知っていますか?セミナー配信がぐっと楽になる「Zoom ウェビナー」
Web会議システムの「Zoom ミーティング」を使ってセミナー配信している方に一度試していただきたい「Zoom ウェビナー」。活用シーンや使い分けについて解説したZoom製品カタログをぜひご覧ください。
2021.05.31
Web会議サービス「Zoom」を運営する米Zoom Video Communicationsは2020年10月、新サービス「OnZoom」を発表しました。
これは「イベントプラットフォーム」と「マーケットプレース」の両方の機能を備えたWebサービスといえるもので、「イベントの発見と収益化のためのプラットフォーム」とアナウンスされています。
新型コロナウイルスで各種のイベントを行うことができないユーザーをサポートする機能が盛り込まれており、2020年12月現在、まだ日本での提供は開始されていませんが、2021年中に世界でサービスが展開される見込みです。
本記事では発表された内容と、すでに米国内で展開されているベータ版の様子をご紹介します。
Web会議システムの「Zoom ミーティング」を使ってセミナー配信している方に一度試していただきたい「Zoom ウェビナー」。活用シーンや使い分けについて解説したZoom製品カタログをぜひご覧ください。
「OnZoom」は、Web会議サービス「Zoom」を運営する米Zoom Video Communications(ZVC)がカンファレンス「Zoomtopia」で発表した新サービスです。
このサービスは、いわば「イベントプラットフォーム」と「マーケットプレース」の両方の機能を備えたWebサービスです。
たとえば、エクササイズ教室やビジネスセミナー、ピアノレッスンなどの小規模イベントから、コンサートやショーといった大規模なオンラインイベントまで、自分が参加・視聴したいものを探し、チケットを購入して参加することがワンストップで可能になっています。
ZVCでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って大幅に活動を縮小しているさまざまなアーティストや、各種セミナーを実施するユーザーなどを対象に、このOnZoomを通して「バーチャルや、リアルとのハイブリッドイベントなどに適応しようとしている多くの人々のクリエイティビティと忍耐、そしてイノベーションをサポートする」と発表しています。
またOnZoomでは、イベントの主催者がツールを使ってチケット販売やスケジュール設定、イベントのプロモーションをすることもでき、動画コンテンツの販売から配信まですべてOnZoom上で展開することができます。
利用は、有料プランに登録しているZoomユーザーが対象となっていますが、ZVCではOnZoomを「Zoomのコミュニケーションプラットフォームの拡張」と位置づけており、「フィットネスクラスやコンサート、スタンドアップショーや即興ショー、音楽レッスンなどのイベントを作成してホストし、さらに収益化するための包括的なソリューションになる」としています。
実際に、OnZoomではどのようなことが可能なのでしょうか。公式HPでは以下のように説明されています。
先述の通り、OnZoomの利用は有料プランへの登録者が対象となっています。現在、Zoomミーティングは大規模ミーティングアドオンを導入した場合は最大500人、Zoomウェビナーは100人から10,000人を対象に開催できます(ライセンスによって異なる)。
一方、OnZoomの参加者は「最大1000人」とされています。詳しい言及がないため詳細は不明ですが、ライセンスによって最大参加人数が異なる場合があるようです。
ただし、開催するイベントは一回限りのドロップインでも、連続するシリーズイベントとしても開催が可能。それらのイベントを簡単にスケジュールし、ホストすることができます。
機能だけを見ると、Zoomウェビナーや大規模ミーティングと変わらないように思えますが、重要なことはOnZoomがこうしたさまざまなイベントの「プラットフォーム」になっているということです。
従来は、イベント主催者からウェビナーやミーティングの招待URLをもらい、そこからアクセスする必要があったため、Zoomのサーバー上で同時にどのようなイベントが開催されているのかは、当然ですが知ることができませんでした。
「OnZoom」ではサイトにアクセスし、自分の参加したいものを選んで、プラットフォーム上で支払いを行い、すぐに参加することができるという点で、全く新たなZoomの使い方だと言えるでしょう。
ZVCは「新しいオーディエンスのリーチ」を打ち出しており、集客もOnZoom上で可能です。また、SNSなどによってイベント開催を広く周知できるシステムが実装されることが予想されます。
ベータ版で現在提供されているOnZoomの支払い方法は、Paypalもしくはクレジットカードとなっています。
先述の通り、2021年には世界展開が予定されていますので、今後さまざまな支払い方法に対応していくことが予想されます。
OnZoomは、さまざまな形での活用方法が考えられます。
ZVCでは、使い方として以下のような形を提案しています。
こうした使い方をもとに、たとえば、ヨガや楽器などの小規模な有料レッスンをOnZoom上で開催したり、集客をOnZoom上したりすることができるようになります。コンサートなどの大規模な有料イベントにも十分活用可能できます。
また、OnZoom利用者はZoom有料プラン登録者が対象ですが、イベントへの参加チケットは「無料」として開催することもできます。
すでに公開されているベータ版OnZoomのサイトでは、講座の日付、カテゴリに加えて、チケット金額を有無もフィルタリングできるようになっています。
さらに、「募金機能」も提供されるので、非営利の活動を行っているNPOやNGOといった団体が「チャリティーイベント」をOnZoom上で行うことも想定できます。
OnZoomでは購入したチケットを自分以外のユーザーに渡すことができるので、コンサートチケットのプレゼントができる仕組みになっています。
チケットをもらって参加した人は、イベントを評価したり共有したりして、体験をシェアすることができます。
OnZoomはライブ配信のマネタイズ(収益化)にも大きな変化をもたらすでしょう。
動画配信プラットフォームとして知名度が高いYouTubeでは、「YouTubeライブ」を使ってライブ配信を簡単に行うことができますが、その配信を収益化するために視聴URLを別のプラットフォームで販売するといった行為は、同サイトの利用規約に抵触する行為になっています。
また、いわゆる「投げ銭機能」といえる「YouTubeスーパーチャット」はチャンネル登録者数が一定以上なければ使えず、現状では、多くのユーザーはYouTube上でライブ配信を収益化することはできません。
一方、OnZoomは世界中に普及しているZoomのプラットフォームを使い、誰でも気軽にライブ配信を収益化することが可能です。
1回限りの配信を単発で販売したり、さらにはイベントをシリーズ化してサブスクリプション(月額課金)制としたりすることもできます。
気軽に動画コンテンツをマネタイズできるマーケットプレースであり、特に小規模なイベント主催者や、セミナー主催者のニーズに応えるシステムだといえるでしょう。
2020年12月現在、OnZoomの利用は米国内に限定されており、サイトを閲覧することは可能ですが、開催中のイベントに参加することはできません。
サイト自体も「ベータ版」とされていますが、2021年中に世界展開される見込みとなっています。
急速にユーザー数が増加しているZoomは、世界中に広く普及した巨大プラットフォームとなってきました。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりリアル環境での開催に制限が生じている活動も、このZoomが持つプラットフォームを土台に、収益化を念頭にしたさまざまなイベントやセミナー、コンサートなどが開催されるようになるでしょう。
エンドユーザーにとっても、多彩なコンテンツが集まるOnZoomのプラットフォームはエンターテインメントや学びの新たな形を提案するものになるはずです。
日本国内での利用はまだ始まっていませんが、今後の動向にぜひ注目してみてください。
Web会議システムの「Zoom ミーティング」を使ってセミナー配信している方に一度試していただきたい「Zoom ウェビナー」。活用シーンや使い分けについて解説したZoom製品カタログをぜひご覧ください。