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クラウドPBXにもデメリットはある?従来型PBXからの切り替えに悩んだらチェックしておきたいポイント3選

 2023.08.04

インターネット回線を用いて提供される、ビジネス向けの電話サービス「クラウドPBX」。日本国内では、2000年代後半から光ファイバーを利用した高速インターネット回線が普及したことで、インターネットを用いた高品質で安定的な電話通信が可能になりました。

2024年に行われるNTT東日本・NTT西日本のアナログ回線廃止にともない、従来型の電話からの移行先としての需要が増える見込みです。また、従来の電話システムからの移行に後押しされ、新規企業による需要も高まっています。

クラウドPBXは電話通信に使用する機器がインターネット上にあるため、自社で設備を用意する必要がないことも企業の導入を後押ししています。通信に必要な機器の新規導入や、回線工事などの必要も無く、運用・管理が低コストで済むのは魅力です。

利便性が高い一方で、クラウドPBXはインターネット上のクラウドシステムを利用する電話システムのため、音声品質の問題やセキュリティリスクなどのデメリットもあります。この記事では、システム導入時に知っておきたいクラウドPBXのデメリットと、従来型のPBXと比較した際のメリットを解説します。

クラウドPBXの特徴、導入ステップをまとめて紹介

テレワークやハイブリッドワークをはじめとした働き方の多様化が進む中、コミュニケーションの方法やツールも変化しています。特に近年では多くのサービスがクラウド化され、いつでもどこからでも簡単にアクセス、利用できるようになりました。

オフィスの電話ツールも例外ではなく、クラウドPBXの導入が多くの企業で進んでいます。

本冊子では、クラウドPBXの概要や特徴、実際に導入する際の検討事項などをまとめました。

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クラウドPBXのデメリット3選

クラウドPBXには導入しやすさなど多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは3つのポイントからそれぞれのデメリットについて説明します。

インターネット回線に依存する通話品質

クラウドPBXはインターネット回線を用いた通信サービスであるため、ネットワークの遅延やパケットロスに影響される可能性があります。これは、インターネット接続が不安定な場合やネットワークの帯域幅が限られている場合、特に顕著になります。

インターネット回線が不安定な場合、通話の遅延や音声の途切れ、音声が反響して聞こえるエコーなどの問題が発生することがあり、ビジネスにおいては重大な影響を与えかねません。

そのため、従来のPBXは品質が低いと考えられることが多くありました。しかし、これはインターネット回線が脆弱だったために起きた問題です。近年のインターネット回線の高速・安定化により、通話品質も大きく改善され、電話と変わらない品質で通話可能なサービスも多くなりました。

総務省によると全国の5G人口カバー率は96.6%であり、携帯キャリア回線を利用するスマートフォン等であれば、今はほとんどの場所で通信が可能です。クラウドPBXを利用しても通話品質に大きな問題は生じないでしょう。

ただし、オフィスに自社専用の通信回線を整備している場合は、クラウドPBXの導入によって通信量が増え、通信が不安定になる可能性があります。現在の使用帯域や最大通信速度などを確認し、必要に応じて通信環境の整備を行ってください。

セキュリティのリスク

クラウドPBXでは、通話やデータのやり取りがクラウド上で行われます。そのため、インターネット回線や機器のセキュリティ対策が十分ではない場合、悪意のある第三者による情報漏洩やハッキングなどセキュリティ上のリスクが生じます。

そこで、データの保護や通信の暗号化など、適切なネットワークのセキュリティ設定を行うことが重要です。社内で情報セキュリティ研修を実施するなど、データを取り扱う社員のセキュリティ意識を高める教育も必要になります。具体的には、使用するパソコン・スマートフォンのOSや通話用アプリなどを、常に最新バージョンにアップデートしておく必要があります。また、クラウドPBXの選定時に、十分なセキュリティ対策を講じているサービスを選ぶことも重要です。通信の暗号化や二段階認証、二要素認証などを備えているサービスなら、セキュリティリスクを抑えられます。

ただし、クラウドPBXをはじめとしたクラウドサービスは、ユーザーがサービス自体のセキュリティ設定や管理を行えない特徴があります。サービスプロバイダに管理を委託できると考えれば、ユーザー側のコスト削減に繋がりますが、サービスプロバイダがデータを適切に管理しない場合、企業の重要な通信データが不正にアクセスされる可能性もあります。

そのため、サービスプロバイダがクラウド上のデータを適切に保存しているかどうか、セキュリティ対策やデータプライバシーに関する規制に対応しているかどうかを慎重に評価する必要があります。

サポート体制

クラウドPBXを利用する場合、サポート体制の品質や可用性も重要な要素です。

サービスによっては、自社にとって十分な技術サポートや迅速なトラブル対応が提供されない可能性があります。問題が発生した場合、クラウドPBXサービスの停止や通信の中断など、ビジネスに大きな影響を与えることがあります。

また、サービスプロバイダが十分なトレーニングや教育を受けたサポートスタッフを提供していない場合、問題解決や技術的なサポートが遅延する可能性もあります。それぞれのサービスのサポート体制やサービス品質保証(SLA・Service Level Agreement)など、事前にベンダーが提供するサポート内容を詳しく確認しておきましょう。

特に電話サポートの受付時間や問い合わせ手段は、確認しておくべきポイントです。例えば24時間365日の電話サポートを受け付けているサービスなら、トラブルが起きても早急に問い合わせができます。

一方、「問い合わせ手段がメールのみ」「電話サポートは10:00〜17:00」といったサービスは緊急時にスムーズにベンダーと連絡が取れない可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。

どっちがいい?従来型のPBXと比較したメリット

専用線を用いて内線や外線などの電話通信を行う従来型のPBXと、インターネット上にある電話通信システムを利用するクラウドPBXは、大きく仕組みが異なっています。それぞれの違いを比較し、クラウドPBXが持つメリットについて説明します。

機器の有無

従来型のPBXは、社内に交換機を設置し専用回線を敷設することで内線や外線の使用が可能になる仕組みです。そのため、専用の通信機器をオフィス内に設置しなければならず、配線やハードウェアの導入、定期的なメンテナンスなど、導入・運用コストが高くなるデメリットがあります。

一方、クラウドPBXではインターネット経由で通信が行われるため、物理的な通信機器を社内に用意する必要がありません。企業は通信機器の購入や設置、メンテナンスにかかるコストや手間を削減できます。

機能の豊富さ

クラウドPBXは、従来型のPBXよりも豊富な機能が利用可能になります。

電話の発着信を行う機器がクラウド上にあるため、インターネットにつながる環境であれば会社の電話番号を使用して着信や発信ができます。また、社内にいなくても社員同士や拠点同士で内線を使用可能です。

サービスによっては、留守番電話や保留、FAXなどの従来型のPBXでも使用できていた機能はもちろん、事前に登録している顧客情報を着信時に表示させる機能や、特定の時間帯や曜日に合わせたメッセージを設定できる音声ガイダンス機能など、クラウドPBXならではの機能があります。このほか、以下のような機能があるサービスもあります。

  • 音声メール
  • 勤怠管理
  • チャット
  • 音声チャット
  • グループウェア
  • 来客受付

使用場所を選ばない

従来型のPBXの場合、社内の専用回線を通してしか電話が行えないため、社外からは社内の電話システムを通した発着信が行うことができません。しかし、クラウドPBXはインターネットに接続できる環境であれば利用する場所を問わないため、社外からスマートフォンなどを利用して内線や外線を使用できます。

構成の柔軟な変更のしやすさ

クラウドPBXでは、社内のネットワーク構成を柔軟に変更できます。従来型のPBXの場合、ネットワーク構成の変更には新たな機器の増設や配線工事が必要でした。クラウドPBXでは、インターネットから使用しているサービス上で設定を行うだけで容易に変更できます。

そのため、新しいユーザーの追加や削除、部署の移動などの組織の変更の際にも、リアルタイムで対応が可能です。変更に必要な費用も最小限に抑えることができます。

運用・管理の容易さ

クラウドPBXの運用・管理は、従来型のPBXよりも簡単で効率的です。

通信システムの管理やトラブルシューティングは、クラウドPBXのサービスプロバイダが担当するため、企業内に専門の人材を用意するといった社内のリソースを割く必要がありません。

サービスプロバイダはシステムの監視やバックアップ、セキュリティ対策などを専門的に行い、問題が発生した場合にも迅速に対応可能です。これにより、企業は電話通信の管理にかかる負荷を軽減し、他の重要な業務に力を入れられるようになります。

ただし、運用・管理をどの程度自社に合わせてカスタマイズできるかは、サービスプロバイダや契約内容によって異なります。契約前に自社に必要な要件を満たしているか、必ず確認するようにしましょう。

まとめ

クラウドPBXのデメリットには通話品質の低下、インターネット回線への依存、セキュリティリスク、サポート体制の課題があります。これらのデメリットを最小限に抑えるためには、適切なインターネット回線の確保やセキュリティ対策の強化、信頼性の高いサービスプロバイダの選択などが重要です。

自社の現状とニーズからクラウドPBXのメリット・デメリットを総合的に評価し、自社に合ったクラウドPBXの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

クラウドPBXの特徴、導入ステップをまとめて紹介

テレワークやハイブリッドワークをはじめとした働き方の多様化が進む中、コミュニケーションの方法やツールも変化しています。特に近年では多くのサービスがクラウド化され、いつでもどこからでも簡単にアクセス、利用できるようになりました。

オフィスの電話ツールも例外ではなく、クラウドPBXの導入が多くの企業で進んでいます。

本冊子では、クラウドPBXの概要や特徴、実際に導入する際の検討事項などをまとめました。

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山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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