アーティストがそれぞれの場所からコラボ配信
n対nのライブ映像を「Agora」の実装で実現
日本を代表するインターネットサービス企業のサイバーエージェント。2020年にはアーティストのライブキャスト動画やミュージックビデオを視聴できる新サービスの提供をスタートさせた。一方、同サービスの課題は、スマートフォンなどを使ったセルフィー配信の配信者は1人に限定され、複数のアーティストによるコラボ配信が不可能なことだった。同社では、動画配信SDK「Agora」を導入。1対nだけでなくn対nの配信が可能なAgoraの実装で、コラボ配信が可能に。また、サンプルコードも豊富なので、既存アプリへの実装も開発コストを抑えて実現した。
従来のライブ配信における課題
複数人でコラボ配信ができない
配信者は1人に限定され、複数人が同時に遠隔で接続して配信することができなかった。
操作が複雑で気軽に配信できない
Web会議ツールなどでは配信準備や操作が煩雑で、アーティストらが自宅や外出先から気軽にライブ配信することができなかった。
システム開発に手間がかかる
既存アプリの動画配信システムを作り直すことには多大な時間とコストがかかる。
「Agora」でこう解決!
n対nの双方コミュニケーションが可能に
1対nの配信だけでなく、複数のアーティストがそれぞれの場所からスマートフォンなどでセルフィー配信する「n対n」のライブ配信も可能に。
アーティストのライブ配信にコメントした別のアーティストが、急遽ライブ配信に参加することもできる。ライブ配信ならではの楽しみ方が広がった。
シンプルなUI/UXで配信も容易
HLSやFlashを使わず簡単に実装できるので、UI/UXにも配慮したアプリを構築することでできる。また、パケットロス耐久性も70%までとなっているため通信が途切れにくい。
特殊なソフトや機材を使わずに、「Agora」の組み込みによるブラウザだけでも配信可能。配信者が気軽にライブ配信をできるようになった。
サンプルコードやAPIにより短期間、低コストでの実装を実現
SFUサーバーやCDNの構築・運用が不要、なおかつサンプルコードやAPIが豊富なので、短期間に開発できる。
必要な機能を容易に実装できるSDKのため、既存のアプリを生かした形での導入、運用が可能に。低コストで実装できる。
「Agora」選定のポイントは?
n対nの配信がデュアルストリームで可能か?
1対nだけでなくn対nの配信が安定してできること。
- ライブ双方向通話の様子を「コラボ配信」として100万人の視聴者へ届けることが可能
- デュアルストリーミングにも対応
システム実装の時間や手間は抑制できるか?
容易に実装でき、アプリの開発や運用の負荷を低減できること。
- APIやサンプルコードが豊富なので、配信に伴うさまざまなオプションやツールをスマートフォン・PCを問わず実装可能
お客様の声
アーティストたちの要望に応えるアプリに
サイバーエージェントでは、さまざまなアーティストやタレントのライブキャスト動画やミュージックビデオ、オリジナル番組などを視聴できる動画サービスを2020年夏から提供しています。
サービスの中には、アーティストらがスマートフォンから好きな時にライブ配信を始められる「ライブキャスト」のサービスもあるのですが、従来は配信者を1人しか設定することができませんでした。ただ、それではトークが進めづらいこともあり、アーティストたちから「複数人でコラボした形でライブ配信したい」という要望があり、システムのアップグレードを模索していました。
Web会議システムの流用も検討しましたが、配信者はあくまでアーティストであり、予備知識なしで気軽に配信を始められることが求められたため、シンプルなUI/UXを持つ従来のアプリに搭載できる動画配信SDKを探していた際に「Agora」を知り、導入を決めました。
株式会社サイバーエージェント エンターテインメント事業本部CTO 高橋 透仁 氏
ライブ配信ならではの楽しみ方を提案
既存のアプリに搭載する形でしたので少し不安もありましたが、「Agora」はサンプルコードが豊富で、さまざまなドキュメントやパラメータを参照できるので、想像よりもはるかにスムーズに導入できました。
キャス配信のシステムはその後もアップデートを続けており、たとえばアーティスト1人でスタートさせたライブ配信に、別のアーティストが後から参加することもできるようになりました。現状では配信者は4人までとしていますが、ライブ配信の内容が視聴者も予測できない形に展開していくことで、弊社のサービスならではの楽しみ方が提案できるようになったと感じます。
株式会社サイバーエージェント エンターテインメント事業本部 iOS開発チームリーダー 劉 柯 氏
視聴者のリアクションや満足度も向上
「Agora」を搭載したアプリを使ったアーティストたちの反応が非常によく、リニューアル後も多くの人がスムーズに使ってくれています。
従来の一人での配信と比較すると、複数名で会話しながら配信できるようになったことで、トークが盛り上がるケースが増え、ライブ配信の時間自体も長くなり、結果的に視聴者のリアクションや満足度も向上しました。視聴数の上位ランキングを見ると、コラボ配信が約半分を占めており、多くの方に楽しんでもらえていると感じます。
これからアーティストやタレントがより自由にライブ配信する機会がますます増えていくと考えています。そうしたニーズに応えられるようなサービスを今後も提供していければと思います。
株式会社サイバーエージェント エンターテインメント事業本部 事業本部長 小野 哲太郎 氏
サイバーエージェント 様における「Agora」の活用法
日本を代表するインターネットサービス企業のサイバーエージェント。2020年にはアーティストのミュージックビデオやオリジナル番組、ライブの生配信などを視聴できる新サービスの提供をスタートした。同サービスの魅力の一つは、アーティストがスマートフォンを使って自宅や外出先からライブ配信でき、ファンはリアルタイムでコミュニケーションがとれること。パフォーマンスグループのメンバーがそれぞれの場所から同時に接続して行うコラボ配信には、配信ごとに多くのファンがアクセスしており人気を博している。
1対nでの配信
アーティストが自宅や外出先からスマートフォンを使ってセルフィー配信をスタート。ファンはテキストチャット機能を使って応援メッセージを送ったり、質問を送ったりすることもできる。
ファンとアーティストのコミュニケーションを蜜にするツールとなっているほか、アーカイブ動画の視聴もできる。
n対nでの配信
アーティストグループのメンバーなどが、複数の場所から同時に接続し、ライブ配信をすることも。トークだけでなく、それぞれの自宅で同時に料理を作って腕を競うクッキング対決など、さまざまな企画につながっている。
また、アーティストのライブ配信にコメントした別のアーティストが、急遽ライブ配信に参加することも。ライブ配信ならではの楽しみ方が広がっている。