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電話の内容を文字起こしする方法とは?選定ポイントやおすすめのサービスを紹介

作成者: 山本脩太郎|2025.01.24

コールセンターで行われる顧客対応や、営業による電話での打ち合わせ・商談などを文字起こししたいと感じることはないでしょうか。または、文字起こしの作業効率向上を目的としている場合もあるでしょう。

電話内容を記録することは、作業効率のアップにつながり、トラブル防止にも役立ちます。例えば、近年問題となっている「カスタマーハラスメント(顧客から不当・悪質な要求を受ける行為)」にも文字起こしは有効です。

トビラシステムズの調査によると、カスタマーハラスメントに役立った対策として「通話の自動文字起こし(30.0%)」が第3位に挙げられていました。通話内容の振り返りや被害状況の報告などに役立つと考えられます。

そこで本記事では、カスタマーサポート・コールセンターの担当者やビジネス関係者などに向けて、電話内容を文字起こしする方法について解説します。また、文字起こしツールとおすすめのサービスも紹介しますのでぜひ参考にしてください。



電話の内容を文字起こしする方法

電話内容の文字起こしは、大きく2つの方法があります。ここでは、電話の文字起こし機能を使う方法とツールを活用する方法について説明します。

電話の文字起こし機能を使う

電話の文字起こし機能は、通話内容をテキストデータに変換する機能です。電話の機能として録音・文字起こしが搭載されており、主にクラウドPBXのようなサービスに見られます。クラウドPBXとは、インターネット上にPBX(電話交換機)を構築し、通話を行う電話サービスです。

クラウドPBXを活用すれば、オフィス外からも代表者番号で電話の発着信ができるため、リモートワークや外出先での業務がスムーズに行えます。また、物理的な機器の設置や配線工事が不要なことから、低コストで導入できる点もメリットといえるでしょう。

電話内容の文字起こしをする際には、自動録音機能を併用すると録音のし忘れを防止できて便利です。クラウドPBXに接続していればデバイスを問わず利用可能で、通話内容はクラウド上のサーバーに保存されます。

データ容量や保存期間を設定しているサービスと、容量無制限で保存できるものがあり、各拠点のデータを一括管理できるのがメリットです。文字起こしは、AIによる自動解析で行われるため手入力の必要はありません。料金は文字起こしツールのような従量課金制ではなく、月額料金制またはオプション追加が一般的です。文字起こしの機会が多い組織に導入をおすすめします。

録音機器・アプリと文字起こしツールを利用する

電話に上記のような文字起こし機能が搭載されていない場合は、電話機に録音機器を接続し、録音した通話内容のデータを文字起こしツールを使ってテキスト化します。録音機能付きの固定電話機もありますが、音声データとして取り出せるかどうかがポイントです。USBメモリやSDカードに保存するタイプであれば利用できるでしょう。

そうでない場合は、オフィス用の録音機器を接続することで音声データとして保存できます。また、スマートフォンでは録音アプリで対応可能です。文字起こしツールは、前述した電話機能と同じく、AIを活用して音声を自動的にテキスト化できるソフトが主流で、インストール型のアプリやクラウド上で利用できるツールなど形式はさまざまです。

文字起こしツールは音声認識の精度や操作性、連携機能などの要素がサービスによって異なるため、使用目的や自社で重視すべきポイントを押さえたうえで選ぶとよいでしょう。

文字起こしできるツール:クラウドPBX

前項でお伝えした文字起こしの方法について、まずはクラウドPBXの選定ポイントとサービス例を紹介します。

選定ポイント1:対応言語の広さ

グローバルなビジネスを展開している企業・プロジェクトでは、文字起こしの対応言語を確認しましょう。文字起こしは「日本語音声を日本語テキストに変換」するのが一般的です。

しかし、英語によるインタビュー記事の文字起こしや会議の議事録作成など、他言語による通話内容をテキスト化したい場合もあるでしょう。多くのサービスが複数言語に対応していますが、自社でよく利用する言語があれば対応の有無を確認しておくことをおすすめします。

選定ポイント2:録音・文字起こしデータの保存容量

録音・文字起こしデータの保存容量(録音時間)もポイントの1つです。クラウドPBXのデータ保存容量はサービスによって異なります。例えば、クラウド型コールセンターシステム「BIZTEL」の場合、全通話録音はオプションとなり、利用料(初期費用は別途)は300時間まで5,000円、1,000時間までなら15,000円です。

容量・時間が無制限のサービスもありますが、超過ごとに追加課金されるものも多いため、余分なコストをかけないためにも事前にしっかりと確認しておきましょう。

選定ポイント3:自動設定の有無

自動で録音や文字起こしが可能かどうか、自動設定の有無も確認したいポイントです。自動録音機能は、電話を受けた際に自動的に通話内容の録音を開始するため、録音のし忘れを防ぎます。

クラウドPBXなら、固定電話以外のデバイス(スマートフォン・タブレット・パソコン)でも録音が可能であり、通話内容の共有や一括管理に役立つでしょう。また、自動文字起こし機能は通話内容をAIが分析し自動で文字起こしをする機能です。

全通話もしくは必要な部分だけを選んで文字起こしできるサービスもあり、効率的にテキスト化が実現できるため作業の負担軽減につながります。

クラウドPBXのサービス例

ここからは、クラウドPBXのおすすめサービスを4つ紹介します。

Zoom Phone

Zoom Phoneは、Zoomが提供するクラウドPBXです。日本では2021年から一般提供が開始され、40カ国以上の国と地域で利用されています。Zoom ミーティングや外部CRMとの連携が可能で、内線通話・転送機能・自動応答など機能も豊富です。

オンデマンドかつフルタイムの通話録音や文字起こしに対応しており、自動設定も可能。文字起こしは2つの機能が利用できます。

・サブタイトル:リアルタイムで文字起こしをし、字幕として画面に表示

・フルトランスクリプト:発言内容の文字起こしをし、サイドパネルに表示

現在は日本語を含む11言語に対応しており、容量・保存期間ともに無制限で検索が簡単に行えます。

Zoom Phone

MiiTel

MiiTelは、2,200社以上の導入実績を持ち、独自AIによる音声解析を得意とするサービスです。営業・コールセンターに特化したサービスで、会話を最適化することで収益の最大化を目指します。

全ての通話内容を自動で録音・文字起こしでき、重要部分のみを抜粋して共有することも可能です。また、リアルタイム文字起こしにも対応しており、効率的なモニタリングを実現できます。

MiiTel

Dialpad Talk

Dialpadは世界7万社以上、日本でも2,700社以上で導入されているコミュニケーションプラットフォームです。ピュアクラウド型のビジネス電話システム「Toak」のほか、営業活動を効率化する「Ai Sales」とコールセンターに特化した「Ai Contact Center」を展開しています。

SFA・CRMツールとの連携が可能で、1ユーザーあたり1,000円~と安価なのも魅力。市外局番を付与できる0AB-J番号にも対応しています。通話内容は全て自動録音可能。AIを搭載したVoice Intelligenceが会話の文字起こしや議事録のサマリー化を実現します。

Dialpad Talk

BIZTEL

BIZTELは、7年連続国内シェアNo.1を獲得し、2,000社以上の導入実績を持つクラウド型電話サービスです。豊富な機能と高い拡張性で、ビジネスフォンからコールセンターまで幅広く対応しています。

全通話自動録音や文字起こしはオプションで追加が可能です。録音データは通話中の追いかけ再生もできるため、対応品質の向上や教育に活用できます。また、文字起こしは音声通話をリアルタイムに認識してテキスト化が可能。高度な機能を備えた外部の音声認識サービスを連携することもでき、より精度の高いテキスト化を実現したい組織におすすめです。

BIZTEL

文字起こしできるツール:文字起こしツール

続いては、文字起こしツールです。選定ポイントやおすすめのサービスについて解説します。

選定ポイント1:利用料金

文字起こしツールには、無料で利用できるものと有料のサービスがあります。使用目的や頻度、機能面などを考慮して選ぶとよいでしょう。

無料ツールは、文字起こし可能時間や使用できる機能、精度が制限される場合がありますが、頻度が少なく、簡単な文字起こしなら無料や安価なプランのツールでも十分です。しかし、頻繁に文字起こしをする、あるいは高い精度を求める場合には有料ツールが適しています。

選定ポイント2:音声認識の精度

精度の高さは、文字起こしツールにおいて最も重要な要素です。音声認識の精度が高ければ修正が少なくなり、作業効率は格段にアップします。精度は利用環境や録音環境、話者のアクセントによっても左右されますが、ツールによって差があるため実際に利用して確認することが大切です。無料トライアルやサンプルデータを使って事前にテストを実施してみましょう。

選定ポイント3:機能性の高さ

機能性も注目したいポイントです。ツールごとに機能は異なるため、自社に必要な機能があるかどうかを確認しましょう。例えば、文字起こしツールには次のような機能があります。

  • ケバ取り:「えー」「ああ」など内容と関係のない発声を自動で除去する
  • 話者識別:複数人いる場合でも話者を自動で認識する
  • 議事録・サマリー作成:会議・打ち合わせ・商談の議事録を作成・編集する
  • 単語登録:専門用語や会社名を辞書登録することで精度を向上できる
  • 多言語対応:複数言語に対応し、自動で文字起こしをする

文字起こしツールのサービス例

ここからは、文字起こしツールのおすすめサービスを4つ紹介します。

Notta

Nottaは「ITreview Grid Award 2024 Fall」の3部門で「Leader」を受賞した、AI文字起こし・議事録サービスです。さまざまな場面の音声を文字化し、重要なポイントを自動で抽出・要約できます。

整然とした発言場面での認識率は98.86%以上。シンプルで操作性に優れ、無料プランがあるなど安価な料金設定も魅力です。また、ISMS国際標準規格「ISO27001」認証を取得しており、セキュリティ対策もしっかりしています。

Notta

Rimo Voice

Rimo Voiceは、日本語に特化したAIで文字起こしを行うツールです。ChatGPT を利用して文字起こしの要約も手軽に生成できます。テキストと音声がシンクする「スライダー機能」を搭載しており、ピンポイントで聞きたいところだけを引き出すことが可能。議事録や編集に便利な機能も備え、ISO27017認証取得でセキュリティも安心です。

Rimo Voice

スマート書記

スマート書記は、クラウド型のAI議事録サービスです。90%以上の高精度な文字起こしで、議事録などのドキュメント作成を自動化。高い認識精度と強固なセキュリティ、機能性の高さが魅力です。自動要約や清書、要点の抽出をサポートするAIアシストもオプションで追加できるため、作業の効率化を実現したい組織は検討してみてはいかがでしょうか。

スマート書記

toruno

torunoは、会議の全てを素早く記録できるクラウドサービスです。Web会議ソフトとの連携操作をすることなく、音声録音・リアルタイム文字起こし・画面キャプチャを行えます。専用デスクトップアプリをダウンロードし、クリックするだけで記録できるので急な会議でも安心です。

ヘッドセットやイヤホンマイクを使用した会議での文字起こし精度は9割強。すでに録音してある音声ファイルをアップロードしての文字起こしも可能です。初期費用はかからず、月額料金制となっています。

toruno

まとめ

電話の文字起こしは、会話内容を正確に記録するために欠かせない手法です。電話機能を使う方法と、文字起こしツールを利用する方法の2つがあり、顧客対応や議事録作成、トラブル防止などに活用できるメリットがあります。それぞれの特長をふまえたうえで、使用目的や精度、コストなどを考慮し選択するとよいでしょう。