョンなどの脆弱性を悪用する攻撃からWebサイトを守ります。WAFは、不正なトラフィックを検出しブロックすることで、アプリケーションのセキュリティを強化し、データ漏洩やサービス停止を防ぐことを目的としています。

WAFが保護する主な攻撃タイプ(SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング等)

WAFは、Webアプリケーションを様々な攻撃から保護します。主に保護する攻撃タイプには、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)、ファイルインクルージョン攻撃、セッションハイジャック、およびDDoS攻撃などがあります。これらの攻撃は、Webサイトやアプリケーションの脆弱性を悪用し、機密情報を盗み出したり、サービスを妨害したりすることを目的としています。WAFはこれらの脅威を効果的に検出し、ブロックすることで、Webアプリケーションの安全を確保します。

WAFの導入メリット

セキュリティ強化

WAFの導入は、Webアプリケーションのセキュリティを大幅に強化します。不正アクセス、データ漏洩、サイバー攻撃といった脅威から保護することにより、企業や組織のデジタル資産を守ります。特に、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの一般的な攻撃からアプリケーションを保護し、不正なトラフィックを事前に検出して遮断することができます。このように、WAFは脆弱性の悪用を防ぎ、Webアプリケーションの安全性と信頼性を確保する上で重要な役割を果たします。

コンプライアンス要件の遵守

WAFの導入は、コンプライアンス要件の遵守にも大きなメリットをもたらします。多くの規制や基準、例えばPCI DSS(支払いカード業界のデータセキュリティ標準)では、顧客情報の保護を目的としたセキュリティ対策の実施が求められており、WAFはこれらの要件を満たすのに有効な手段です。WAFを利用することで、Webアプリケーションの脆弱性をカバーし、データ漏洩リスクを低減することができるため、法規制遵守の証として機能します。これにより、企業は規制罰金のリスクを避け、顧客信頼を維持することが可能になります。

WAFの選定と導入

クラウドベース vs オンプレミス

WAFを選定する際、クラウドベースとオンプレミスの選択肢があります。クラウドベースWAFは柔軟性が高く、迅速なデプロイメントとスケーラビリティを提供します。一方、オンプレミスWAFは物理的な設置が必要ですが、カスタマイズとデータコントロールに優れています。クラウドベースは初期投資が少なく、メンテナンスが簡単ですが、オンプレミスはセキュリティやパフォーマンスの面で高度な制御が可能です。組織のニーズ、リソース、セキュリティ要件に基づいて選択することが重要です。

主要なWAFプロバイダーの比較

AWS WAF、Cloudflare、およびTencentCloudのEdgeOneは、各々が特色あるWAFサービスを提供します。AWS WAFはAmazon Web Servicesエコシステム内でのシームレスな統合と拡張性に優れ、特にAWSを広く利用している企業に適しています。Cloudflareは使いやすさと自動化されたセキュリティ対策で知られ、幅広いセキュリティニーズに迅速に対応可能です。EdgeOneは高度なカスタマイズ性とパフォーマンスの最適化に注力しており、多様なセキュリティ要件を持つ企業に適しています。これらのサービスを選ぶ際は、コスト、機能、サポート体制、そして既存のインフラとの互換性を考慮する必要があります。

導入時のベストプラクティス

WAFの導入時には、まず現在のセキュリティ環境を評価し、保護が必要な資源を特定することが重要です。次に、ビジネスのニーズに合ったWAFソリューションを選択し、ポリシー設定を慎重に行うことで、過剰なブロッキングやパフォーマンスの低下を避けます。また、定期的なポリシーの見直しと更新を実施し、新たな脅威に対応する柔軟性を保持することも重要です。実装後は、ログの監視と分析を行い、セキュリティインシデントへの迅速な対応と、継続的な改善を目指します。

DDoS(Distributed Denial of Service)対策

DDoS攻撃の基本

DDoS攻撃とは何か、その仕組み

DDoS攻撃は、複数のシステムから同時に大量のリクエストを送り、ターゲットとなるサーバーやネットワークのリソースを圧倒し、正常なサービス提供を妨害する攻撃です。攻撃者はボットネット(感染したコンピューター群)を利用してこれらのリクエストを生成し、結果としてウェブサイトやオンラインサービスがダウンすることがあります。DDoS攻撃は、サービスの中断により企業に金銭的損失や信用の失墜をもたらす可能性があります。

DDoS対策の戦略

攻撃の検出と緩和

DDoS対策の戦略では、攻撃の検出と緩和が核心をなします。検出は、異常なトラフィックパターンや急激なアクセス増加をリアルタイムで識別することにより行われます。緩和には、トラフィックのフィルタリングやレート制限を適用し、正規のユーザーへの影響を最小限に抑えながら不正なトラフィックを排除する技術が使用されます。これにより、攻撃を効果的に中和し、サービスの可用性を維持します。最適な対策を実施するためには、継続的な監視と、攻撃パターンに基づいた適応的なセキュリティ対策の更新が必要です。

ネットワークの耐障害性の向上

DDoS対策においてネットワークの耐障害性を向上させる戦略は、攻撃に対する耐性を高めることに重点を置きます。これには、リソースの冗長性を確保し、負荷分散技術を活用してトラフィックを複数のサーバーやデータセンターに分散させることが含まれます。また、キャッシングやコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を利用することで、大量のリクエストに対応しやすくなります。耐障害性の高いネットワーク設計により、DDoS攻撃による影響を最小限に抑え、迅速に正常な運用状態に復旧することが可能になります。これらの対策は、攻撃を完全に防ぐことはできないものの、その影響を軽減し、回復力を高めるために不可欠です。

DDoS保護ツールとサービス

主要なDDoS保護サービスプロバイダー

主要なDDoS保護サービスプロバイダーには、Tencent Cloud、Cloudflare、Akamaiなどがあります。

ツールと技術の選定基準

DDoS保護ツールとサービスの選定基準には、攻撃の検出能力、緩和技術の効果性、サービスのスケーラビリティ、導入と管理のしやすさ、コストパフォーマンスが重要です。また、リアルタイムでの攻撃分析とレポーティング機能、顧客サポートの質、そしてクラウドベースサービスかオンプレミスソリューションかという選択肢も考慮する必要があります。さらに、既存のセキュリティインフラストラクチャとの互換性や統合性、攻撃時の自動応答機能も選定の重要な要素です。これらの基準を満たすツールやサービスを選択することで、DDoS攻撃に対する効果的な防御体制を構築できます。

アンチチート対策

ゲーム内チートの種類

チートの一般的な形態とその影響

ゲーム内チートには、エイムボット(自動照準)、ウォールハック(壁越し視認)、スピードハック(移動速度改変)、無敵モードなどがあります。これらのチートはプレイヤーに不公平な利点を与え、ゲームのバランスを崩壊させます。チートの使用は、正直なプレイヤーのモチベーションを低下させ、オンラインコミュニティの健全性を損ない、最終的にはゲームの評判と収益性に悪影響を及ぼします。開発者は常に新しいチート技術に対抗するためにアップデートを行い、アンチチートシステムを強化する必要があります。

アンチチート技術

ソフトウェアとハードウェアベースのアンチチートソリューション

アンチチート技術には、ソフトウェアベースとハードウェアベースのソリューションがあります。ソフトウェアベースのアプローチには、ゲーム内での不正行為を検出・防止するためのシグネチャ検出、行動分析、コードインテグリティチェックなどが含まれます。これに対し、ハードウェアベースのソリューションは、特定のハードウェアIDの検出や、物理デバイスの改変を検出することでチートを阻止します。ソフトウェアアプローチは柔軟でアップデートが容易ですが、ハードウェアソリューションはより根本的なセキュリティ対策を提供し、回避が困難です。両方の手法を組み合わせることで、より効果的なチート対策が可能になります。

アンチチート戦略の実装

プレイヤーの行動分析

アンチチート戦略におけるプレイヤーの行動分析は、不正行為を特定し防止するために重要です。このアプローチでは、プレイヤーの動き、反応速度、行動パターンなどのデータを収集し分析します。異常な振る舞いや人間が不可能な反応速度が検出された場合、それはチート行為の可能性を示唆します。この技術は、エイムボットの使用やスピードハックなど、特定のチート技術を使用しているプレイヤーを自動的に特定するのに役立ちます。行動分析を利用することで、ゲーム開発者はゲーム内のフェアプレイを促進し、プレイヤー間の競争を健全に保つことができます。

コミュニティとの協力

アンチチート戦略の実装において、ゲームコミュニティとの協力は非常に重要です。プレイヤーやユーザーからの不正行為の報告を奨励し、チートや不正行為を目撃した際には、それを簡単に報告できるシステムを設けることが効果的です。このような協力体制により、開発者は不正行為の情報を迅速に収集し、アンチチートシステムを改善するための実際のフィードバックを得ることができます。また、プレイヤーが自分たちのプレイ環境を守るために積極的に参加している感覚を持つことで、コミュニティ全体の健全性が保たれます。コミュニティと開発者間のオープンなコミュニケーションと協力は、ゲーム環境を健全でフェアなものに保つ上で不可欠です。

次世代を担うセキュリティソリューション

商用サービスの一つであるTencent CloudのCDNは長年培ってきたネットワークパフォーマンスとセキュリティにおけるノウハウを統合し、一元化された高速で信頼性の高いワンストッププラットフォームを実現しました。それがEdgeOneです。

既存のメリット強化と拡大

CDNとWAFを別々に設定しているケースが多いかと思いますが、EdgeOneはワンストップで設定が可能です。WAF以外のセキュリティ対策としてDDoS対策、Bot対策等が機能として備わっています。

既存のデメリット削減

EdgeOneはコスト削減を実現できる複数の要素を兼ね備えています。

  • 画像やコンテンツの圧縮でトラフィックを削減
  • 攻撃等による想定外のトラフィックをブロックすることでトラフィックを削減
  • さらにMPSと組み合わせる事でトラフィックを削減

セキュリティの向上や管理を楽にするだけではなく、コストメリットもあります。

製品の特徴

静的アクセラレーション: 静的コンテンツはエッジノードにキャッシュできます。グローバルロードバランス技術により、ユーザーは身近なエッジノードに接続してリソースを取得することができます。

動的アクセラレーション: 動的データに対して、動的ルーティング探索やスマートルーティングなどの技術を利用し、最適なback to originリンクを選択することで、エンドユーザーのアクセス遅延を大幅に減らし、動的コンテンツのロードが遅い問題や操作遅延などを解決し、ユーザービリティを向上させます。

グローバルアクセラレーション: エッジサーバーとリージョナルセンターの2レイヤーアーキテクチャを採用しており、ノード間のインテリジェントなルーティングと専用経路の最適化により、アクセラレーションの効果をさらに向上させます。グローバルなback to originリンクの品質低下とback to originが遅い問題を効果的に解決し、国同士のアクセス品質を向上させることができます。

Anti-DDoS: Anti-DDoSは、包括的で効率的かつプロフェッショナルなDDoS攻撃防御機能を備えており、企業・組織にAnti-DDoS Pro、Anti-DDoS AdvancedといったさまざまなDDoSソリューションを提供し、DDoS攻撃に対応します。十分かつ優れたAnti-DDoSリソースは、持続的に進化する「自社開発+AIインテリジェント認識」クリーニングアルゴリズムと組み合わされ、ユーザーの安定かつ安全な業務遂行を確保します。

Rate-Limiting(CC)適応識別: 自社開発した特許取得済みのRate-Limiting(CC)スマート判別・ブロック技術は、プラットフォームが推奨するブロックポリシーとユーザーがカスタマイズしたルールに従って、攻撃を分析・ブロックし、頻度制御やトラフィック制御による悪意のあるアクセスへのブロックをサポートします。

スマートWeb防護: Tencentの膨大なWeb攻撃サンプルライブラリをベースに、アクセスに対して特性のマッチングを行うことで、SQLインジェクション、XSS攻撃、ローカルファイルインクルードなどの各種Web攻撃を効果的に防御し、ユーザーのオリジンサーバーをリアルタイムに保護します。独自のAIエンジンに、Tencentの億単位の脅威情報が取り込まれ、更なるスマートな脅威識別仕組みを構築し、正確かつ効果的にWebの脅威をブロックします。

BOT行為解析: Tencent CloudのBOTプログラム管理機能と融合し、Bot行為DBにより広告、スクリーンショットツール、検索エンジン、サイト監視、リンク照会などのクローラータイプをカバーし、独自のAI技術で、ユーザーのすべてのリクエスト行為をモデリングし、異常なトラフィックをインテリジェントに選別します。また、セッション保護ポリシーのカスタマイズをサポートします。

高度なアクセスコントロール: 一般IPアドレス、referer、UAブラックリスト/ホワイトリストの他に、カスタマイズした複雑なアクセスコントロールルールにも対応し、クライアントIP、URI、Referer、User-Agent、Paramsなどのフィールドを指定し、「等しい」、「含む」、「含まない」などのルールによるマッチングを行うことが可能です。運用シーンによって、複数の条件を組み合わせてフィルタリングを行うことができます。

豊富な監視・レポート確認機能: 豊富なレポート確認機能を提供し、リンクアクセス速度/アクセラレーション効果の統計、キャッシュ内容に対するリアルタイム検索、DDoS/CC攻撃のリアルタイム監視・アラーム、Web攻撃の回数/タイプ/ソースの多要素チャート分析、Web攻撃の詳細ログのエクスポートをサポートします。

データセンターのロケーション: EdgeOneは70以上の国と地域に展開されています。

 

>EdgeOneについてもっと詳しく見る

まとめ

​​本記事では、WAFの概要、DDoS攻撃とその対策、アンチチート技術について解説しました。WAFはWebアプリケーションをサイバー攻撃から守り、DDoS対策はサービスの可用性を保持します。アンチチート技術は、ゲーム内のフェアプレイを維持するために不可欠です。これらのセキュリティ対策は、データ漏洩やサービス停止を防ぎ、ユーザー体験を向上させるために重要です。また、ゲームコミュニティとの協力による不正行為の報告システムは、アンチチート戦略を強化します。セキュリティは常に進化する脅威に対応するため、継続的な更新と改善が求められます。