新型コロナウイルス禍において、3密(密閉・密集・密接)を避けるために、オンライン上でセミナーを開催するウェブセミナー、通称「ウェビナー」を開催する企業が増えています。
とくに新型コロナウイルス感染症の拡大が始まった2020年初頭からは、リアルイベントよりオンラインイベントの開催数が多くなり始めました。その後緊急事態宣言が出された2020年4月からは圧倒的にオンラインイベントの割合が増え始め、2020年6月には8割がオンラインイベントである状態です(※1)。
なかでもウェビナーは、講演会や研修だけでなく、新商品の説明会や就活イベントでも活用されており、企業の新しいイベントの開催方法として定着しつつあります。
会場までの移動が少ないことや、手軽に参加できること、都合のよいときに視聴できるといった理由から、ウェビナー人気は高まっており、新型コロナウイルス感染症の状況は関係なく、ウェビナーを選びたいという人も多くいます(※2)。
ウェビナーを開催するためのツールとして注目を集めているのがZoom社(Zoom Video Communications, Inc)が提供する「Zoom ウェビナー」です。Zoom ウェビナーは、多くの企業で導入されているZoomミーティングのオプション機能で利用可能で、最大で1万人の参加者を含む大規模セミナーをオンラインで開催できます。
本記事では、Zoom ウェビナーの機能や料金プランといった基本的な情報から、Zoomのオンライン会議ツール「Zoomミーティング」との違いについて解説をしていきます。
自社でZoom ウェビナーの導入を検討している、またどのウェビナーツールを導入すべきか迷っているという企業のご担当様は、ぜひ参考にしてください。
※1:Peatix「2020年オンラインイベントに関する調査」
※2:株式会社Soucle「調査で判明!セミナーの主流はWEBセミナーへ WEBセミナーを希望する人が、オフラインセミナーの約2倍!」
Zoom ウェビナーとは、Web会議システム「Zoom ミーティング」のオプション機能として利用できるウェビナーシステムです。ウェビナーを開催するときに必要な機能が備わっており、ウェビナーのほか、社内研修や説明会、新機能発表会などにも利用できます。接続も安定しているため、質の高いウェビナーを開催したいときにもおすすめです。
野村総研総合研究所の調査によると、日本ではZoomの利用率が78.4%とかなり高く、シンプルで分かりやすいUIで使いやすいという点で評価されています。Zoomを導入し、日常的にZoomミーティングを使用している、という人も多いのではないでしょうか。Zoom ウェビナーはZoom ミーティングと似たUIでだれでも簡単に利用できる点も特徴的です。
Web会議とウェビナーはどちらもパソコンやスマートフォンなどの端末を介し、人とコミュニケーションをとるものですが、両者には以下のような違いがあります。
特徴 |
利用シーン |
|
Web会議 |
・参加者全員が発言できる ・双方向にコミュニケーションを取る ・すべての参加者が同じ画面を共有 |
・商談 ・面接 ・社内外の打ち合わせ |
ウェビナー |
・基本的に登壇者の映像のみで参加者は映らない ・話者は登壇者のみ ・チャットやアンケート機能で視聴者とのコミュニケーションをとる |
・オンラインイベント ・販売促進解 ・各種説明会 ・入社式 |
上記のように、Web会議とウェビナーでは特徴が異なり、必要な機能も違ってきます。そのため、Web会議システムを利用してウェビナーを開催することは適切ではありません。それぞれに合ったツールの選定が必要です。
ZoomミーティングはWeb会議に、Zoom ウェビナーはウェビナーに特化した機能を備えています。両者の違いは以下のとおりです。
機能 |
Zoom ウェビナー |
Zoomミーティング |
画面共有 |
○ |
○ |
映像の表示 |
基本的に登壇者のみ |
参加者全員 (カメラオフも可能) |
最大参加人数 |
500人~5万人 (ライセンスによる) |
・100人まで無料 ・500 人または 1000 人 (ライセンスによる) |
チャット機能 |
○ |
○ |
Q&A機能 |
○ |
× |
投票 |
○ |
○ |
ブレイクアウトルーム |
× |
○ |
両者の大きな違いは画面の映り方です。Zoom ウェビナーでは、基本的に登壇者のみが画面に映し出され、参加者の画面は映りません。ただ、ホストや共同ホストはビデオレイアウトを設定できるため、設定を変えれば参加者の画面も映せます。
一方Zoomミーティングでは、視聴する側の設定により画面レイアウトは変更できますが、基本的に参加者全員の画面は見られる状態です。自分の顔を映したくない場合はカメラオフにもできますが、黒い画面は残ります。そのため、Zoomミーティングでウェビナーを行うとすると、登壇者の画面が小さく目立ちにくくなります。
そのほか、ZoomミーティングにはQ&A機能はなく質問がある場合は挙手して自ら話さなければならないなど、参加者が多いウェビナーには不向きです。
Zoomミーティングでも最大1000人の参加はできますが、ウェビナーを開催するのであればZoom ウェビナーの導入をおすすめします。
Zoom ウェビナーにはウェビナー開催のために特化した機能がたくさんあります。ここでは、Zoom ウェビナーの特徴について詳しく解説します。
Zoom ウェビナーには、以下のような視聴者が積極的にウェビナーに参加できるような機能が搭載されています。
Q&A |
・視聴者がウェビナー中に質問できる ・ホストからの質問に回答または投票ができる |
チャット |
ホストや出席者がウェビナー中で文字でのやり取りができる |
投票 |
・ウェビナーに特化した投票機能 ・投票の設定はホストのみ可能 ・参加者の回答や送信時間などはウェビナー後にレポートとして記載される |
ウェビナーは場所を選ばずに参加できるというメリットがありますが、その半面人の目がない場所での参加も可能で集中力が途切れやすくもなります。そこで、Q&Aやチャット、投票といった視聴者が積極的に参加できるような機能を使用すると、視聴者が飽きにくく最後まで視聴しやすくなるでしょう。
Zoom ウェビナーにはウェビナーの事前登録機能があり、簡単にウェビナー申し込みページを作成できます。詳しい使い方はこのページをご参照ください。
ウェビナー参加に際して登録を必要とする場合は、該当ウェビナーの登録設定をオンにするだけで、参加者に氏名とメールの送付を義務付けられます。そのほか質問したいことがあるときも、自社独自の質問事項を追加可能です。
ウェビナー開催までは登壇者との調整や、当日の資料作成、スタジオ準備など、やるべきことがたくさんあります。この機能を利用すれば、別途登録フォームを開発する手間を省けるため、当日までの工数を削減できます。
ウェビナー参加時に登録を必須にし、参加者の性別や年代、居住地などを質問事項に入れておけば、参加者がどのような人なのか、といったデータを収集可能です。Zoom ウェビナーはMA/CRMとも連携できるため、集めたデータをそのまま自動で分析できます。この機能を利用すれば、ウェビナー開催前だけではなく、開催後の工数削減にもなるでしょう。
Zoom ウェビナーは、ホスト側、視聴側どちらにとっても直感的に操作できるシンプルな仕組みです。
また、Zoom ウェビナーはZoomミーティングに似たUIとなっています。日本ではZoomの利用率が78.4%(野村総研総合研究所の調査)と、多くの人が使ったことがあるツールであることからも、ホストも視聴者も使い方が分からずに困ることはないでしょう。
また、視聴者は専用のソフトウェアやアプリをインストールせずとも、ブラウザで視聴可能です。スマートフォンアプリでも手軽に視聴できるため、初めてZoomを使用する人でもウェビナー参加のハードルはさほど高くはありません。
Zoom ウェビナーは、「Facebook Live」や「YouTube Live」でウェビナーをライブストリーミング配信できます。設定方法は簡単で、ウェビナー配信前に設定を「有効」にするだけで済みます。
FacebookユーザーやYouTubeユーザーにもウェビナーを配信すると、Zoom ウェビナーの最大参加人数(500人〜5万人)を気にせずにウェビナーを開催可能です。YouTube Liveでは配信内容のアーカイブを残せるため、ウェビナー終了後も配信し続けられます。さらに多くの人にリーチできるようになるでしょう。
Zoomの代理店であるブイキューブではZoomミーティングのプロプランを月額 円〜 / ライセンスから利用できます。ウェビナーをオプションで利用できるプランや、標準搭載したプランも。安心のサポート付きで請求書払いにも対応し、企業のウェビナー導入を後押しします。詳細はこちらから。
Zoom ウェビナーは、ウェビナーの準備から開催後の分析やレポート開催まで、Zoom ウェビナーだけで完結できます。具体的にどのようなことができるのか、ウェビナー開催時の流れに沿って紹介します。
ウェビナー開催日時が決定したら、Zoom ウェビナーでウェビナーの予約設定を行います。Zoom ウェビナーの設定ページから、ウェビナーの名前、説明、日時、開催期間、タイムゾーンなどを設定しましょう。開催期間も設定はしますが、予定していた時間を過ぎてもウェビナーが強制終了することはありません。
ウェビナー参加に登録が必要な場合は、このときに「登録オプション」で設定します。あらかじめ決められた参加者を登録するときは、CSVファイルからのインポートで一括登録可能です。
ウェビナー参加の際に登録を必要とするのであれば、参加者の申し込みページを作成します。先程も解説しましたが、Zoom ウェビナーではあらたに申し込みフォームを作成する必要はなく、設定で選択事項を選ぶだけで済みます。
Zoom ウェビナーの申し込みページでは、「氏名」「住所」の登録が必須で、さらに質問事項を加えたい場合は自由に付け足し可能です。
出席者と登壇者に、当日Zoom ウェビナーにアクセスするための参加用URLを送付します。登壇者には参加用URLのほか、参加情報が記載された招待メールを送付します。参加URLは該当ウェビナーのページからコピーできますが、招待のための文面があらかじめ書かれた招待状としてコピーすることも可能です。
また、登録が必要なウェビナーに設定しておけば、登録者のメールアドレスに自動で参加用URLを送れます。そのため、参加人数が多いウェビナーを開催するときは、登録必須にしておいたほうが手間は省けるでしょう。
ウェビナー当日は、PCアプリから配信を行いましょう。参加者はWebブラウザやスマートフォンアプリからウェビナーを視聴できますが、パネリスト側の映像はPCアプリが必要です。始め方は簡単で、該当ウェビナーのページから「start」ボタンをクリックするだけです。
Zoom ウェビナーには本番同様の設定で練習できる機能もあるため、当日までに何度かリハーサルをしておくと安心でしょう。
ウェビナー終了後、参加者の画面にアンケートを表示する、登録者のメールアドレスに自動で送付する、といったことも可能です。アンケートの内容は選択形式、自由記述形式、など自由に設定できます。登録制のウェビナーであれば、誰が回答したのか特定もできます。
ウェビナー中リアルタイムに回答が必要であれば、投票機能を利用しましょう。
Zoom ウェビナーは生配信だけではなく、あらかじめ作成した動画を配信するオンデマンド配信も可能です。ウェビナーオプションで「ウェビナーをオンデマンドにする」を選択し、ウェビナー開催予定日時までに動画をアップロードするようにしてください。
収集したアンケート結果や参加者情報は、次のウェビナーに活かすために連携している MA/CRMツールで分析しましょう。 連携しているツールであれば、人の手でウェビナー参加者の情報を登録する必要はなく、自動でデータを収集・分析ができます。
Zoom ウェビナーでは、登録者のリスト、出席者の入退出日時などの情報や、Q&Aや投票、アンケート結果をレポートとして出力できます。このレポートを分析すると、参加者の感想や、どの程度の参加率だったのか、離脱者がどの程度いるのか等把握できます。ウェビナーの内容とあわせて確認することにより、次回のウェビナーに活かしましょう。
Zoom ウェビナーに関するよくある疑問について、説明をしていきます。
ウェビナーの視聴者の顔が映ることはありません。そのため視聴者のプライバシーが守られます。ただし、必要に応じてホストが視聴者をパネリストに指定できます。この場合は、視聴者の映像や音声が映し出されることになります。
Zoomの有料プランの支払いは、請求書払いのみとなります。Visa・Mastercard・Discover・American ExpressのクレジットカードもしくはPayPalで決済ができます。PayPalを利用することで、銀行口座からの引き落としも可能です。
また、先ほどご紹介したブイキューブ社のZoom ウェビナーの場合は、請求書払いのみ、となります。
Zoom ウェビナーは、主要なマーケティングオートメーションツールやCRMシステムと連携させることができます。ウェビナーの招待URLをMAツールから配信することや、ウェビナーの視聴者情報をMAツールで取得できるようになります。
ウェビナー開催も含めたリードナーチャリングをMAツールで一元管理し、効率化したいという企業にもZoom ウェビナーは適していると言えるでしょう
【連携可能な主なツール】
Zoom ウェビナーとは、簡単にオンラインセミナーを開催できるサービスです。オンライン会議ができる通常のZoomミーティングで有料プランを契約し、追加機能として「Zoom ウェビナー」を加えることでウェビナーを開催できるようになります。詳しくは「Zoom ウェビナーとは」で解説しております。
たとえば社内開催の場合、研修や入社式、全社総会で利用されています。社外に向けたイベントだと、商品説明会や採用説明会、オンラインセミナー、遠隔地を結んでの講義が想定されます。詳しくは「Zoom ウェビナーの活用シーン」で解説しております。