エプソンブランドの情報機器の販売を手掛けるエプソン販売では、メンテナンスは全国各地のサービスパートナー企業に委託しているため、新製品や主力製品を中心とした機器のメンテナンスに関する研修を、東京都日野市の事業所にてハンズオンによる集合研修として実施していた。
しかし、参加者がサービスパートナー企業の一部に限られるなどの課題を解消するために、ビジュアルコラボレーションツール「V-CUBE コラボレーション」を活用した遠隔研修に切り替えた。
全国各地から日野事業所に集まるには2日にわたる出張となることもあるため、参加者はサポートパートナー企業の代表者に限られてしまう。
選抜されて研修に参加するスタッフは、サービスパートナー企業にとっては主力人材であることが多いため、研修で不在になると現場のシフトにも影響が生じる。
頻繁に研修を開催できないため、研修で取り上げる機器は新製品などに偏らざるを得ず、幅広い機器をカバーできない。
遠隔での研修になったことで出張が不要になり、サービスパートナー企業のオフィスにメンバーを集めて、プロジェクタの大画面を見ながら研修に参加。
従来は、研修に参加した代表者が各社に戻り、他のスタッフに研修内容を伝えていたが、全員が同時に参加して、講師側の技術を共有できることから、効率的に周知できるだけでなく、技術力の底上げにもつながる。
研修の開催時間を、メンテナンス業務が終了している夕方以降に設定するなど、自由度が高まったため、現場の人的リソースへの負荷も低減。
スキルの高い人材を丸1日拘束する必要がなく、他の出席者にとっても、通常業務の終了後であれば参加しやすくなるため、日々の業務に影響を与えずに研修を実施できる。
新製品だけでなく、広く利用されている旧製品など、メンテナンスの現場で対応する機会が多い機器を対象とした研修も実施できるようになった。
現場からの要望があれば、特別な準備をせずにすぐに研修を遠隔で行えるため、開催頻度もアップし、幅広い機種に対する研修を開催できるようになった。
多数のサービスパートナー企業に展開するため、特別な説明をせずに簡単に利用できる製品であること。
ねじや基盤の端子など、微細な部分までくっきりと映像で共有できること。
研修用に作成した資料をリアルタイムで共有できること。
従来の研修は、ハンズオンかeラーニングの2択でした。ハンズオンの場合、日野事業所に集まってもらう必要がありますが、東京駅から1時間ほどかかる距離でもあり、研修のための移動時間やコストも、サービスパートナー企業にとっては大きな負担となっていました。
動画によるeラーニングも実施していましたが、「そこを注意して!」といった対話が成り立ちません。そこで検討したのがWeb会議でした。
講師役がスマートグラスをかけ、手元の作業を遠隔で見せながらポイントを説明できるようにするほか、研修に参加しているサービスパートナー企業による実技研修もスマートグラスで講師側に映像を送ってもらい、遠隔でチェックするという研修スタイルを考えました。
いくつかのWeb会議を試してみましたが、スマートグラスの映像のピントが甘いものなども多く、クリアに映像が共有できるという点で「V-CUBE コラボレーション」を選定しました。
「スマートグラス+パソコン+モバイルルータ+教育機材」を教育用キットとして、サービスパートナー企業に送り、研修を行っていますが、移動などの負担がなくなったことはサービスパートナー企業にとっても大きなメリットになっています。サービスパートナー企業側からも自社内での研修のために、教育用のキットを活用したいという声も上がってきています。
今後は、メンテナンスの現場となるお客様先で、「こんな紙詰まり状態になっている」という映像をスマートグラスから「V-CUBE コラボレーション」で共有し、リアルタイムで指示を出す…といった新しい活用法も模索しています。
エプソン販売株式会社 技術サポート 1部 インフラサービス・本社 藤園英秋 氏
エプソン販売が販売した複合機やプリンタなどのメンテナンスは、全国各地のサービスパートナー企業が行っている。従来、東京都日野市の事業所にサービスパートナー企業の代表者を集めハンズオンによる集合研修を実施していたが、スマートグラスを活用した遠隔会議化したことで、移動にかかるコスト削減が実現できただけでなく、代表者以外が研修に参加できたり、研修の開催頻度が上がるなどの効果が生まれている 。
【製品名】BT-300
【価格】オープンプライス
【ディスプレイ方式】シリコンOLED(有機EL)
【解像度】1280×720ドット(HD)
【OS】Android™ 5.1搭載 ※Androidは、Google Inc.の商標です
【質量】ヘッドセット部 69g(ケーブル・シェード除く)、コントローラ部 129g