宮崎市は宮崎県のほぼ中央に位置し、年間を通して温暖な気候が特徴で、数多くの観光資源を持つ観光都市。平成18年1月に佐土原町・田野町・高岡町と合併、さらに平成22年3月に清武町と合併。各地域の特色を生かしつつ、一体的で均衡あるまちづくりを推進。魅力ある都市を目指し、さまざまな施策や事業に取り組んでいる。一方、ICTを活用した施策にも積極的に取り組んでおり、合併に伴い広範なエリアにまたがる支庁から本庁に集まるという会議のシステム見直しを検討。テレビ会議システム「V-CUBE Box」とWeb会議システム「V-CUBE ミーティング」により万が一の災害時を見据えた、情報ネットワークとしての機能も構築している。
定期的な幹部会議のたびに、毎回各支庁から本庁への移動が発生。遠くは20km離れた拠点から参集する必要がある。
万が一の災害時に、市役所の専用ネットワークがダウンすると、現場の情報収集が困難になったり、参集できない職員との情報が途絶えたりする問題がある。
業務を委託している外部民間業者とのミーティングにおいて、実際に集まる以外に手段がなく、忙しい現場を離れることで負担がかかる。
本庁に設置された「V-CUBE Box」と支庁の「V-CUBE ミーティング」 で遠隔会議を実施。書類を画面共有することで、共通認識の向上も目指す。
本庁での会議を遠隔で行うことで、移動にかかるコストや時間の拘束を軽減。招待メールのURLをクリックするだけ、いつどこからでも会議に参加可能。会議の設定もワンオペレーションで完了し、管理サイドの業務負担も最小限。
自治体の専用ネットワークとは別に、インターネット回線で遠隔会議を接続するため、仮に専用ネットワークに不具合があっても情報共有が可能。
万が一の災害時も、インターネット回線を活用しての遠隔会議を実施。通常の遠隔会議で使い慣れている環境なので、本庁と各支庁の連携がスムーズに、災害時の情報共有や支援対策が行える。
手元のPCなどから遠隔で、移動せずに会議に参加できるので、本来の業務にかかる負担を軽減。
例えば介護関連の業務を委託する地域包括センターと行われる管理者会議等を遠隔で実施、現場を離れずに参加可能。さらに、リアルタイムで参加できない人は録画機能を活用し、後から会議映像を視聴できるので、管理業務に必要な情報共有の機会を確保。
会議参加者の制限や入退室の管理、接続状況の監視がしやすいこと。
5〜6拠点30〜40名規模の会議でも、映像や音質が安定したクオリティであること。
小規模なミーティングや急な会議でも、現場ですぐに会議を設定、参加できること。
宮崎市情報政策課 情報政策係 松浦 裕 氏
遠隔会議システムの導入については、平成18年と22年に実施した町の合併が背景にあります。合併により市域が広範囲になり、定期的な幹部会議のたびに最大20km離れた遠方拠点からの移動が課題でした。
平成30年から開始された市の行財政改革大綱の実施項目の一つとして、ICTを活用した会議の効率化について、速やかに実施するべき項目として進めることになりました。
具体的には、本庁と支庁や各拠点をWeb会議システムで連携、年間約160回にもおよぶ会議にともなう移動によるコストの軽減を目指しています。
選定にあたっては、5〜6社から比較検討した結果、ブイキューブに決定しました。課題である会議の効率化のためには、管理サイドだけでなく主催する職員でも柔軟に設定できることも条件の一つでした。その点でブイキューブは優位性があり、それ以外にも、通信品質やコスト、さらに、業界でのシェアが1番であったことなどを総合的に評価しました。
宮崎市は、常に南海トラフ地震対策への意識があります。災害時は、市の専用ネットワークに支障をきたすと、現場や河川カメラがない箇所の情報収集が困難になり、また、参集できない職員とのやりとりにも支障が出ます。そのような事態を想定し、遠隔会議システムをオンプレミスで構築するのではなく、インターネット回線で独立させた通信にしようと考えました。
もう一つの課題が、セキュリティ面です。会議では機微な内容を取り扱うこともあり、常に、どこで誰がつながっているかという監視や制限、入退室の管理が不可欠です。その点、ブイキューブは、管理がしやすく接続状況が一目でわかるので安心です。
実際の運用開始にあたって、本庁と他の庁舎、東京事務所、海外とつないで体験会を実施しました。参加者からの評判は良く、いろいろなアイデアや質問がありました。東京事務所等においても、これまで報告手段は書類ベースでしたが、遠隔でインタラクティブなコミュニケーションが可能になります。
宮崎市役所では、30〜40名で行われる大規模な会議の他に、PCやタブレットなどを使用した小規模なミーティングが日々行われている。一般的な通信アプリに慣れている世代の職員からは「こういう使い方もできるのでは?」というアイデアも寄せられる。遠隔会議システムの導入を機に、これまでは書類やメールで行っていたやりとりをWeb会議にするなど、庁内外のコミュニケーションのあり方を見直す機会にもつながっている。
市役所の勉強会等に活用。
本庁に全員が集まって行う勉強会等を、遠隔会議で実施。職員が移動する必要がなくなり、本来業務への負担軽減につなげる。
例えば介護保険関連等で業務を委託している外部民間業者との定期的なミーティングに活用。
忙しい現場を離れることなく会議に参加できることから、業務負担の軽減につながる。
監視用の定点カメラが設置されていない河川の映像をスマートフォンを通じて共有するなど、災害などの緊急時の情報収集。庁内専用ネットワークではなく、インターネット回線接続のため、場所を問わずにアクセスが可能になる。
各支庁で対応する住民の方々からの相談の中で、専門的なケースを本庁の職員が対応。
また、東京や海外でのイベントやPR活動を本庁から発信するなど、遠隔サポートをリアルタイムに実施。