導入事例

株式会社奥村組 様

作成者: ブイキューブ|2020.12.21

音声認識型スマートグラスで「遠隔臨場」を実現
映像・静止画の共有で業務効率の向上も

日本を代表する建設会社の一つ、奥村組。日本初の実用免震ビルの建設や泥水式シールド工法の開発など、業界トップクラスの高度な技術力を誇る同社は、全国で工事を施工している。工事期間中に適宜必要になる監督官の現場臨場には、監督官と受注者双方に移動に伴う時間とコストが発生する。そこで同社では、新技術情報提供システム「NETIS」に登録されている「V-CUBE コラボレーション」を導入。同製品に特化したRealWear社製の「音声認識型スマートグラス」を共に使用することで現場臨場をしなくても状況を確認できる「遠隔臨場」を可能にし、業務全体の効率アップも実現した。

工事現場における課題

現場臨場に伴う時間とコスト

現場と監督官等の事務所が離れているような場合は、移動に伴う時間とコストが監督官・受注者双方の大きな負担になっている。

慢性的な人手不足で、生産性向上がマスト

業界全体で慢性的な人手不足が課題。少ない人員で効率的に作業を進められるよう、工数の削減と生産性の向上は必須の課題となっている。

確認作業はミリ単位なので、高精細なカメラが必須

ミリ単位の確認作業が必要になる現場において、オンライン作業を行うには、通常使用しているタブレット端末などのカメラではスペックが不十分。

「V-CUBE コラボレーション」でこう解決!

「遠隔臨場」を実現し、現場への移動コストを低減

構造物の出来形やコンクリート圧縮強度試験の確認といった現場臨場の遠隔化を実現。現場臨場の回数は3分の2まで減少。

週に数回、監督官が行っていた現場での目視による確認が減少したことで、監督官の負担だけではなく、その対応に割かれていた現場の人的リソースも最大限に活用できるようになった。

映像はセキュアな環境で保存し、資料映像として情報共有

遠隔臨場を記録した映像はクラウドに保存され、資料映像として関連部署と共有。

遠隔臨場の際の映像を資料映像とすることで、現場に立ち会えない関連部署との情報共有も円滑化。業務効率と生産性の向上につながる。

映像・静止画を高解像度で送受信するので、コミュニケーションも円滑化

RealWear社製の「音声認識型スマートグラス」により映像はフルHD、静止画は4K画角で双方向通信が可能。なおかつハンズフリーで活用できる。

高精細な映像・音声をタイムラグなく送受信可能なので監督官とのコミュニケーションも円滑・迅速にできる。ハンズフリーで通信できるため、材料確認用の定規やノギスなどを一人で持ちながら撮影でき、人員削減にもつながった。

「V-CUBE コラボレーション」選定のポイントは?

作業の効率化・生産性向上につながるか?

コストの削減や現場の負担軽減につながること。

  • 現場臨場を完全に「遠隔化」
  • 立会に伴って現場作業を中断する時間が大幅に低減し、移動に伴う時間とコストも大幅削減

精細な映像・画像を送受信できるか?

ミリ単位の確認が可能な映像・画像を高精細に送受信できること。

  • RealWear社製の音声認識型スマートグラスは映像はフルHD、静止画は4K画角での送受信が可能

お客様の声

遠隔臨場による業務効率化や生産性の向上へ期待

当社では、建設現場に向けたICTの戦略的な導入を進めています。特に新型コロナウイルス感染拡大への対策と共に、国土交通省からも遠隔臨場に関する試行要領案が示されるなど、映像と音声の双方向通信ツールの重要性を強く意識し、その導入に向けツール選定を進めていました。「V-CUBE コラボレーション」は、高精細な映像・画像を送受信でき、選定要件と一致するものであったため導入を決めました。

近年、労働力不足は業界全体の課題となっており、業務効率化・生産性の向上は避けて通れません。あらゆる業務の効率化が不可欠な状況下において、業務環境の変革につながる今回の導入は、効率化実現の一助になるものと期待しております。

株式会社奥村組 ICT統括センター イノベーション部 戦略課長 稲垣 考一 氏

社内のコミュニケーションの円滑化という効果も

これまで、現場の職員と支援する母店の職員のコミュニケーション不足が課題となっていましたが、遠隔臨場時の映像をクラウド保存して、関連部署と資料映像として共有することができるので、組織内のコミュニケーションの円滑化と業務効率化を進めることができました。

そうした通信環境を常にセキュアに確保してくれる点も、ICTによって生産性向上を図るという我々の取り組みを非常に進めやすくしてくれているように感じています。

株式会社奥村組 ICT統括センター イノベーション部戦略課 増田 貴之 氏

現場立会回数が3分の2に低減、現場への的確な指示も可能に

現在、愛知県内で明治用水の耐震化工事を進めています。工事用道路に敷設する鉄板の枚数、掘削に伴う湧水の排水量、また、コンクリート圧縮強度試験などは、従来監督官の現場臨場による確認が必要な業務でした。「V-CUBE コラボレーション」によって、これらの業務の現場臨場を遠隔化することができ、月10回以上あった監督官の現場臨場回数は30%以上減少しました。

使い方としては、現場と現場事務所、監督官の3拠点を結んだうえで、現場からはスマートグラスの映像を送ります。現場事務所の担当者や監督官は、その映像に確認箇所などをリアルタイムで書き込み、現場では書き込まれた内容がスマートグラスのディスプレイに表示されるため、「あっち」「こっち」と口頭で指示を受け応えするよりも的確で間違いがありません。また、重機の近くにいても音声は非常にクリアに聞こえるので、遠隔臨場で困ったと感じることは全くありません。

名古屋支店 明治用水耐震化工事所 所長 長坂 一宏 氏

株式会社奥村組様における「V-CUBE コラボレーション」の活用法

多くの独自技術と豊富な工事実績を持つ奥村組が導入しているのは、国交省新技術情報提供システム 「NETIS」の登録製品である「V-CUBE コラボレーション」。現場での映像の撮影は、フィールドワーク用途に特化したRealWear社製の音声認識型スマートグラスやiPadなど、さまざまなデバイスに対応しており、同社では現場と現場事務所、監督官の3者をオンラインで結ぶことで、双方向コミュニケーションによる「遠隔臨場」を実践している。RealWear社製「HMT-1」は、映像・静止画が高精細なため、ミリ単位で映像を確認できる。

RealWear社製「音声認識型スマートグラス」を現場で活用

現場


カメラに接続するコードなどは一切なく、完全ハンズフリーで作業ができる。スピーカーは大音量かつノイズキャンセリング機能付きなので、重機などの近くでも音声はクリアに聞こえる。

監督官PC


監督官側のPCではリアルタイムに現場の映像を確認できる。フルHDの映像、4K画角の静止画をリアルタイムに送受信できるので、ミリ単位の確認が可能。

 

フルHD規格の高画質+ノイズキャンセリングで

音声操作で完全ハンズフリーを実現

RealWear社製「HMT-1」はハンズフリー、高い堅牢性、高画質、「大音量+ノイズキャンセリング」が特徴。IP66の防水防塵仕様で、-20℃~50℃の環境下で利用可能。最高でフルHDの動画、4K画角の静止画を撮影でき、95dB環境下でのテストもクリアし、騒音が大きい環境下でも快適に利用できる。防爆仕様の「HMT-1Z1」もラインナップされている。

NETIS登録製品とは?

国土交通省「NETIS:新技術情報提供システム」

NETISは民間事業者開発の有用な新技術を活用するためのデータベース。「V-CUBE コラボレーション」は2018年に登録。インフラや建設業といったフィールドワークの働き方改革に最適なソリューションとして、導入が進んでいる。

※New Technology Information System