オープニングでは、株式会社揚羽 ブランディングコンサルタント/クリエイティブディレクターの板倉 マサアキ 氏と、株式会社ブイキューブ グループCEO室の古関より、「なぜ今、インターナルブランディングなのか」と題したセッションを行いました。
株式会社揚羽 ブランディングコンサルタント/クリエイティブディレクター
板倉 マサアキ 氏
神戸市生まれ。神戸大学工学部を卒業後、株式会社揚羽に入社。 ブランディング(採用、インナー、アウター)の核となるコンセプト開発から プロモーションの戦略、及びクリエイティブディレクションを担当。 HRに立脚した視点から、企業活動の根幹を担うビジョン/ミッション/バリューの 設計及びブランドストーリー、ブランドロゴの開発など、活動範囲を広げている。
株式会社ブイキューブ グループCEO室 EventIn事業開発チーム リーダー
古関 謙
2016年、株式会社ブイキューブに入社し、社長室 事業開発担当として新規事業を牽引。 『遠隔作業支援ソリューション(スマートグラス連携)』、『Agora ビデオ通話・ライブ配信SDK』、『オンラインイベントプラットフォーム EventIn』など数々の新規プロダクトを手掛ける。 2020年以降、イベントのオンライン化やハイブリッド化に取り組んでいる。
冒頭、板倉氏より、「人的資本経営」が重要視されている昨今の潮流を解説いただきました。
経済産業省によって発表されている人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方という定義を引用しつつ、今、人材の成長に投資する経営スタイルが注目されており、人材に関する情報はステークホルダーや投資家からの判断基準の一つになっているため、情報の開示が求められていると説明いただきました。
板倉氏は、その「人的資本経営」のメリットは、
であるとした上で、「サービスプロフィットチェーン(企業利益の因果関係)」というフレームワークを用いながら、インターナルブランディング活動は顧客の満足に直結していることを説明し、「インターナルブランディングは決して業務外活動ではなく、企業に利益をもたらす重要な取り組みです」と締めくくりました。
続いて、板倉氏の説明を引き取り古関より、「社内イベントがコロナ前後でどう変わったか」を説明しました。
「以前はインターナルブランディングはコスパ良く実施が当たり前だった」とした上で、コロナ禍を経て、企業の考え方に変化が起きたといいます。
その背景としては、オフィス出社に戻る企業が増えている中でも、特に従業員数が多い大企業や、グローバルに分散した拠点を持つ企業などを中心に、リアルとオンラインを融合した「ハイブリッドワーク」が働き方の主流となっており、多様な環境で働く社員が一堂に会す社内イベントには、オンラインの活用が不可欠になったという点を説明しました。
実際に、コロナ前からの事業の柱であった「社外向けの失敗できないイベントでの支援」に加えて、現在では「社内向けの盛大に行いたいイベントでの支援」として、
という用途が増えているということです。
さらに、最近の傾向としては「メタバース」での開催が増えているということです。「コロナ禍でオンライン配信が当たり前になったことで、一方向の配信では社員は飽きてしまうようになった」ということで、より体験価値を高める手法としての「メタバース」に注目が集まっていると説明しました。
本セッションではオープニングセッションにもご登壇いただいた株式会社揚羽 の板倉 マサアキ 氏に、「成功するインターナルブランディングの進め方」として、ご講演いただきました。
冒頭、板倉氏からは、株式会社揚羽について、「人とビジネスを描く」という創業からの強みを持ちながら、お客さまとともに未来へ伴走する、ブランディングパートナーであるという説明がありました。同社は、採用プロモーションから始まり、これまで数千人を超える「働く人たちの声」を取材してきたということで、その企業の魅力を見つけるノウハウで、愛されるブランドづくりが可能で、それが同社の「ブランドストーリー」だといいます。そのため、「調査分析」から、ターゲットとの「関係づくり」まで、伴走しながら支援する「ワンストップソリューション」を提供しているということです。
その上で、「成功するインターナルブランディングのポイント」を4つ挙げていただきました。
①の「目的を設定する 効果を理解する」については、「フォッグ式消費者行動モデル」を引用しながら、従業員に理想的な行動を促すためには、モチベーションを高める「エモーショナルな施策」と、トリガーとなる「ファンクショナルな施策」が必要になると説明いただきました。そのための施策も、目的別にその効果はさまざまであり、期待できる効果を知り、施策を実行することが大切だということです。また、従業員といってもその属性は千差万別であるため、主なターゲットのペルソナを設定し、「エンプロイージャーニーマップ」を作成することで、最適な施策を検討することが重要だということです。
②の「プロセスに社員を巻き込む」については、インターナルブランディングは、経営と現場をつなぐ取り組みであるため、経営サイドだけで施策を開発するのではなく、社員を巻き込む必要があるといいます。プロジェクトチームを立ち上げる、インタビューを実施する、ワークショップを行うなどの手法を紹介いただきました。
③の「プロセスを価値に変える」については、経営と現場の相互理解のため、できる限り情報を開示しながら進めることが重要だということです。インタビュー、ワークショップ、メッセージの導出など、それぞれのプロセスを伝えることで、それが価値になるという説明をいただきました。
④の「巻き込んだ社員を味方にする」については、取り組みに対してポジティブな社員は、強力な味方だということで、「アンバサダー」として特別な任務を担ってくことで浸透が加速するということです。
最後に、株式会社揚羽は、これらの調査から課題の解決まで伴走するという話で締め括っていただきました。
本セッションでは「メタバース×オンラインイベント新しい体験とコミュニケーションを創造する」と題して、株式会社ブイキューブ イベントDXチームの、八幡 和憲が講演しました。
株式会社ブイキューブ 事業企画室 イベントDXチーム チームリーダー
八幡 和憲
2016年 株式会社ブイキューブに入社、官公庁や教育業界の法人営業を担当。 2019年より、新規ビジネスの創出や販売企画・運営推進を行う。 現在はイベントDX事業の統括として、事業戦略立案・関連プロダクト管理・新規ビジネスの創出まで幅広く担当。
まず、ブイキューブのイベントDX事業についての紹介で、「メタバースからハイブリッドまで」をキーワードに、「多様かつ複雑なオンラインイベントを成功させるノウハウ / キャパシティは日本随一」との説明がありました。年間7,000回ものオンライン配信をサポートした実績から、「配信システム+サポート」では国内No.1のシェアを獲得している点を紹介しています。
また、ブイキューブが実施した「コロナで急拡大したビジネスイベントのオンライン化に関する実態調査 2021.05.24」によれば、「コロナ収束後もオンラインでビジネス系イベントを実施したい」人は84.6%に上るということです。その中で「ビジネス系オンラインイベントに今後期待したい点」として挙げられたものは、
が多かったと言います。
「飽きない / 盛り上がる / 楽しめる企画自体の検討が必要」と指摘した上で、ブイキューブでは利用シーンごとに適した3つのタイプのメタバース活用を提案していると説明しました。
この「3D視聴型」については、インターナルブランディングと関連の深い「PR / 周年記念 / 社内キックオフ」などのイベントに最適だとした上で、従来のオンライン配信との違いを以下のように説明しています。
実際の導入事例として、大手グローバル電機メーカーのグローバルタウンホールミーティングがあるといいます。
中期経営計画を社内向けに3DCG上で発表し、さらにメーカー独自で作成したキャラクターを登場させたことで、「新鮮さ」「面白さ」によって視聴者の興味・関心を維持し、かつ英語でも収録することで、全世界に向けたメッセージの深い浸透を図っています。
また、大手総合化学メーカーや大手飲料メーカーでは、オンライン内定式での実績があります。「オンライン内定式では複数社のイベントに同時参加できてしまうため、内定者をいかにグリップするかが重要」と八幡は指摘し、「内定者の約95%が満足した」「参加者からの10段階評価で平均9.2を獲得した」とその成果を説明しています。
一方、大手製薬企業の四半期キックオフイベントでは、参加者自身がアバターになって会場内を歩き回れる「3D ウォークスルー型」のサービスを提供し、経営層によるプレゼンテーションのあと、複数テーブルに分かれてディスカッションを実施したといいます。
また、ブイキューブでは「メタバースと似ているが、クリックするだけでバーチャル空間の移動が可能な、利便性に特化させたサービス」として「2.5D クリック移動型」も提供しており、こちらはパーソルホールディングスの新入社員歓迎会で利用されています。
なお、XR合成の設備を持つ国内最大規模のスタジオが東京と大阪にあり、3DCGを活用したメタバースの仕組みと配信の裏側を覗ける「3DCG体験会」への参加が可能になっています。
最後に「オンラインイベント配信ならブイキューブ」という点とともに、インターナルブランディングにメタバース・3DCGを活用したい方からのご相談をブイキューブが承っている点を強調し、セッションを締めくくりました。