PC関連のサプライ製品分野で抜群の知名度を誇るエレコムでは、近年、製品をベースにソリューションとして提供するビジネスが盛んだ。例えば、全国チェーン展開するホテルなど、法人でのWi-Fi設備導入に際し、単にルーターを提供するだけでなく設置工事までを担当するソリューションビジネスもその1つ。しかし、営業担当者だけでは技術的に判断しづらいことも多く、工事技術者の支援が求められるケースが多い。この領域の技術者の所属組織は札幌にあるため、技術支援の「遠隔同行」をするために導入したのがWeb会議システム「V-CUBE ミーティング」だ。さらに、低コストで導入できるテレビ会議システム「V-CUBE Box」の追加導入により、遠隔会議の活用法は「空間共有」などにも拡大している。
ソリューションビジネスの展開により、工事技術者の営業同行ニーズは高まっているが、同行を希望されても限られた人数では対応件数に限界。
営業サイドから緊急性の高い依頼があっても、移動が必要な同行にはフレキシブルに対応しにくい。
営業エリアは全国が対象となるが、工事技術者の拠点は札幌であるため、同行し実地で対応するためには、交通費や宿泊費などのコストがかかる。
Web会議を用いた「遠隔同行」により、工事技術者は札幌にいながら全国の営業マンの同行依頼に対応可能。
同じ日に東京と大阪での同行依頼があった場合、従来はどちらかしか対応できなかったが、「遠隔同行」であれば、時間をずらして両方同日に対応可能。効率的な「遠隔同行」により、同行依頼の対応件数を増やすことができる。
営業マンが顧客先に往訪している時間帯さえ空いていれば、急な依頼であっても、デスクにいながら「遠隔同行」できる。
営業マンが商談中に、急遽、技術的な意見が必要になった場合も、パソコン画面越しに工事技術者がサポートを行うことができる。電話の音声やメールの文字だけでは伝わりにくい事項も、顧客と顔を合わせながらリアルタイムで同行支援が可能に。
全国を対象とした営業同行は、時間的な面だけでなく、コスト面でもハードルが高かったが、「遠隔同行」であれば交通費や宿泊費が不要。
コスト面がネックになって同行が難しかった地域も、営業マンが往訪に持参したパソコン画面越しに、工事技術者による支援を行いながらの商談が可能になる。
「遠隔同行」を行うに適した、映像や音声のクオリティであること。
「遠隔同行」以外にも用途を広げて、業務改善を実現できること。
エレコムサポート&サービス株式会社 CS部
部長 田中 章裕 氏
エレコムでは、現在、製品をベースにしたソリューションを提供するビジネス展開が盛んです。法人向けのWi-Fi設備導入支援ビジネスもその1つですが、事業としての形が整い始めたばかりで、営業サポートの技術者が少数という体制です。
実は、取引先のシステムインテグレーターから、Web会議を用いた「遠隔同行」を行っているという話を2年ほど前に耳にした時には「へぇ、そうなんだ?」という程度の認識でした。しかし、いざ自分がWi-Fi工事の部署の担当になって、工事技術者も限られているという状況に直面し「あっ、以前に聞いたアレが使えるのでは?」と思い出した次第です。
そこで「Web会議」のキーワードをインターネットで検索して、ブイキューブのサイトにアクセスしたところ、チャットのサポートがあり、そこで問い合わせたのです。チャットでの問い合わせは午前中でしたが、その日の昼過ぎには「Web会議」を利用したデモを体験できました。
もちろん、他社サービスとの比較も行いました。「画像は綺麗か」「遅延はないか」という点を重視しましたが、圧倒的に「V-CUBE ミーティング」が高品質でした。
営業現場で「遠隔同行」が受け入れられるか、正直不安もありましたが、実際に行ってみると全く問題はありませんでした。お客様から「エレコムさん、進んでますね」という声をいただいたこともあります。
エレコムサポート&サービス株式会社 CS部
新規ビジネスグループ グループリーダー 及川 佳史 氏
サポートセンターの業務は、定型的なフローのプロセスが多くあります。例えば、不具合のある製品の交換手配をする業務はこれまで人手で行ってきましたが、RPAを用いて電話の受信ログを人が見て出荷システムへ入力するというフローを自動化すれば、大幅に効率化できます。このような“ITを用いた業務改善”の1つが、「V-CUBE ミーティング」の活用です。
営業を支援するサポートセンターは札幌にありますが、営業マンは全国各地で商談を行っています。そのため「V-CUBE ミーティング」を活用した「遠隔商談」は効果的です。
また、オフィスには全国各地の営業拠点と結んで会議を行うテレビ会議システムが設置されていますが、他の人が使っていることも多いため、最近は「V-CUBE ミーティング」を使って自席からミーティングを行うケースも増えています。
今後は、工事技術者が工事会社などのパートナーとの間で研修や指導を行う際に、「V-CUBE ミーティング」を活用することも視野に入れています。
もともとは「限られた人数の工事技術者が遠隔で営業をサポートする」という「遠隔同行」を目的に「V-CUBE ミーティ ング」を検討・選定したエレコムであるが、その活用法は社内・社外を問わず、多彩なものに広がりつつある。
ソリューションビジネスの拡大により、技術者の営業同行ニーズは高まっている。法人向けのWi-Fi設備導入支援ビジネスもその1つで、現状では営業サポートのための技術者の人数も拠点も限られている中、商談は全国各地に及び、営業担当から技術者の同行希望が殺到している。
営業担当から殺到する同行希望を、移動の時間やコストをかけずに効率的に実現するために「V-CUBE ミーティング」を導入。工事技術者は顧客に往訪している営業マンが持参したPC画面越しに技術的な視点からの営業サポートを「遠隔同行」の形で行っている。
田中氏は当初、現場の営業担当者からネガティブな反応があることを危惧していたが「仕事でWeb会議を使ったことがない人でも、多くが個人のデバイスでテレビ電話アプリを使った経験がありました。そのような状況から、Web会議システムを使った遠隔同行に拒絶反応はありませんでした」と振り返る。
もともとは「遠隔同行」のために検討・導入したWeb会議であったが、田中氏は「以前、テレビで、離れた拠点をWeb会議で常時接続して一体感を出している企業についての番組を見た」ことを思い出す。
2019年、立て続けに神戸と福岡にビジネス拠点ができた際、別の会社がグループの一員になったという背景もあり、異なる文化の拠点を一体化する必要があった。そこで、低コストのテレビ会議システム「V-CUBE Box」を導入し、3拠点のオフィスの大画面に、それぞれの拠点を常時映すという「空間共有」をスタートさせた。
始業時には「V-CUBE Box」を起動し、3拠点を常時接続。いつもお互いが見えており、「空間共有」の名前の通り、同じ空間にいるような感覚で「今日は調子良さそうじゃない?」といった雑談に近いコミュニケーションも可能になる。
拠点間を接続したテレビ会議を設置している会議室もあるが、昨今は会議室が埋まっているというケースも多い。自席からPCで「V-CUBE ミーティング」を活用し、社内の離れた拠点との遠隔会議を行うことも増えている。
工事技術者の業務は、自社の営業マンのサポートだけではなく、工事会社などのパートナーに対する研修や指導にも及ぶ。特に設置場所の実際の状況を見ないとわからないケースでは、視覚的に判断しながら指示できる「V-CUBE ミーティング」が有効となる。