正勇会は、北九州エリアで特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった福祉施設のほか、保育園も展開している。1つの社会福祉法人が、複数の施設を同時開設することは珍しく、理事長をはじめとした幹部が、各施設を訪問して同じ内容の研修や情報共有を行うことは負荷が大きかった。そこで、低コストで多拠点会議を開催できるテレビ会議システム「V-CUBE Box」を導入。効率化を図ることとなった。
理事長をはじめとした幹部が参加できるように、施設ごとに日にちを変えて会議を開催。幹部は同内容の会議に複数回参加することになってしまった。
日によって別の施設の会議に参加することで、幹部はほとんど毎日、午前中は移動と会議出席で時間を取られてしまい、他の業務に時間を割くことができなかった。
賃金の高い幹部が各施設を訪問することで、移動を含む会議出席のための人件費が膨らむほか、高速道路料金やガソリン代などの交通費もかかってしまう。
幹部が参加するために、施設ごとに開催していた会議は、
同内容であれば1回に集約することで、会議の開催頻度を大幅に低減。
6ヵ所の施設で個別に開催していた会議や研修を1回に集約することで、それまで重複していた会議のムダを大幅に低減。
幹部は移動せずに会議に出席できたり、外出先からスマホでも参加できることで、
大幅に拘束時間が減り、別の業務に割ける時間が増加。
理事長、副理事長、事務長、総務課長といった、多忙な幹部が、1日の半分弱を会議に拘束されていたことから解放され、業務効率を大幅に改善。
人件費の高い幹部の移動にかかる時間や交通費が不要になったことで、コストは大幅に圧縮。
会議のために移動する人員10名が月5日、1回3時間拘束されていたことから試算した人件費と、交通費を試算すると、年間数百万円単位での大幅なコスト削減効果に。
社会福祉法人 正勇会 理事長 阿部 裕子 氏
同時に開設する福祉施設が増加したことで理事長以下の幹部が毎日のようにどこかの施設に移動して会議に参加することの拘束時間を解消することを目的に、V-CUBE Boxを導入しました。
それまでは施設ごとに開催していた会議や研修をテレビ会議で同時開催することになったことで、何か問題があったときも自分の施設だけで解決しようとするのではなく、ほかの施設はどうやって解決したのか、という発想になってきたのは当初想定していなかった効果です。困っていることを全施設の同じ職種の人で共有して日々解決していく手段になっていることは、ちょっとした悩みでも離職率につながる業界にとっては、大きなメリットだと思います。
介護業界は色々なことが施設長の負担になりがちですが、虐待の問題や冬場の感染症対策など、業種ごとに得意とする人が全施設に責任を持って情報を伝えて、研修していくという流れが生まれました。
また、会議はなるべく短時間ですませるようにしたことで、今までの会議よりも出席人数を増やすこともできました。その結果、年末の挨拶も理事長や会長が全施設に「1年間お疲れ様」という労いの気持ちをリアルタイムで顔を見ながら届けられますし、年始の挨拶も理事長や会長から画面を通じてでも直接「講話」されるとみんなのモチベーションも上がります。たとえ5分といった短い時間といえど、そこで労いあえる。そういう時間がとれるようになったことは、人とのつながりを重視する介護・福祉の業界では大きな効果を生み出します。
多数の福祉施設展開を行っている正勇会では、「拠点ごとに同じ会議や研修の複数開催」「同じ内容の会議に幹部が毎日のように参加」といった課題解消のために、V-CUBE Boxを導入。拠点間での職員の意思共有ができるようになったことで離職率低下が期待されるなど想定以上の効果が生まれている。