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テレビ会議の特徴とは? Web会議との違いやメリット・デメリットも解説

作成者: ブイキューブ|2022.08.31

新型コロナウイルス感染症の影響で、在宅勤務やリモートワークのような働き方が導入されるなか、職場におけるコミュニケーション方法も変化しています。リクルートワークス研究所が2021年12月に発表した「職場における集まる意味の調査」によると、対面によるコミュニケーションは67.1%の減少がみられ、Web会議(画面あり)が54.9%も増加しました。

オンラインによる会議システムのためには、Web会議もしくはテレビ会議を導入することが一般的です。どちらも映像と音声を用いたコミュニケーションツールですが、導入機器・利用シーン・コストなどにおいて大きく異なります。自社に合ったツールを選ぶためには、Web会議とテレビ会議の違いについてよく知っておいたほうがよいでしょう。

そこでこの記事では、テレビ会議の特徴を解説し、Web会議との違い、それぞれのメリット・デメリットについてもお伝えしています。ハイブリッドワークにおけるコミュニケーション方法を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

テレビ会議とは

テレビ会議とは、会議室に専用機器を設置して利用する据え置き型の会議システムです。基本的に専用回線を使用することにより通信が安定するため、複数人が参加しても音声や映像の遅延がなく、大人数が参加する会議などに向いています。

PC1台で会議を行うと、付属のカメラで参加者全員を映せない、またはマイクできちんと声を集音できないといったトラブルが発生しがちです。また、複数台のPCによる参加は、スピーカー音をマイクが拾うときに起こるハウリングなどの音声トラブルを起こしやすくなります。

一方テレビ会議ではモニター・カメラ・マイクを含め、専用デバイスを設置するため、高クオリティの映像や音声での会議が可能です。同じ空間にいるような臨場感のあるやりとりが実現でき、円滑なコミュニケーションができるでしょう。

近年のテレビ会議の特徴

従来、テレビ会議は「MCU(多地点接続装置)」と呼ばれる装置を設置し、専用回線で拠点間を接続していました。MCUは複数の発信地からの信号を中継する装置で、単体で実装する場合もあればテレビ会議システムに内蔵されているケースもあります。端末に変更を加えずに構築でき、大規模な会議ではMCUを複数台接続して収容端末を増やすなど、柔軟に対応できる点が特徴的です。

しかし、近年のテレビ会議はインターネット回線を利用するクラウド型が主流となっています。

日本テレワーク協会の調べによると、コロナ禍以降に増加したオンライン会議ツールは自社構築ではなく、提供サービスへアクセスするクラウド型が多用されている傾向です。

MCUは機器の設置やシステム構築が必要でしたが、クラウド型はそれらが不要な点が大きな違いといえます。

自社でMCUの購入やシステム構築をしなくても、テレビ会議の環境を手軽に整備できるのがクラウド型のメリットでしょう。ネットワークを構築する設備はサービス提供会社が所有・管理するため、導入コストやランニングコストも削減できます。

海外拠点など遠隔地との会議時に、ネットワーク環境が異なることで通信品質に差がでてしまい、音声や映像が遅延するトラブルはよくある話ですが、クラウド型のテレビ会議は、サービス提供会社が保有する専用回線を利用するため安定した通信が期待できます。

テレビ会議とWeb会議の違い

テレビ会議は高い通信品質や安定性が特徴の会議システムですが、Web会議との違いも確認しておきましょう。主に専用機器や利用場所、コストに大きな違いがみられます。ここでは2つの特徴を詳しく解説し、メリット・デメリットについても紹介します。

テレビ会議

テレビ会議は、モニター・カメラ・マイクなどに専用デバイスが用いられます。接続回線も専用のものを使用するため情報漏洩やウイルス感染のリスクが低く、高品質な映像・音声によるやりとり、安定した接続が実現できるといえるでしょう。

テレビ会議の主な特徴と、メリット・デメリットは以下の通りです。

機器

専用機器を設置

利用場所

機器を設置した場所(主に会議室)

利用シーン

拠点間の会議・オフィスと在宅勤務者をつなぐ・研修など

1端末の利用人数

1人~複数人

コスト

高額

メリット

・快適に複数人でWeb会議ができる

・設定が簡単

デメリット

・高額

・設置場所でしか利用ができない

複数人で快適に利用できることから拠点間の会議や研修など、大人数の場で活用しやすい会議ツールです。

さらに海外のような遠隔地とのミーティング、重要度の高い会議においてスムーズなやりとりを希望する場合にも最適といえます。例えば、知事同士、あるいは国家間の会議ではテレビ会議システムが使用されました。このような重要な会議では遅延や音声の途切れなどがあってはならず、テレビ会議は最適といえます。

一度設定すれば使用者ごとの設定は不要で、操作もテレビ会議システム付属のリモコンで行うため、PC操作が苦手な方でも安心です。

ただし、テレビ会議は専用機器が設置された場所でしか利用できません。会議室への設置が一般的ですが、専用モニターを介したやりとりになるため場所が限定される点はデメリットといえます。

また、Web会議に比べて運用コストは高い傾向です。専用機器の購入やシステム構築などの導入コストに加え、ハードウェアの定期的なメンテナンスも必要になります。

Web会議

通常のインターネット環境を利用するWeb会議は、簡単かつコストをかけずに導入できるシステムです。申し込み後、すぐに利用できる手軽さもあります。Web会議の主な特徴と、メリット・デメリットは以下の通りです。

機器

PC・スマートフォン・タブレットが利用可能

利用場所

インターネット環境があれば、どこでも可能

利用シーン

商談・社内MTG・面談・面接など

1端末の利用人数

基本的に1人

コスト

低額

メリット

・どこからでも利用できる

・低額

デメリット

・複数人での利用に向いていない

・アプリのダウンロードやマイク・カメラの設定など、設定がやや難しいこともある


Web会議は、インターネット環境が整えば場所を選ばない点が大きなメリットです。テレビ会議のように特定場所に集まる必要がないため、テレワークでも活用しやすいでしょう。

専用機器の設置も必要なく、PC・スマートフォン・タブレットといった多様なデバイスに対応しているため、導入コストもそこまでかかりません。例えば、代表的なWeb会議システムにはZoomやGoogle Meetなどがありますが、プランによって無料でも導入可能です。

すでにあるデバイスを使用して無料のツールを活用すれば、費用をかけずに導入もできます。メンテナンスも不要のため、担当者の負担削減にもつながるでしょう。

ただし、Web会議では基本的にPCのカメラを利用するため、複数人で映ろうとすると映像が小さくなり、参加者の表情や雰囲気を読み取ることが難しくなります。

株式会社J.D. パワー ジャパンが2020年に行った調査によると、Web会議中のトラブルで多く挙げられるのは「音声が聞き取りにくい」が35%と最も多く、次いで「途中、接続が切れる」「画面共有が遅延する(タイムラグがある)」となっていました。とくに大人数で参加する会議は接続や回線が重くなりやすく、映像や音声の遅延・乱れ・途切れといったトラブルが起きやすい傾向です。

その他、アプリのダウンロードやマイク・カメラの設定など利用するまでの設定がやや難しく、PC操作に慣れていない方にとってはネックになると考えられます。

テレビ会議とWeb会議の比較表

テレビ会議とWeb会議の特徴や、メリット・デメリットを表にまとめました。比較検討する際の参考にしてください。

 

テレビ会議

Web会議

特徴

・専用機器の設置が必要

・専用回線により安定した通信が可能

・拠点間の会議、オフィスと在宅勤務者間の通信など大規模向き

・多様なデバイス(PC、スマートフォン、タブレット)に対応

・インターネット環境下で利用できる

・商談、社内MTG、面談、面接など小規模向き

メリット

・複数人で快適に会議ができる

・リモコン操作で設定が簡単

・セキュリティリスクが低い

・場所を選ばずに利用できる

・コストがさほどかからない

・メンテナンスが不要

デメリット

・コストが高額になりやすい

・機器の設置場所でしか利用できない

・複数人での利用には不向き

・設定がやや難しい場合がある

・通信環境に左右されやすい

まとめ

テレビ会議は通信の安定性と高い品質が望め、複数人での利用や海外のような遠隔地とのやりとりに最適なシステムです。

一方、専用機器の設置や保守にはコストがかかります。導入の手軽さやコスト面でみればWeb会議が有利といえますが、通信時にありがちなトラブルを考えると安定性のあるテレビ会議のほうがストレスなく、スムーズな進行を実現できるでしょう。

2つの違いを理解し、導入目的や利用シーン、コストを分析したうえで自社に最適な会議システムを検討してください。