配信者のかけあいが楽しめるコラボ配信だからこそ、重視されるのは「低遅延で高品質な映像」
アーティストやアイドルがインターネットを活用して情報発信するためのプラットフォームは多々存在するが、中でも2014年のリリース以降、ファン向けの「静止画」投稿の分野で人気を博しているのが『CHEERZ』(チアーズ)だ。同アプリに参加するアーティスト、アイドルからの要望もあり、静止画メインというアプリの性格は維持しながらも、動画配信機能の「ちあスト」を追加リリース。さらに、2019年3月には複数のアーティスト、アイドルがコラボ配信できる機能が追加された。コラボ配信では欠かせないタイムラグのないやり取りをファンに送り届けるために活用されているのが、ライブ配信・ビデオ通話・音声通話SDK「Agora」だ。
従来型のライブ配信における課題
検証作業などの管理工数が膨大
従来はパブリッククラウド上でライブ配信用機能を独自開発していたが、開発後の管理工数が増えたため開発リソースが圧迫されてきた。
インフラ&人的なコストの負荷が高い
ライブ配信に必要なインフラリソース確保に加え、管理コストが膨大なものになっていた。
ライブ配信の映像が不安定
コラボ配信を実現するためには、低遅延で高画質であることが望まれるが、パブリッククラウド上に構築できる動画配信システムでは不安定になりがちだった。
「Agora」でこう解決!
SDKなので管理工数が大幅減人的リソースは開発に注力
最新テクノロジーに合わせたアップデートもSDKの提供側で行うので、管理のための負荷が低減。
従来は管理に振り向けられていた人的リソースを、本来注力したかった開発分野に大幅に投入することができるようになった。
インフラ開発や運用のためのコスト削減
サーバーの構築・運用が不要なため、開発・運用コストを大幅に削減できる。
ライブ配信はインフラや管理のコスト増加との戦いになりがちだが、「Agora」への一時的な乗り換えコストを考慮しても半年で回収可能という試算となった。
実績に裏打ちされた低遅延&高画質のコラボ配信
「Agora」には、低遅延で画質の高いコラボ配信の実績が既にあり、SDKであるため実装も簡単に行えた。
従来の動画配信よりも画質が上がったことで配信数は4~5倍に増加。グループで活動しているアーティストが多い『CHEERZ』と相性の良い「コラボ配信」を実現。
「Agora」選定のポイントは?
SDKにより管理工数を削減できるか?
管理にかかっていた人的リソースを、本来の主業務である開発に振り向けられること。
- アップデートなどはAgora側で行うので管理工数を低減
インフラコストを低減できるか?
動画配信でありがちな、インフラコストの膨大な積み上げが不要であること。
- SFUサーバーやCDNの構築・運用が不要
- 利用分数に応じた従量課金だけで利用可能
コラボ配信で欠かせない「低遅延で高画質」が実現できるか?
配信側もファンも、ストレスなくコラボ配信を楽しめること。
- 独自のプロトコルにより通話では0.2〜0.6秒、配信では1〜2秒の超低遅延を実現
- 1万人までの大規模でも、双方向通話の様子をコラボ配信可能
お客様の声:「Agora」への切り替えでライブ配信件数は4~5倍増に!
新機能として「コラボ配信」をリリース
フォッグ株式会社 代表取締役CEO 関根 佑介 氏
もともと『CHEERZ』は、アーティストやアイドルにとっては「自身のファンが集まっている場所に静止画が投稿できる」というメリットがあり、ファンにとっては「Twitterでは見ることのできない静止画や撮り溜めた静止画を見ることができる」という点が評価されていました。
ライブ配信や動画投稿にももちろんメリットはあるのですが、「投げ銭を獲得するために毎日のように配信を行う」といった長い拘束時間によって疲弊してしまうというケースも多く見られます。その点、静止画であれば時間帯も縛られず特別な撮影機材なども不要なため、多くのアーティスト、アイドルの方に『CHEERZ』は長く使っていただいています。
その一方で『CHEERZ』上でのイベントの終了期間が近くなると、応援の熱量が高まってきます。「静止画だけでは伝えにくいこともある」という配信者側の声が上がってきたことから、あくまで静止画がメインですが、オプションという形で、まずはライブ配信の「ちあスト」を提供開始したのです。
ただ、当初はパブリッククラウド上で、自社開発という形で機能を提供していましたが、開発後の管理工数やインフラコストが膨大な上、映像が不安定という課題がありました。この点を解消するために選択したのが、「Agora」でした。
Agoraに切り替えてからは画質が高まり、遅延がなくなることで配信数は4~5倍へと増加しました。そこで『CHEERZ』の特徴をいかした配信をできないかという形で実装となったのが、今回の「コラボ配信」になります。
「Agora」を活用した『CHEERZ』での「コラボ配信」
女性アーティストやアイドルとファンの交流の場となるスマホアプリ『CHEERZ』。リリースから現在まで、ここでしか見ることのできないショットなど“静止画”がコンテンツの中心であるが、2019年3月には、異なる場所にいる複数のアーティストやアイドルのやり取りの動画を、同一画面でライブ配信する「コラボ配信」をスタートさせた。
なぜ『CHEERZ』には「コラボ配信」が適しているのか?
1.グループやユニットで活動しているアーティストが多い
同じグループやユニットのメンバーが、異なる場所にいても一緒にファン向けのライブ配信が行える。
2.異なるグループのメンバー同士のコミュニケーションも人気
これまでの静止画の投稿などから、ファンは「このグループの●●さんは、あのグループの○○さんとプライベートでも仲が良い」といった情報を知っていることがある。
「コラボ配信」のリリース前に実施した「誰と誰のコラボが見たいか」のアンケートではグループメンバーに限らない多彩なコラボのリクエストが寄せられ、ファンの関心の高さが実証された。
3.アーティストとファンが一丸となった新たな配信スタイルにも期待
「アプリ内のイベントに参加中のアーティストの応援に、他のアーティストがファンを連れて駆けつける」といった、アーティストとファンが一体となる配信など、新しいスタイルの活用法も期待できる。
異なる場所にいる月野ももさんと霜月めあさんが、それぞれのスマホで『CHEERZ』での「コラボ配信」を行っている。
特別な機材なども不要なので、気軽に思い立った時に「コラボ配信」を行うことが可能。