導入事例

セイコーインスツル株式会社 様

作成者: ブイキューブ|2018.06.06

導入の経緯

事業拡大に伴う、設計部門と製造部門の分離を背景に、 膨らむ出張&通信コストを削減するコラボレーションツールを

総合企画本部 情報システム部 WMS課 課長 遠藤 浩明 氏

SIIでは1990年代後半、生産拠点が東北圏や海外へと広がり設計と製造部門が分かれる状況が進み、出張だけでは効率的な業務の遂行が難しくなった。そこでISDN回線によるテレビ会議専用機を導入した。以後、2001年には資料共有を目的としたWeb会議ツール、2009年にはサーバ型のテレビ会議システムへと移行。その上で同社の遠隔会議の質を大きく押し上げるターニングポイントになったのが、2010年から導入を始めた「V-CUBE コラボレーション」(導入当時の製品名称「xSync Prime Collaboration」、以下Prime)である。

「Web会議ツールの契約更新のタイミングで、もっと良いシステムはないかと探したのがきっかけです。さまざまなサービスを比較検討した結果、Primeはクリアな映像・音質で質の高い遠隔会議ができる。また、設計・開発業務に不可欠な双方向同時書き込みなど、高精細データを使ったコラボレーション機能も優れているため、これなら今以上に力を発揮できると思いました」と遠藤氏。

 

総合企画本部 情報システム部 WMS課 副主査 大熊 信一 氏

実際に稼働したところ社内での評価が高かったことから、いわゆるTV 会議を超えて、SII グループが半期ごとに行う全社キックオフ大会の中継や、海外含め20箇所以上の拠点をつなぐ毎月の「朝会」、各事業が独自に国内外の拠点を結び実施してる月例大会の中継など、ブロードキャスト的な利用シーンでも活躍するようになった。

さらに、2015 年には並行して使用していたサーバ型のテレビ会議システムを廃止し、Primeのクラウドサービスへ全面移行を果たす。「テレビ会議システムの継続も検討しましたが、古くなった機器から新しい専用機を買い揃えるとなると予算が跳ね上がってしまう。Primeなら遠隔会議システムとしての費用を大幅に抑えることができるのに加え、誰でもすぐに使いこなせる操作性や高速伝達といった接続性でも一番信頼がおけることが決め手になりました」

活用状況

テレビ会議システムを廃止し、Primeへ全面移行
遠隔会議を日常化し、生産性の向上に貢献

可動式のモニターシステム
「Prime ボックス」

全面移行にあたっては同社が「Prime ボックス」と呼ぶ会議用PCとスピーカー、WEBカメラをセットにした稼働式のモニターシステムを組み、本社の会議室や応接室、事業所などに設置。同時に国内や海外の営業所等にも整備して安定稼働できる状況にした。 このような工夫により、「今ではPrimeが使える回線数の残数がなくなる日もあるほど、さまざまな会議で使用されています」と確かな手応えを感じている。また、用途としては技術系の会議を国内外問わず行っているが、国内の拠点同士だけでなくマレーシアとシンガポールの海外拠点同士での接続も行っているという。

Primeを活用する一番のメリットは、テレビ会議専用機の時代、導入している拠点しか使えなかったが、小さな拠点でも使えるようになったことだ。「たとえば盛岡市内から離れたサテライト工場の担当者は、冬場は雪山を越えて会議に出席する苦労がありましたが、今は自分の工場から参加できるようになったと喜んでいます。こうした移動が困難な場所や時間がとれないときでも、自分のPCにクライアントアプリケーションをインストールしておけば誰でも会議に参加できるのがPrimeの魅力であり、そのことが生産性の向上にも結びついています」と遠藤氏。

導入効果・将来計画

相手に確実に意思が伝えられる機能を評価
クラウドサービスの利点を生かし、社外ユーザーとの会議も

一方、クリアな音声のPrimeは、まるで隣で話しているような感覚で会議が進められると話すのは大熊氏だ。「しかも、以前の資料共有ツールでは双方向での使い勝手が悪く、一方通行な会議になりがちでした。でも、今は画面を見せたい拠点側がボタンを押すだけで資料共有ができたり、お互いの画面に書き込みしあって議論を深めたりといったことが簡単に実行できるようになりました」と相手に確実に意思を伝えられる機能に満足しているという。また、アプリケーションのバージョンアップなど、Primeのサービスは契約してからも進化を続けている点も気に入っていると指摘してくれた。

加えて、グループ会議で重宝しているのがPrimeに標準搭載されている機能の「ネットワークディスプレイ」だ。この機能は遠隔会議を行っている時だけでなく、集合型会議を行っている時も活用することができる。「参加者のノートPCの画面をワンボタンで会議用モニターに表示が可能で、各人のボタンを押すだけで次々に切り替えて表示ができるのです。ケーブルの抜き挿しもなく、すぐに資料を見合えるので、この機能は一度使うと手放せなくなります」と大熊氏。

最後に、今後の展開について遠藤氏は、社内での活用はかなり進んだと感じていると答えるとともに、将来的にセイコーホールディングスグループ全体を通したさらなる拡充にも意欲を見せる。また、Primeはクラウドサービスとしてゲストユーザーも使用できる環境にあるため、そのメリットを生かす意味でも社外の取引先と活用する場面を増やすことを挙げ、「今後はもっと社外のユーザーともつながって、画面共有しながら設計や開発などが図れるようコミュニケーションを広げていきたいですね」と力強く語ってくれた。