【比較表付き】クラウドPBX主要24社を料金・機能・連携機能で徹底比較

新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークを導入する企業が大幅に増えています。2023年5月からは新型コロナウイルス感染症は5類に移行され以前よりも制限がかなり軽減しました。しかし、テレワークは通勤の負担がなく、テレワークを希望する従業員は数多くいる状況です（※）。多様な人材確保のためにもテレワーク導入は必要になってくるでしょう。

中には、業務的には完全にテレワークにすることも可能であるにも関わらず、電話対応のためだけに出社を余儀なくされるような企業もあるのではないでしょうか。そういった企業には従業員がどこにいても電話対応ができるクラウドPBXの導入がおすすめです。

クラウドPBXの市場規模は新型コロナウイルス感染症をきっかけに急増し、今度も市場規模は拡大すると予測されています（GII｜クラウドPBX市場、2030年末までに683億米ドル規模到達見込み）。クラウドPBXには、録音や分析機能など従来の電話にはなかった機能も搭載されていますし、テレワーク導入企業以外でも導入する価値は十分にあるでしょう。

そこでこの記事では、これからクラウドPBXを導入したい企業、新しいクラウドPBXに入れ替えたいと考えている企業の担当者に向けて、各種クラウドPBX提供企業のサービスの機能を比較します。

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クラウドPBXの選定ポイント

導入するクラウドPBXサービスを選定する際は、以下のポイントを比較検討するのがおすすめです。

• 料金
• 機能
• 連携・拡張機能
• 管理・運用機能
• その他特徴

初期費用・月額費用は、クラウドPBXごとに大きく変わります。機能が異なる複数の料金プランを用意しているものや、年払いにすると料金がお得になるサービスもあるので、料金は詳細までチェックして比較検討しましょう。

提供している機能も多種多様で、シンプルな内線・外線の機能を提供するものもあれば、AIを活用した高度な機能を提供しているサービスもあります。基本的に機能が豊富になるほど料金は高くなるため、必要な機能が過不足なく揃っているクラウドPBXを選ぶようにしてください。

また、CRMなど外部サービスとの連携・拡張に対応したクラウドPBXサービスも多いため、自社で使用しているツールと連携できるかどうかもサービス選定のポイントです。業務内容によっては通話履歴や録音データの確認など管理・運用に便利な機能もあるとよいでしょう。

そのほか、導入までの日数やオプションの内容、サポート体制といったポイントも考慮しておくと、より自社のニーズを満たすサービスを選べます。

クラウドPBX24製品の比較

ここからは、クラウドPBXサービス24製品の特徴を比較していきましょう。それぞれのサービスの料金や機能を表にまとめているので、比較検討時の参考にしてください。

※以下の内容はすべて2024年2月現在の情報です。

Zoom Phone

Zoom Phone

クラウドPBXで通話中にそのままZoomミーティングに移行できるなど、すでにZoomミーティングを導入している企業におすすめのクラウドPBXです。PBXとしての基本的機能は網羅していながら、PCやタブレット、スマートフォンから直感的に操作でき、効率的に通話に関する業務ができます。

費用は1ユーザーごとに設定できることから無駄な出費を削減可能です。中には電話にかかる費用を10分の1に圧縮、億単位の費用削減に成功した企業もあります。

Webex Calling

Webex Calling

クラウドPBXだけではなく、Web会議、テレビ会議などのサービスを提供しているCiscoが運営しています。すでにCiscoのシステムを導入している企業であれば、包括的なソリューションを体験可能です。

必要なソリューションやプラン、構築など購入前からパートナーのサポートを利用でき、導入後もコンサルティングを受けられます。そのため、初めてクラウドPBXを導入する企業にとっても安心です。

MiiTel

MiiTel

音声解析や分析までできるため、成績が良い営業の話し方の通話を分析し、話し方の特徴を可視化できます。どうしても主観的になりがちな営業テクニックのノウハウを客観的に蓄積できるため、営業活動の質向上に活かせます。

通話内容の記録を文章として記録できるため、引き継ぎもスムーズです。テキストとして会話内容を保存できることからNGキーワードの検索ができるため、顧客に対して不適切な発言内容があるかどうかを簡単にチェックできます。そのため、電話窓口やコールセンターでクラウドPBXを利用したい企業にもおすすめです。

Dialpad Talk

Dialpad Talk

クラウドPBXとしての基本的機能、多様な連携機能がありながら比較的安価に導入できます。機能が豊富なため、営業、コールセンター、オンラインミーティングなど、あらゆる音声コミュニケーションを1つに統合可能です。

独自のDialpad Aiが議事録作成、通話分析を行うため、文字起こしにかかる手間を省きつつ通話内容の質向上を目指せます。導入を検討している企業に向けて、ウェビナーやセミナーを定期的に開催しているので、気になる企業は参加してみてはどうでしょうか。

ひかりクラウドPBX

ひかりクラウドPBX

さまざまなプランやオプションが用意されていて、通話だけではなくインターネット環境もすべて同じサービスに任せたい企業におすすめです。IP電話機をオフィスに置きながらスマートフォンを活用する方法にも対応可能です。

まるらくオフィスというサービスに対応したひかりクラウドPBXであれば、インターネットを介せずPBXサーバに接続できるため、セキュリティ性が高い閉域接続が可能です。音声通話の品質は高く安定していて、トラブルが起きたときのサポートも充実しています。

BIZTELビジネスフォン

BIZTELビジネスフォン

ビジネスフォンとして内線を主に使用する企業だけではなく、コールセンターやFMCまで幅広いサービスを利用したい企業にもおすすめです。プランは内線番号数、同時通話数により細かく分かれていて、自社の規模に合わせたものを選択可能です。連携できるシステムも多く、自動化や分析など効率的に利用できます。

導入後スムーズに使いこなせるように、PCやスマートフォンで受講できる動画研修、教育管理もあるため、結局使いこなせず導入費用が無駄になることを防げます。

トビラフォンCloud

トビラフォンCloud

外線番号×1、内線番号×2が基本セットになっていて、事業規模に合わせて自由にプランをカスタマイズできます。全社での利用はもちろん、コールセンターなど特定の部署にだけ導入したい場合にもおすすめ。

また、電話番号データベースを元に電話帳に登録されていない事業者の名称や、押し売り・迷惑電話の可能性がある着信を事前に表示できるのも特徴です。

03plus

03plus

市外局番でスマートフォンから発着信できるアプリで、最短10分で電話番号を取得できます。スマートフォン以外にもIP電話やFAX機などでも利用でき、端末ごとにIDの契約が必要です。

オプションが豊富で、必要なものを組み合わせて利用できるのが特徴。クラウドFAXやWeb電話帳、着信課金番号（0120/0800）やサービス付きシェアオフィスなど、多種多様なオプションサービスが用意されています。

Comdesk Lead

Comdesk Lead

Comdesk Leadの特徴は、IP回線と携帯回線を併用できることです。携帯回線のかけ放題を適用すると通話料金の大幅なコストカットにつながり、ネット環境に依存しない高品質な通話が可能になります。

AIを活用した機能を提供しているのも特徴で、精度の高い自動文字起こしやワンクリックでの自動要約に対応しています。自動要約した内容をCRMに自動連携することも可能で、業務効率化に大きく貢献します。

Omnia LINK

Omnia LINK

コールセンター事業社であるビーウィズが提供する、コールセンター業務に特化したクラウドPBXです。音声認識機能が標準搭載されていて、リアルタイムで回答候補を自動表示するなどコールセンターの業務効率化につながる機能が多く用意されています。

また、コールセンター向けCRM「bowline」も提供していて、クラウドPBXとの連携で対話履歴や顧客情報の管理が可能です。1席ごとの料金が設定されているので、オペレーターの人数に合わせて柔軟に対応しやすいプランとなっています。

NICE CXone

NICE CXone

電話機能を主に提供するクラウドPBXサービスが多いなか、NICE CXoneはオムニチャネルに対応しているのが特徴です。電話に加えてメールやLINE、チャットやSNSなど複数のツールを使い分けられるので、顧客が希望するチャネルで対応できます。

録音や画面録画の機能があり、各チャネルでのやりとりはすべて記録されます。オペレーターごとにトレーニングを作成したり対応のパフォーマンスを可視化したり、コールセンターの教育や管理に役立つ機能も豊富です。

ソクコム

ソクコム

契約者専用のWeb管理画面が提供され、ワンクリックで契約内容の変更申請や設定の変更などが行なえます。電話だけでなくSMSやメールの機能もあり、登録されている電話番号へSMSを一斉送信したり送信ログを確認したりできるのも特徴。

Webhook機能によって、外部SFA・CRMとの連携が可能です。あらかじめ連携設定をしておくと、着信時に連携先のツールが起動して顧客情報が即時確認ができるようになっています。

Comdesk Flat

Comdesk Flat

スマホアプリで従来のビジネスフォンを再現していて、「保留番号を選んで取り次ぎ」など使い慣れた運用を続けられます。そのため、従業員の混乱を最小限にクラウドPBXへの乗り換えを進められるでしょう。

複雑な設定をしなくても、契約してアプリをインストールするだけで使用開始できる手軽さも特徴です。早ければ即日使用も可能です。

telmee

telmee

telmeeはオムニチャネルに対応したクラウドPBXで、用途に応じたパッケージを提供しています。例えば、テレワークのための機能を多く提供する「telmee PBXプラス」では、豊富な内線機能やBYOD対応、クラウド上での番号管理やIVRなどが利用可能です。

そのほか、テキストデータをAI音声に変換して自動発信できる「telmee もしもし」や、電話応対の自動化・無人化を実現する「telmee スクリプトコール」など、高性能なパッケージが用意されています。

VoiceX

VoiceX

音声品質が高く、固定電話並みの音質であることを示す「クラスA」の評価を獲得しています。無料トライアルが可能なので、音声品質を重視したい場合は実際に試してみるのもおすすめです。

オプション機能が豊富で、時間外ガイダンスや通話録音などに加えてAIを活用したオプションも提供されています。例えば音声テキスト化機能を使うと録音した通話を架電/受電側に分けてテキスト化でき、「言った言わない問題」の解消につながります。

TramOneCloud

TramOneCloud

「デバイスを選ばず使用可能」「Wi-Fi・4G・5Gなど全ての通信手段に対応」など、テレワークに完全対応したクラウドPBXサービスです。スマホアプリはソフトフォンと同じUIなので、多くの人が迷わず操作できるでしょう。

「会議中」「休憩中」などそれぞれの状況を可視化するプレゼンス機能があり、1対1であればビデオ通話も可能なので、テレワーク時のコミュニケーションツールとして活躍します。

T-Macss

T-Macss

録音やIVRなど機能が豊富で、一般のオフィスからコールセンターまで幅広い部署に対応できるクラウドPBXサービスです。担当スタッフがオフィスに訪問してヒアリングを行い、現在の電話環境を把握したうえで最適な提案をしてくれます。

現在使用中のCRMやCTIとの連携にも対応しています。市販のツールだけでなく独自開発のツールとも連携できる可能性があるため、一度相談してみてはいかがでしょうか。

MOT TEL

MOT TEL

MOT TELは、各地域に専用のクラウドサーバーを持っているのが特徴です。各サーバーに負荷を分散させて通信が一箇所に集中するのを防ぎ、場所や時間帯を問わず高音質で安定した通話ができます。

電話対応の代行サービス「オフィスのでんわばん」を提供していて、電話業務の効率化を目指す企業にもおすすめ。本サービスは内線で取り次ぐため、転送・取り次ぎ料金がかからないのが大きなメリットです。

モバビジ

モバビジ

モバビジは、音声品質の高さが特徴のクラウドPBXサービスです。通話にはNTTの専用網を使用するため、インターネットプロバイダーの品質に音声品質が左右される心配がありません。スマホアプリには「LTE優先制御」が入っていて、Wi-Fiの通信状態による音声劣化対策もされています。

独自のこだわりとノウハウが詰まったPanasonic製のIP電話機を採用しているのも特徴で、よりクリアでノイズのない通話が可能。「テレワーク中はスマホアプリ、オフィスでは高品質なIP電話」と使い分けるのもよいでしょう。

クラコールPBX

クラコールPBX

サービス利用料が安く、6ユーザー以降はサービス利用料がかからないのが大きなメリット。初期費用もかからないので、費用を極力抑えたいという方におすすめです。音声品質や操作感が気になる場合は、30日間の無料お試し期間を活用しましょう。

1人・1ヶ月から利用可能で、契約期間の縛りもありません。小規模なオフィスや特定の部署への導入にもおすすめです。

Arcstar Smart PBX

Arcstar Smart PBX

Arcstar Smart PBXはNTTコミュニケーションズが提供するクラウドPBXサービスで、同社が提供する閉域網を使ったセキュアな通信が可能です。IP電話・パソコン・スマートフォンなどデバイスを問わず使用でき、どこでも無料で内線通話ができます。

外線サービスの「Arcstar IP Voice」もしくは「Arcstar IP Voice（ひかり電話）」と組み合わせると、外線での発着信も可能になります。Arcstar Smart PBX単体では内線通話しか使用できない点に注意してください。

オフィスリンク

オフィスリンク

オフィスリンクは既存のPBXもしくはクラウドPBXとドコモのネットワークを接続し、ドコモの携帯電話をオフィスの内線電話として使用するサービスです。安定したドコモの回線を使用するため、通話品質が高いのが特徴。

本サービスはドコモの携帯電話でしか利用できない点に注意してください。ドコモ回線の社用携帯を支給している企業なら、問題なく利用できるでしょう。

Unitalk

Unitalk

Unitalkは、Microsoftとソフトバンクが共同開発したクラウド型の音声サービスです。Microsoft Teamsをインストールしたパソコン・タブレット・スマートフォンから、場所を問わず会社の固定番号で外線の発着信が可能になります。

すでに業務にMicrosoft Teamsを導入している企業におすすめ。ソフトバンク網とMicrosoft網の閉域ネットワークを使用するため、音声品質が高いのがメリットです。

Bizダイヤル

Bizダイヤル

Bizダイヤルは、指定のソフトバンクのスマートフォンに対して固定電話への通話を転送できる法人向けサービスです。Bizダイヤル専用のアプリを使うと、スマートフォンから固定電話番号を使った発信もできます。

本サービスを利用するには、ソフトバンクの固定電話サービス「おとくライン」の法人回線契約が必要です。オフィスの固定電話におとくライン、社用携帯にソフトバンク携帯を採用している企業なら、スムーズに導入できるでしょう。

まとめ

テレワークやハイブリッドワークを導入するときに便利なクラウドPBXは、さまざまな企業がサービスを提供しています。それぞれ特徴や料金は異なるため、自社に必要な回線数や内線番号の数はどのくらいか、欲しい機能は何かといったことを明確にしたうえで、適したクラウドPBXを探してみてください。

特に、コールセンターや電話窓口を設置している企業や電話による営業を多数行っている企業は、機能が充実しているサービスを選んだほうが良いでしょう。会話内容の記録や分析といった特別な機能があると便利です。今回は代表的な6社について機能を比較したので、ぜひ参考にしてみてください。