今更聞けない「Web会議」の基本! 働き方改革に最適なコミュニケーションツールを徹底解説

「Web会議」とは、複数拠点からのコミュニケーションを可能にするお役立ちツールです。
時間や場所を選ばない働き方(=テレワーク)が推奨される昨今において、組織の「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」や「打ち合わせ」を活性化させることで注目を集めています。
普段使用しているパソコンやスマートフォン、タブレットなどお持ちのデバイスで利用できるため、難しい手続きや高価なコストもかかりません。
しかしそれだけでなく、自社のコスト削減や、優秀な人材の確保などに貢献することもご存知でしょうか?
今回は、改めて知っておきたいWeb会議の基本と、混乱しやすいテレビ会議との違い、また企業にとっての導入メリットについて詳しくご紹介します。
企業がWeb会議を導入するメリットは、時間や支出の節約とコミュニケーションの取りやすさ

Web会議は、オフィスに縛られない柔軟な働き方を実現するためのコミュニケーションツールです。
専用アプリをダウンロードするだけで使える無料タイプと、通信の安定性ならびに録画・国際電話・オンラインストレージといった追加機能を備えた有料タイプの2種類があります。
無料版 | 有料版 |
---|---|
zoom, Skype, Whereby, Googleハングアウト など | V-CUBE ミーティング, zoom, Cisco WebEx, Microsoft Teams など |
どちらのプランでも、インターネット回線に接続した端末(パソコン、モバイル、タブレットなど)を使うことに代わりはありません。
では、実際にWeb会議を導入することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。
打ち合わせをする際など、双方が対面で必ず顔を合わせる必要があった従来のコミュニケーションと、Web会議を活用したコミュニケーションを比較してみましょう。
比較1: 事前準備(移動や場所確保)の大変さ
Web会議は、移動や資料準備・場所の確保などの事前準備にかかる負荷を軽減してくれます。
例えば、既存顧客とのオフラインで契約更新の打ち合わせが週2日入っている、営業担当の社員を想定してみてください。
仮に、打ち合わせ場所への片道の移動時間が30分だとします。すると、週に2回のアポイントメントでも、行き帰りで2時間のロスが発生しています。これが1年続けば、単純計算で合計96時間です。この時間を、例えば営業資料作成やセミナー参加といった他の作業にあてられれば、中長期的には生産性の向上だけでなく、残業時間の削減が見込めるでしょう。
対面の場合
- 打ち合わせ場所への移動と、そのための支度
- 打ち合わせスペースの確保
- 資料の印刷
-> 打ち合わせ本題に入る前に数時間の準備時間を要する
Web会議の場合
- インターネット回線に接続した端末(パソコン、モバイル、タブレットなど)
※Webカメラとマイク付きのものを推奨
-> 思い立ったその時にいつでも、どこでも、打ち合わせ可能
比較2: かかってくる費用
同じく、週に2回の対面アポイントが入っている従業員を例に考えてみましょう。
交通費の片道を300円と見積もると、1週間で1,200円、1年間分では、なんと57,600円にも及びます。
一方でWeb会議システムには、運用コストがかからないものもあります。有料版でも、一人当たり月に2,000円程度から導入可能です。すると年間でかかるコストは、多く見積もっても2万円前後です。これだけでも、従業員一人につき、年に3万円弱の節約となります。
またWeb会議なら、打ち合わせ回数の上限もなく、思い立ったときに、好きな場所で、何分間でも会話を繋げることができます。
対面の場合
- 高額
-> 拠点や研修会場に集まるための交通費、会場利用費などで、
1回あたり数千〜数万円に及ぶこともある
Web会議の場合
- 少額
-> 無料、もしくは一人当たり年間数百円〜程度で、回数制限はなし
比較3: コミュニケーションの取りやすさ
Web会議では、使用するデバイスの画面を通して、会話に参加しているメンバーの表情やジェスチャーを相互に確認できます。
今までは非対面のコミュニケーションの場合、電話であれば音声、メールであれば文面というように、情報を得る術がどちらかに偏っていました。
しかしWeb会議を使えば、直接会っているかのように、相手の感情をより汲み取りやすいでしょう。
対面の場合
-> 直接会わないと、メール(文面)か電話(音声)のどちらか
Web会議の場合
-> お互いの表情や反応を見ながらリアルタイムに会話できる
このようにWeb会議は、今まで移動にかかっていた時間とコストを大幅に削減してくれる社会インフラ的な役割を担っていると同時に、よりスムーズなコミュニケーションも実現することがわかります。
ビジネスの様々な面で、メリットを享受できるのです。
「Web会議」と「テレビ会議」は別物!利用シーンや各機能について比べてみた

「Web会議」と混同されやすい会議システムに、「テレビ会議」があります。
インターネットに繋いだデバイスを使って複数拠点からコミュニケーションをとる点は、両者に共通する一方で、利用シーンや使い勝手は、全く異なります。
どちらを導入べきか正しく検討するために、それぞれの特徴を改めて整理してみましょう。
端的にまとめると、多拠点での大規模は会議には「テレビ会議システム」、1対1から複数名(2〜3名)程度の場合には「Web会議システム」が適しているといった違いがあります。
Web会議 | テレビ会議 | |
---|---|---|
利用人数 | 1 対 1〜複数人程度 | 大人数 |
利用シーン | 営業や採用面接など、小規模な打ち合わせ | 経営会議、国際フォーラムなど、複数拠点や複数企業の大規模な打ち合わせ |
利用場所 | どこでも可能 | 専用デバイスの設置された空間
(会議室やサテライトオフィスなどの整備が必要) |
必要なデバイス | 普段使いのパソコンやモバイル | 専用機器(スクリーン、カメラ、マイク、回線ルータ等を含むハードウェア) |
映像解像度 | サービスにより違いがある | 高解像度 |
通信速度 | 通信場所のネット環境に左右される | 専用ラインや機材の導入で安定したネットを敷くことができる |
価格 | 無料、もしくは有料でも比較的安価 | 年間で数百万円ほど(※メーカーやプランによる) |
特徴的な機能 | 資料送付や画面の共有ができる | ダイナミックかつ解像度の高い映像共有が可能なため、現場確認や防犯カメラといった空間共有デバイスにもなる |
用途や機能について比較するとわかるように、テレビ会議はWeb会議よりも、利用シーンや価格帯の規模感が大きいことがわかりますね。
ただし導入時に高額な初期費用が必要で、会議室に集合しなければ会議に参加できないといったデメリットも考えられます。
そこで、特に専用機材を要さない小規模は打ち合わせには、Web会議システムがより適していると言えるでしょう。
「いつでも」「どこでも」「誰でも」参加できるのが、テレビ会議では実現できない、Web会議のメリットです。
Web会議であれば、導入やメンテナンスにかかるコストを抑制できる他、機材のセッティングや場所の確保も不要なため、社内で広く展開することができます。
有料版のWeb会議でも、無料のお試し期間を設けているサービスもあるので、導入にあたり検討してみても良いかもしれません。
Web会議を導入した企業の課題解決事例7選
Web会議を使うことで得られるメリットは、ただ場所を問わずに会議ができ、コストが削減されるだけではありません。
少子高齢化の進展により労働人口が減少し、人材確保の困難さが顕著化されてきました。
仕事と家庭の両立や、ワークライフバランスの重視といった求職者ニーズも高まる中で、優秀な人材を確保し続けることは、決して容易ではありません。
そんな中、企業がWeb会議を導入することは、自社の従業員に「働き方の自由」を認めることであり、結果的に下記のような企業課題の解決策となるのです。
企業が抱えている課題 | Web会議の導入で実現できること | |
---|---|---|
1 | 通勤、出張費用、サテライトオフィス等の設備費が増加 | 通勤に対するコストやデメリットの見直し
従業員の安全確保、通勤手当やオフィス設備費にかかる費用の削減、業務の効率化 |
2 | 子育てや介護などの生活の変化による離職・退職が相次いでいる | 従業員の家事・子育て・介護と仕事の両立
既に自社の社風や業務に馴染んだ従業員の離職率低下 |
3 | 採用機能のある地域に住んでいる求職者以外にリーチアウトできない | 採用力の強化
遠方在住者や物理的移動が困難な障がい者の採用数増加(Uターン、Iターン含む) |
そこで最後に、以下1〜3に沿って、既にWeb会議を導入することで成果をあげている企業好事例をご紹介します。
Web会議によって、どのような組織改革が起こっているか、自社での導入の際の参考にしてみてください。
下記の記事では、テレワークの概要やメリット・デメリット、そして実際の導入事例について詳しくご紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください。
1.通勤や移動に対するコストやデメリットの見直し
2.家事・子育て・介護と仕事の両立
3.採用力の強化
4.出張費の削減
【番外編】会議以外にも広がるWeb会議の活用法
スマートグラスやドローンを活用した社会インフラのメンテナンス、災害時の情報共有など、Web会議の活用シーンはさらに広がっています。
例えば、インフラメンテナンスや工事現場で、作業者と指示者がWeb会議で現場の状況をリアルタイムに共有することで、作業品質の向上、移動時間や作業工数の短縮が見込めます。
迅速な情報共有と的確な指示が必要になる災害時は、資料や映像をリアルタイムで共有し、情報を集約することで、より精度の高い対策を練ることが可能です。
また、空間共有や商談に遠隔で同行するなど、Web会議はあらゆるシチュエーションで活用されます。
空間共有
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まとめ|働き方の選択肢を増やす「Web会議」は人材確保の鍵となる
Web会議は、従業員、企業、そして地方の全てにとってメリットをもたらすコミュニケーションツールです。
少子高齢化が進み、労働人口が減少しつづける昨今、労働力や優秀な人材を確保するために「働き方改革」が叫ばれています。その軸となっているのが、場所や時間にしばられずに働く「テレワーク」の推進であり、Web会議はこのテレワーク環境の整備に効果的なソリューションとなることは否めないでしょう。
対面が基本だった従来のコミュニケーションのあり方を、個人の生活スタイルに合わせて柔軟化させるだけでなく、企業のコスト削減、生産性の向上、採用力の強化などのメリットも生み出します。
また、Web会議は、導入に当たってハードルが低いことも特徴です。
新しいシステムとはいえ、パソコンやモバイル端末といった、既に馴染みのある機材しか必要としません。
ぜひ一度、あなたの会社でも利用を検討してみてください。