全社員を対象にスマートフォンの配付が決まった2018年、キリンビバレッジ株式会社営業本部では、スマートフォンを活かした「働き方改革」の一環として、春と秋の定期異動時に行われる「新任営業者研修」を動画化。東京都中野区の本社へ対象者が集合する実地研修からオンデマンドでのオンライン研修に移行したことで、研修のクオリティを損なわずに業務時間を削減することに成功した。
全国の営業拠点から東京都中野区の本社へ移動して研修を行うため、異動に伴う引き継ぎ業務がなかなか終わらず、時間の調整などで業務が非効率になる。
実地で行われる研修は、社歴の長短などでスキルが異なる社員も同じ内容を一律で受講するケースが多く、受講の必要のない社員を拘束してしまう。
研修内容は毎年ほぼ同じなのに研修の参加者が変わるため、講師は同じ内容を毎年繰り返すことに。
研修開催場所への移動が不要になるため、異動に伴う引き継ぎ業務に集中する時間が確保できる。
従来は実地研修を行っていた2日間は引き継ぎなど研修以外の業務が行えなかったが、オンデマンドで動画を視聴できることで、引き継ぎ業務に集中しつつ、空き時間や隙間時間を有効活用。
社歴が長い社員など、既に研修内容を理解している場合は、すべての研修動画を視聴する必要がないので、効率的な研修が実現。
初めて営業部門に配属された社員が対象の研修のため、オンデマンド動画にすることで、既に内容を理解している動画をスキップすることが可能に。さらに、繰り返し動画を視聴することで、実地研修では難しい「見直し」ができ、研修の効果も向上。
研修内容を一度動画コンテンツ化してしまえば、講師が「同じ内容を繰り返す」研修が不要になり、講師側の「働き方改革」も実現。
基本的な営業スキルに関する講義や、営業支援ツールの活用法など、毎年同じ内容を繰り返して説明していた講師の時間を大幅に削減可能に。講師は、他の業務に時間を充当することができる。
専属の動画作成スタッフがいなくても、従来の研修用資料なども流用し、簡単に動画作成ができる操作性であること。
基本的な動画作成方法やツール操作の勉強会実施など、満足のいくサポート体制があること。
キリンビバレッジ株式会社
執行役員 営業本部 営業部長 明月 岳人 氏
「働き方改革」を実現するためのツールとして、2018年にスマートフォンの全社員配付が決まるのと同時に、「動画化して効果的なのは具体的には何か」を社内で突き詰めたところ行き着いたのが、毎年春と秋の定期人事異動の時期に、初めて営業部門に配置された社員向けに実施される「新任営業者研修」でした。
ただでさえ異動の引き継ぎで忙しい中、「クオリティを下げずに、研修業務にかかる時間をいかに減らすか」を考えると、研修のオンデマンド動画化は、非常に効果的だったのです。業務時間の削減は、研修の受講者だけでなく、毎年同じ内容の研修を繰り返していた講師側でも顕著です。
また、トップのメッセージを直接伝えるのにも有効です。社長や各部門のトップが動いている姿を全社員が見るというのはなかなかできません。しかし、動画によるメッセージであれば、社長や部門のトップの声を効果的に届けることが期待できます。
営業本部 営業部 営業企画担当 主任 奥西 恵莉 氏
研修を動画化すれば業務効率の面での効果が高いことはわかっていても、専属のスタッフがいるわけではないことを考えると、動画作成はハードルが高いというイメージがどうしてもあります。
Qumuを選んだ大きな理由は、ブイキューブによる「体験プログラム」の実施でした。選定段階で実際に操作性を試してみて、クオリティの高いコンテンツが簡単に作成できることがわかりました。さらに、導入時や導入後にブイキューブのスタッフによる勉強会があり、必要なスキルを習得する場があることは大変心強かったです。
実際に動画を視聴している社員を見ると、単にスライドが映し出されている動画よりも、講師の顔が見えたり、資料に動きがある方が集中力が上がるといった傾向も見えてきましたので、今後の動画作成に活かしていきたいと思っています。
「業務のクオリティは落とさずに、業務にかかる時間をいかに削減するか」に注目したキリンビバレッジでは、スマートフォンの全社員配付にあわせて動画の有効活用を検討。まず行ったのが、全国の営業拠点から本社に対象者を集めて実地で行っていた研修を、オンデマンド動画化することだった。
毎年、春と秋に定期異動が実施されるが、初めて営業部門に配属された社員は「新任営業者研修」の対象となり、2日間、東京都中野区の本社に集合しての実地研修を行っていた。
全国の拠点から本社への移動時間や丸々2日間にわたる拘束で引き継ぎ業務が行えない
▶ 業務が非効率になる原因に
研修の対象者は、自身が配属された営業拠点や、異動前の営業拠点での引き継ぎ業務を行いながら、もっとも効率的な時間を選んで動画での研修を受講。引き継ぎのための移動時間などを有効活用できる。
本社への移動が不要で、必要な研修だけを選択し効率的に受講できるため、無駄な時間を大幅削減
▶ クオリティを下げずに業務効率化
営業本部 営業部 営業企画担当 部長代理 田附 浩明 氏
現在は、研修の内容をオンデマンド配信可能な動画としてコンテンツ化しており、40本程度が配信されています。動画の活用の幅はとても広いと認識しており、商品の開発背景について、開発者の声などを届ける動画の配信も開始しました。
さらには、動画マニュアルも効果が高いのではないかと思っています。ベテラン社員であれば対応できる突発事項に若手社員もすぐに対応できるようにするために、動画によるノウハウの共有は有効ではないでしょうか。