50年以上の長きにわたり店舗BGMを提供してきたUSENは、今や音楽配信のみならずPOSレジや店内Wi-Fi、電力や保険など、店舗経営に関するさまざまな商品を提供する「店舗総合サービス企業」へと変貌を遂げている。同社はここ2〜3年で爆発的に増えた商品の知識や設置方法を営業社員やエンジニアに習得してもらうために、動画配信プラットフォーム・Qumuを導入した。
新卒はもちろん、入社する時期がバラバラの中途社員に対して何度も同じ研修を行う必要があり、講師も都度同じではないため、知識量に差が生じてしまう。
エンジニアたちは分厚いマニュアルを手に作業しなければならない上、新商品の設置方法の習熟度は施工後にしか把握できず、事前に一定の品質を担保しにくい。
ある商品について精通し、教育することのできる人間が限られており、営業社員の学習機会や得られる専門知識が限定されている。
動画視聴を研修の前提にすることで、受講者の知識が均一化され、受講者全員にとって効果的な研修を行うことが可能に。
1年につき新入社員60〜80人、中途社員40〜50人が入社するが、事前に動画で基礎的な知識を習得してもらうことで、全員が同じ知識レベルになった状態で研修を行うことが可能に。何度も同じ研修を行うことも減り、研修の時間も短縮された。
マニュアルの動画化によって、外出先や待ち時間に施工方法を手軽に確認・学習できるようになった。
エンジニア向けの分厚いマニュアルが動画によって簡素化され、現場ですぐに確認することが可能に。さらにQumuなら視聴履歴が取れるので、新規設備工事に入るエンジニアがマニュアル動画を視聴したか把握し、施工品質を担保した上でお客様にサービスを提供できる。
いつでもどこでも動画で商品知識を学べる環境を構築することで、営業社員は多彩な商品知識を得ることができる。
動画配信プラットフォームの導入で場所や時間を問わずに商品の情報を得られるようになり、営業社員は商談の合間に学習することが可能に。各営業の知識の偏りが少なくなり、どんな商品にも対応できるようになった。
動画制作とアップのどちらか一方だけではなく、両方が簡単に行えること。
営業社員やエンジニアが、次々にリリースされる新商品の知識や設置方法を均等に学べること。
商品の設置方法や研修の基礎となる動画がきちんと見られているか確認できること。
動画配信プラットフォームを導入する上で、動画の制作とアップが簡単にできるサービスを探したところ、Qumuが一番わかりやすかったです。基本的にコンテンツは本社側で制作していますが、最近は営業から新しい動画の制作依頼が来るなど、思った以上に反響が大きいですね。
株式会社USEN 事業開発統括部 営業企画部
営業企画課 課長 大田 勇樹 氏
エンジニア向けのマニュアル動画で一番大切にしていることは、「何に注意すべきか」「どうしてこの作業を行うのか」という意志を伝えることです。全国800人のエンジニア全員に知識を浸透させる上でも、動画は効果的ですね。
株式会社USEN 技術統括部 施工管理部
担当部長 伊藤 雅利 氏
中途採用者は入社するタイミングもバラバラで、知識にも偏りがありますが、Qumuを活用することで全員が一定レベルに達した上で研修を行うことができ、とても助かっています。余分な研修もなくなり、担当者の負担も軽減されました。
株式会社USEN 事業開発統括部 営業企画部
営業企画課 リーダー 神野 友香 氏
2018年4月にQumuを用いた動画配信プラットフォーム「U-PEDIA」をオープンし、その半年後には2,500に及ぶID数で運用しているUSEN。オープンまでの準備や“見てもらえる動画”の制作など、その運用方法には細かな工夫が詰め込まれている。
「最初にコンテンツを充実させておかないと見てもらえない」(大田氏)と考え、オープンまでの間に商品の基礎知識動画を約20本用意。営業社員の視聴を開始したのは導入から4カ月後であった。
運用開始時のID数は1,700。最初から全社員にIDを発行せず、ノウハウを蓄積しながら段階的に利用者を増やしていった。
商品の基礎知識動画に加え、エンジニア向けの技術マニュアル動画、営業ロールプレイング(ロープレ)動画、新入社員の自己紹介動画などを公開している。
自己紹介動画によって、新入社員のジョブローテーションを行った際に受け入れ先の部署があらかじめ新入社員の人物像を把握できるため、打ち解けやすい環境になるという。
商品の基礎知識動画は3分〜5分に収めるなど、見やすい長さを心がけて制作している。また、視聴履歴を分析し、営業社員が知らない商品やサービスに関する動画は長さに関係なく視聴されているといった視聴動向も把握。営業ロープレ動画は30分〜40分にも及ぶが、若手社員から好評を博しているという。
今後は現場から本社へ気軽に動画制作をリクエストできるようにするといった、社内のアクティブ化につながる仕掛けができたらと考えています。商品の誕生秘話や支社で行っている独自の取り組みを共有するなど、社員同士や商品がより身近に感じられるコンテンツも作りたいですね。
社外的には、お客様に商品を知っていただくためのポータルサイトの構築を視野に入れています。営業社員がアプローチする前に動画を見ていただくことで、営業を介在させずに商品についてある程度理解していただける環境を作っていきたいと考えています。
株式会社USEN 事業開発統括部 営業企画部
営業企画課 主任 宮澤 雄太 氏