企業でZoomの利用を検討しているが、どのプランを選べばいいのか分からない、適切なプランが分からないという方もいるのではないでしょうか?
無料で利用することもできるZoomで、なぜ有料プランがあるのかが理解できない方もいるかもしれません。
今回はZoomの各プランの特徴を解説します。企業での利用において有料プランが選ばれているのには理由があるのです。
また、おすすめの選び方とお得な購入方法についてもご説明します。ぜひZoomプランの選択の参考にしてみてください。
Zoomは多くの場面で利用されているWeb会議システムです。新型コロナウイルスの影響を受け、2020年4月には1日あたり3億人が会議に参加するなど、Web会議におけるスタンダードの1つとなりつつあります。
多方面で活用可能なZoomですが、その特徴や選ばれる理由はどこにあるのでしょうか。
一番の特徴は、大人数でも安定して接続できることです。他のWeb会議ツールと比較すると、必要な帯域が少ないと言われています。大人数が一度に参加する会議であっても、映像や音声は安定的に接続され、円滑にやりとりできるところが魅力です。
Zoomは一回あたりのデータ通信量が少ないため、通信環境に左右されず安定して通信可能です。1時間あたりのデータ通信量で比較した場合、Skypeビデオ通話では2,160MBに対し、Zoomは200〜300MBです。圧倒的に通信量が少ないことが分かります。
Zoomは機能が充実しているところも、選ばれる理由の一つです。
以上のような機能があり、必要に応じて取捨選択できます。
その他にもプランによって便利な機能が数多く用意されているため、自社に必要な機能を選び、契約プランを決めたいものです。それぞれのプランごとの特徴は、後ほどご説明します。
参考:https://jp.vcube.com/zoom/knowhow/007
セミナーや勉強会をオンラインで実施できる「Zoomビデオウェビナー」を活用すれば、自社のWebセミナーをオンラインで開催できます。
通常のミーティング形式ではなく、主催者や登壇者のみが表示され、参加者の声や顔は写ったり聞こえたりしません。主催者や登壇者は、相互に映像や音声でやり取りができ、100人まで設定できます。その様子を最大10,000人まで参加者が見ることができ、大規模なセミナーを開催することも可能です。
チャットやQ&A機能を使って、主催者や登壇者に参加者から質問やリアクションを送ることもできます。
Zoomは多くの人が利用したことがある、ということも、選ぶ理由の一つでしょう。会議などで利用する際に、一度は使ったことがあるツールであれば、双方にとって会議への参加ハードルは下がります。
Zoomの利用者数は、2020年4月のピーク時に3億人に達しています。2019年12月の1000万人から30倍に急増しています。中でも、従業員数10人超の企業などでの利用が増えており、前年同期比4.5倍になっています。
社内外を問わずに操作が簡単で、これほど多くの人に利用されていることは、Zoomを使う決め手になるでしょう。
Zoomが全世界的に急速に普及すると同時にセキュリティの脆弱性についても問題となり、第三者が本来入るべきでないミーティングに入室し、荒らし行為をする「Zoom Bombing(爆弾)」という言葉も一時的に話題となりました。
何かとセキュリティ面に心配のあるZoomですが、実は、セキュリティ設定を理解し、きちんと運用していくことで、セキュリティ対策を行うことが可能です。
Zoom社が打ち出した、90日セキュリティプランにより、様々な角度からのセキュリティを担保する機能・設定が追加されました。そして、以下の基本的なセキュリティ対策を行えば安心して使うことができます。
他にも、Zoomミーティングのリンクを誤って拡散されないようにするために、リンクではなくミーティングIDとパスワードを個別に送って招待するのも有効です。
一方、セキュリティの設定を細かく実施しすぎると、運用時の快適さを損ねてしまう等、バランスをとっていくことも必要となります。
参考:https://blog.zoom.us/ja/a-message-to-our-users/
Zoomのセキュリティ対策については関連記事「超簡単!Zoomセキュリティ設定のいろは ~基本的な設定周りを抑えておけば、Zoomは怖くない~」で詳しく解説しています。
では、企業でZoomを利用する場合、いったいどの有料プランが良いのでしょうか。
それぞれのプランでできることを見ていく前に、どのような機能が企業利用において重要になってくるのかを説明します。
企業利用において重要な機能の一つは「管理機能」です。管理機能により、利用ユーザーの情報を管理したり、全体的な使用状況やライブデータの情報を確認したり、録画・録音データをクラウド上に保存したりできます。
管理用ダッシュボードがあれば、複数ライセンスでのミーティングがどのように開催されているのかをひと目で確認できます。業務に関係のないミーティングが設定されていないか、ミーティングで録画・録音機能が使用されていたか等、全体をマネジメントするのに有効です。
ビジネスプラン以上であれば、以下のような管理用ダッシュボードがつきます。
また、セキュリティも強化することができます。中国のサーバを経由してWeb会議が実施されて情報が漏れることがないよう、中国のサーバを経由しないルーティング設定が可能になります。
その他、Zoomミーティングの画面やURLで会社のブランディングが可能になるのも、ビジネスプラン以上の機能です。会社のロゴをつけたミーティングルームを用意して招待できたり、ミーティング招待URLをカスタマイズできたりします。
こうした特別な機能によってZoom利用の幅を広げていくのであれば、ビジネスプラン・エンタープライズプランが調整しやすいです。ビジネスプラン以上を選ぶようにしてみてください。
次に、各プランを検討するにあたって重要な考え方「ライセンス」についてご説明します。
ライセンスとは、アカウント、つまりは「ホストになれる人」のことを指しています。「ライセンス数=ホストの人数」です。
プランごとに「契約するライセンス数」と「1ライセンスのミーティングに何人まで参加できるのか」が決められており、必要な会議数や参加者数によって、プランを決めていく必要があります。
それぞれのプランで、以下の人数まで1ライセンスのミーティングで参加できます。
プランごとに契約ライセンス数が決められており、5〜9ライセンスであれば、プロプランで利用可能です。9ライセンス保有している場合、100人まで参加できる会議室が、9部屋用意された状態です。
ビジネスプランは、10ライセンス以上、つまり最小10名のホスト設定が可能で、エンタープライズプランは、50ライセンス以上、つまり最小50名のホスト設定で、ミーティングを開催できます。
上記の説明を表にまとめると以下のようになります。月額料金と時間制限についてもまとめています。
Zoomプラン | 月額料金 | ホスト・ライセンス数 | 同時接続人数 | 時間制限 |
---|---|---|---|---|
無料 | 0円 | 1ライセンス | 最大100名 | 40分以内 (3名以上) |
プロ | 円/ライセンス/年 | 5〜9ライセンス | 最大100名 | 24時間 |
ビジネス | お問い合わせください | 10〜49ライセンス | 最大100名 | 24時間 |
エンタープライズ | お問い合わせください | 50ライセンス〜 | 最大1,000名 | 24時間 |
ではここからは、Zoomの3つの有料プラン、それぞれの特徴を見ていきましょう。
プロプランは小規模チームに最適なプランです。契約ホスト数は5〜9名、同時接続人数は最大100名までです。1ホストにつき100名まで入れる会議室を持っているとイメージするとわかりやすいでしょう。
また、最大24時間までのミーティングが可能です。また、別途追加費用が必要ですが、オンラインでセミナーを開催できる「ウェビナー機能」の利用が可能になります。
さらに、「ユーザー管理」機能があります。これにより、アカウントオーナーや管理者が、ユーザーを管理できます。追加、削除、役割の割り当て、アドオン機能などがあります。
ビジネスプランは、中小企業での導入におすすめです。10ホスト以上の契約が必要で、同時接続人数は最大300名まで。全社会議にも活用できる人数です。
プロプランと比較して、会社の認証情報を使用してZoomにログインできる「シングルサインオン」、会社のドメインのZoomのミーティングURLを生成できる「ブランディング」が利用可能になります。
中でも、アカウントの使用状況や開催中のミーティングの様子を把握できる「ダッシュボード」は、Zoom利用のマネジメントには有効です。帯域、遅延、ジッタ、パケロス数なども分かるため、トラブルシューティングに活用できます。
エンタープライズプランは、大企業での導入に最適です。最低50ホスト以上の契約、同時接続人数は500〜1,000名。大手企業の部署単位の会議にも利用可能です。
ビジネスプランと比較した際、ポイントになるのは、「クラウド無制限」「ウェビナー無料」というキーワードでしょう。
Zoomミーティングの録画・録音のデータをクラウドに保管するときに、プロプランやビジネスプランは1GBまでと制限がありましたが、エンタープライズプランでは制限がありません。無限に保存ができる状態になります。
また、追加料金が必要だったウェビナー機能も、エンタープライズプランではそのまま利用可能です。
プランごとによって可能な機能が異なるので、以下の表を参考にプランを決めてみてください。
Zoomプラン | 録画・録音機能 | クラウド容量 | ウェビナー | 文字起こし |
---|---|---|---|---|
無料 | ローカルのみ | ー | 不可 | 不可 |
プロ | ローカル・クラウド可 | 1GBまで | 追加契約で利用可能 | 不可 |
ビジネス | ローカル・クラウド可 | 1GBまで | 追加契約で利用可能 | 利用可能 (英語のみ) |
エンタープライズ | ローカル・クラウド可 | 無制限 | 利用可能 | 利用可能 (英語のみ) |
有料プランのZoomを企業で導入する際、「直接契約」と「代理店契約」の2種類の契約方法があります。
「支払い方法」「サポート体制」の2点で比較して、それぞれの違いを押さえた上で契約しましょう。
直接契約の場合、基本的にはクレジットカード決済です。Visa・Mastercard・Discover・American Expressのクレジットカード、もしくは、PayPalで決済可能です。
アメリカのアプリのため、日本の銀行口座から引き落としをすることはできませんが、PayPalを利用すれば、銀行口座からの引き落としも可能です。また、「日本円」「米ドル」を選択して料金を支払いできます。レートによっては、米ドルの方が安く決済できる場合もあります。
直接契約であれば、即時即決で契約ができるところがメリットです。契約後、すぐに利用することができるようになります。
ただ、サポート体制の観点から見ると、Zoomに直接問合せをすることになるので、何か問題が起こって使えなくなった場合、解決するまでにかなりの時間を要します。
少しでも迷うことがあったり、使い方や不明点を相談・質問できたり、請求書払いができたりすることをメリットに感じるのであれば、代理店契約を検討してみてください。
代理店契約の場合、請求書払いが可能になります。
企業規模が大きくなればなるほど、クレジットカードでの決済が難しい場合もあります。その際、請求書払いができるのは嬉しいポイントです。
また、代理店契約の場合、サポート体制が充実しています。不明点があれば代理店に聞くことで解決することができます。
使い方の相談やプランの相談にも乗ってくれるところもあります。
本記事では、Zoomが選ばれている理由と、それぞれのプランの特徴や機能、法人契約の方法について解説してきました。
Zoomを利用するにあたり、適切な利用方法や参加人数を把握していなければ、プランを選ぶのは難しいでしょう。どのような会議を行うのか、どんな管理体制で利用するのか、を予め考えておくことをおすすめします。
また、クレジットカード決済が難しい場合は、代理店契約を検討してみてください。サポート体制もついているので、安心して利用したい場合には検討してみるのがよいでしょう。
Q:Zoomの特徴は何ですか?
A:通信が安定しており、録画やブレイクアウトルームなどの機能が充実している点です。
Q:セキュリティ上の懸念はありますか?
A:バージョンのアップデートやミーティングのパスワード保護などを行うことで安全にご利用いただけます。
Q:プランはどのように選べばよいですか?
A:必要なライセンス数に応じてプランをご検討ください。