東信地方の中心都市である長野県上田市。市本庁舎の耐震化に伴う庁舎の建て替えにあたり、防災拠点としての機能充実や災害対応のためのシステム導入の検討を進め、ブイキューブの「緊急対策ソリューション」を検討。地図情報や被災状況をデジタル化し集約でき、複数拠点でも映像を共有しながら被災現場や避難所の状況をやり取りできる点から、「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」を導入した。2019年(令和元年)には東日本に台風が直撃し、長野県や上田市も多くの被害があったことも受けて、今後の災害対応力を強化していく体制を整えた。2023年には“複数拠点でも迅速かつ正確に情報共有・判断ができる”という「緊急対策ソリューション」の強みを活かし、大規模防災訓練でも活用した。
紙媒体や資料、ホワイトボード等での共有では、資料作成や地図での位置確認等に時間がかかり、大人数での視認性も悪い。
被災現場や避難所など電話や複数人の職員を介しての情報伝達だと、実際の現場状況が分からず、的確な指示や判断が難しい。
平常時に触れる機会が少ない災害対応用のシステムだと、いざ災害が発生した際に操作方法が分からず、有効活用できないことも。
デジタル化し情報を集約・共有することで、資料の取りまとめ等の作業を省力化でき、災害収束後の情報整理も迅速化する。
複数の情報を画面に表示・投影できる「V-CUBE Board」を活用すれば、アナログな資料作成や地図での位置確認等の手間も省ける。また、大人数での会議でも高い視認性を保ち、リアルタイムに状況把握と判断が可能になる。
電話や複数の職員を介した情報伝達ではなく、現場状況の映像を共有しながら、相互のやり取りが可能になり、適切な指示・対応が可能になる。
被災現場や避難所の映像を「V-CUBE Board」上に取りまとめ共有し、「V-CUBE コラボレーション」を活用してリアルタイムに一斉送信が可能。その結果、災害対策本部と各部局との間での認識のズレをなくし、速やかな情報伝達・共有を実現。
災害・防災以外での会議や研修等、日々の業務でも活用できるシステムであれば、いざ災害が発生した際にもすぐに有効活用できる。
「V-CUBE Board」や「V-CUBE コラボレーション」は、日常的に資料や映像、地図情報等を集約して表示、そして複数拠点でリアルタイムに共有することができる。日々の業務で十分に活用し、いざという時にもスムーズに使いこなすことができる。
災害状況を画面に表示し、情報を集約できること。 新たに導入したシステムとの相性が良いこと。
関係者全員が視覚的に情報を共有でき、認識のズレを防ぎ、的確な意思疎通ができること。
災害現場や避難所等、情報端末上で庁外とのやり取りも可能なこと。
今回、国内各地で地震や豪雨などによる被害が発生しており、令和元年には東日本を台風が直撃し、長野県や上田市も多くの被害を受けました。上田市本庁舎も災害対応力の強化の必要性を実感させられたタイミングでした。
庁舎の建て替えに伴い、防災拠点としての機能充実、災害対応のためのシステム導入の検討を進める中で、ブイキューブの「緊急対策ソリューション」を導入しました。今回の導入において、災害に関わる情報の「収集・共有・伝達」の一元化をテーマとしておりました。
「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」を活用すれば、災害対策本部と被災現場の応急対応や避難所運営を行う部局との円滑な連携が可能になり、結果的に正確かつ迅速な市民への情報伝達が可能になると考えております。
「V-CUBE Board」は65インチの大画面で、多くの情報を投影・集約させて、複数人で同時にタッチパネルで操作できることに、職員も興味津々でした。直感的に操作できるだけでなく、本部室に設置している大型モニターへの投げ込み投影なども簡単にでき、複数拠点・複数人での情報共有がより正確にできると感じています。
また、「V-CUBE コラボレーション」の遠隔会議機能のおかげで、現場映像を確認し書き込み等をしながら、複数拠点でも的確にコミュニケーションを取ることができるので、関係者全員で認識のズレなく視覚的に意思疎通が取れることも期待しています。
幸いにも導入後に大規模な災害は発生していませんが、操作訓練や研修等を重ね熟度を高めていきます。また、災害・防災以外での会議、研修等、平常時でも活用しながら職員への浸透を図り、実際に災害が発生した際に、より有効的に活用していきたいです。
上田市危機管理防災課
長野県上田市は、防災拠点としての機能充実や災害対応のためのシステム導入を検討。地図情報や被害状況をデジタル化し集約でき、複数拠点でも映像を共有しながら現場状況をやり取りできる点から、「V-CUBE Board」「V-CUBEコラボレーション」を導入した。今後は日常的にシステムを活用しながら、複数拠点でも迅速かつ正確に情報共有・判断ができる体制を構築していく。
2023年9月2日、甚大な被害が予測されている糸魚川-静岡構造線断層帯全体での大規模地震や局地的豪雨を想定し、即応できる防災・減災体制の構築を図り、地域防災基盤の充実と強化を目的とした大規模防災訓練を実施。
帯域が弱い場所で活用できるWeb会議という「V-CUBE コラボレーション」の特性を活かし、市役所を含む各拠点を映像付きで連携。実災害を想定したシナリオで、リアルタイムでの状況報告を行った。
「V-CUBE Board」を活用した訓練では、予め市内16エリアの地図を「V-CUBE Board」の画面内に一覧で表示。報告に合わせて、地図をマルチモニタに投影し災害発生エリアを手書きで書き込みを行った。地図上への書き込みで可視化し共有することで、本部内での情報共有が一元化された。
従来のアナログ的な運用では、災害現場から電話など口頭で伝達されてきた状況を集約するのが困難だったが、「V-CUBE Board」の画面上の地図に書き込むことで視覚的に把握できることで、判断の迅速化や正確性向上につながる。
従来は、市内4地域のセンター長が災害対策本部の会議出席のために、地域を離れて市役所に移動する必要があった。「V-CUBE コラボレーション」の活用により地域にいながら会議に出席できるため、会議の内容をもとに、センター長が現場にすぐに指示を出すことが可能になる。
災害時には道路などのインフラ、ライフラインが寸断されることも想定されるが、「V-CUBE コラボレーション」による情報共有が可能になることで、仮に分断された地域があっても、市内全域の情報を災害対策本部で一元的に把握できるようになる。
災害対策本部では、新システムが有する地図情報や避難所の開設状況、収容人数等を「V-CUBE Board」上で操作・一括表示させ、本部室のモニターに投影、書き込み等をしながら会議を行なっていく。
これまで紙媒体の地図や資料、ホワイトボードなどアナログ情報の取りまとめや地図での位置確認等に時間がかかっていたが、「V-CUBE Board」上にデジタル情報として集約することで、作業の省力化や情報整理が迅速化になる。大人数でも、視覚的に正確に把握できるため、認識のズレなく共有できることを期待している。
「V-CUBE コラボレーション」の遠隔会議機能により、災害対策本部と災害現場や避難所等の職員との間で、リアルタイムに情報共有が可能になる。
これまでは電話で災害状況の共有・報告を行なっていたが、複数拠点や複数の職員を介して共有していたため、状況の把握に時間がかかったり、正確さに欠けたりしていたことが課題だった。しかし、「緊急対策ソリューション」では、現場状況の映像を共有しながらやり取りできるため、視覚的に情報を共有し、的確な意思疎通ができるようになる。
今後、「V-CUBE Board」をホワイトボードとして、被害状況や市の対応を、地図情報や現場写真などと組み合わせてデジタルデータ化し、データ上で記録・管理を行なっていく。
災害状況や現場の映像などをデジタル化して共有することで、災害収束後の情報整理も迅速化させられるため、今後の災害対応力の強化に向けたデータの蓄積・活用がより進むことを見込んでいる。