新型コロナウイルス感染症の影響で出社制限がかかり、急激に在宅ワークは増加しました。在宅ワークを導入している企業では、同じオフィスにいなくてもコミュニケーションがとれるWeb会議ツールがよく採用されています。MM総研の調査によると、Web会議システムを導入している企業は国内企業2,604社のうち1,329社と、半数以上の企業がWeb会議システムを導入しています。
そのなかでも、多くの企業が導入しているWeb会議ツールが「Zoomミーティング」です。同調査によると、有償のWeb会議ツールを導入している企業のなかで、もっとも利用しているものは「Zoomミーティング」と答えた企業が60.1%と、ほかのWeb会議ツールとくらべて1番多い結果となりました。
このように人気が高いZoomミーティングですが、無料プランには時間制限があります。無料プランを使用している人のなかには、通話途中でも強制的に切れてしまって困った経験がある人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、Zoomミーティングの時間制限や無料プランと有料プランの違いについて解説します。
有料プランを導入しようか検討している情報システム部門の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
Zoomミーティングの無料プランは、2022年5月2日から2人だけの会議も40分までという時間制限がかかるようになりました。
以前は時間制限がかかるのは3人以上の会議であったため、無料プランでも2人でのミーティングに時間制限はありませんでした。時間制限がかかるようになったのは2022年5月2日からであるため、突然時間制限がかかり戸惑った人もいるのではないでしょうか。
しかしこの時間制限はあくまでホストが無料プランの場合に限られます。有料プランの人がホストとなって開催されるWeb会議では、無料プランの人が参加しても時間制限はありません。
Zoomミーティングの無料プランでは時間制限があるものの、さまざまな機能が使用できます。無料プランのZoomミーティングでできることの一例を紹介します。
無料プランの人がホストでも、最大40分、参加人数最大100人まで会議に参加できます。用途は限られますが、短時間でミーティングが終わる企業にとっては十分でしょう。
時間制限はありますが、時間がくる前に接続しなおせばミーティングは続けられます。ただし、顧客や取引先に再接続を要求することは失礼にあたるためおすすめできません。
無料プランでもミーティング動画を録画できます。
しかし、有料プランはクラウド上にも保存できますが、無料プランの保存先はローカルのみです。自身のパソコンに動画を保存しなくてはならないため、大量データによるメモリの圧迫が懸念されます。
画面共有とは、自分のパソコン画面をZoomミーティングを通じてWeb会議している人と共有できる機能です。Zoomミーティングでは無料プランでも有料プランと同じように画面共有できます。
対面してのミーティングの場合、資料を提示し見てほしい部分をそのまま示せばいいのですが、Webミーティングの場合同じ資料を持っていても、具体的位置を口頭で指示しなければなりません。しかし、画面共有機能があればマウスポインターなどで説明する場所を示せるため、対面と同じようにミーティングを進められます。
Zoomミーティングでは、ブレークアウトルームといって、同じ会議のなかでさらにグループに分けて話し合いができる部屋を作れます。ブレークアウトルームがあると会議に入り直すことなくそのまま少人数での話し合いに移行できるため、グループでの討論が必要になるような会議のときに便利です。
ただ、無料プランでは40分の時間制限があるため、ブレークアウトルームを使用していると時間が足りなくなる可能性は高いでしょう。作ることができるブレークアウトルームの数は、無料プランでも有料プランでも50個と変わりはありません。
Zoomミーティングでは背景を自由に変更できます。背景を設定できると、自宅や雑然した部屋でも映り込みを気にせずミーティングできます。また、自分の名前や部署などが入った背景にすると名刺代わりにもなります。この機能は無料プランも有料プランにも同じように搭載されています。
Zoomミーティングの無料プランは時間制限があるものの、ブレークアウトルームや画面共有など、さまざまな機能を使用できます。しかし、有料になるとより機能が増えるため、有料プランを導入するメリットも大きいでしょう。ここでは、有料プランになると使えるようになる機能を紹介します。
有料プランになると時間制限が40分から30時間と大幅に延長されます。30時間を超えるミーティングやセミナーはほぼないと考えられるため、無制限といっても問題ないでしょう。
参加人数も有料プランによっては無料プランよりも増え、以下のようになります。
プロ |
ビジネス |
ビジネスプラス |
企業 |
100人 |
300人 |
300人 |
500人 |
プロでは100人と無料プランと変わりはありませんが、ビジネス、ビジネスプラス、企業になると参加できる人数は大幅に増加します。
有料プランになると、録画や録音したデータをクラウドに保存できるようになります。クラウドに動画を保存できればパソコンに動画を保存しなくても済むほか、URLを送付するだけで動画を共有できるようになります。
クラウドに保存できる容量はプランによって異なります。
プロ |
ビジネス |
ビジネスプラス |
企業 |
5GB(ライセンスごと) |
5GB(ライセンスごと) |
5GB(ライセンスごと) |
無制限 |
共同ホストとは、ホストがほかのユーザーに対してホスト権限を付与できる機能です。ほかの人を共同ホストにできれば、その人も参加者の管理やミーティングの録画などができるようになります。ただし、共同ホストは字幕やライブストリーミングの開始、全参加者に対してミーティングを終了させる、別の人に共同ホスト権限を付与する、といったことはできません。
共同ホストの機能は有料プランのみで、無料プランの人は使えません。
管理用ダッシュボードを使用すれば、複数のライセンスの使用状況を管理用ダッシュボードで一括管理可能です。ダッシュボードには、ライブデータやミーティングをよく利用しているユーザーなどが可視化されていて、社内でのZoom利用状況が一目で分かるようになっています。
Zoomミーティング使用時に起きた問題分析や、社内でミーティングを開催する方法の検討をするときに便利な機能です。
管理用ダッシュボードを利用できるのは有料プランのなかでも、ビジネス、ビジネスプラス、企業の3つのプランで、プロでは利用できません。
参考:ダッシュボードの概要
Zoomにはウェビナーに特化したウェビナー専用のツールもあります。この機能をオプションとして追加できるのはZoomミーティングの有料プランのみです。ただし、有料プランの「企業」ではウェビナーオプションはすでに含まれています。
Zoomウェビナーは、登壇者だけを画面に映せるほか、参加者登録、クラウドの録画、セッション後のレポートなどの機能も搭載されています。Zoomミーティングでもウェビナーは開催できますが、メール通知やQ&A機能などウェビナーに便利な機能はついていません。
また、Zoomミーティングでは参加できる人数は最大1000人(※)ですが、Zoomウェビナーであれば5万人まで参加できます。規模が大きなウェビナーを開きたいときにZoomウェビナーはおすすめです。
(※)企業プランでも最大参加人数は500人ですが、大規模ミーティングのアドオンを入れると1000人まで増やせます。
Zoomミーティングは無料プランでもミーティングに利用できますが、40分までという時間制限があります。これは2022年5月から始まったものです。40分経過したあとに再び接続しなおせばミーティングを続けられますし、ホストが有料プランであれば無料プランでも時間制限なく利用できます。しかし、Web会議をよく行うのであれば有料プランに移行したほうがよいでしょう。
有料プランでは時間制限がなくなるほか、ミーティング動画をクラウドに保存する、管理用ダッシュボードの利用、ウェビナーオプションの利用など、無料プランよりも便利にZoomミーティングを使えます。今無料プランのZoomミーティングを利用している企業も、一度有料プランを検討してみてはどうでしょうか。