双方向でのコミュニケーションでリアルな楽しさを演出
「Zoomビデオウェビナー」選定の背景について教えてください。
赤尾氏 「茨香祭」は2年に1度の大切な行事です。クラスやクラブなど学生たちの結束を高めたり、学生が日々研鑽している技術を披露できたりする貴重な機会です。コロナ禍が続くなかでも開催できないかと、8月頃からオンライン開催を検討しました。
佐藤氏 昨年は体育大会など様々な学校行事が中止になったので、私たち実行委員が頑張って絶対開催したいと思っていました。そこで、実際に学園祭をオンライン開催している大学などの事例を調べました。
今野氏 学校のオンライン授業では違うツールを使っていますが、個人的に、仲間と協力して学校の課題に取り組む際に、普段から「Zoom」を活用していました。その点、ミーティングのツールとして「Zoom」には馴染みがありました。
「Zoomビデオウェビナー」選定の決め手となったポイントは?
赤尾氏 在校生をはじめ大勢が同時に参加するため、1000人規模が同時に接続しても安定した配信ができることは重視しました。
佐藤氏 配信イベントで、「学籍番号くじ」という、学籍番号がくじ引きの番号になっていて、商品が当たるというものを準備していました。このイベントでは当選した際に、今現在ちゃんと参加していることを申告してもらう必要があるのと、景品を渡す際のやり取りも配信したい。視聴者が発言などで参加できるツールが必要だったので、「Zoomビデオウェビナー」はその点において適していました。
今野氏 実行委員としては、各イベントそのものに注力したいので、配信に関する業務をすべてサポートいただける点も重要でした。実際、配信業務は完璧にこなしていただけただけでなく、準備段階で、企画内容を相談して、例えばどんな投票方法が良いかなどご提案いただくなど、想像以上のサポートを受けることができました。
オンラインならではの刺激的なイベント
導入の効果はどうでしょうか?
赤尾氏 まさにゼロからの企画・運営でしたが、大きなトラブルが起こることもなく成功できたのは、自分たちにとって大きな学びになりました。
佐藤氏 大勢の実行委員が協力するリアル開催と違って、オンライン開催では実行委員会の役員が中心の少数精鋭での進行となります。その点、逆に情報伝達もスムーズで進行がしやすかったと思います。
今野氏 ゲームの「マインクラフト」で学生が競い合う「マイクラバトル」や、学生が発表を行う「Lightning Talk」というイベントは、非常にオンライン向きで盛り上がりました。リアル開催で、体育館に大勢を集めたりしても、あまり見てもらえないものです。その点、パソコンやスマホからだと、じっくり見てもらえる利点があると感じました。
今後の展開について教えてください
今野氏 開催までは、学生からオンライン開催に関して否定的な声もあって、不安がありました。しかし実際開催すると、非常に好評でした。実行委員の私たち自身が楽しんで進行できたことも大きかったかもしれません。SNSで「今後は対面とは別に、こういうオンラインイベントがあってもいいのでは」という声も目にしました。今回は前年の延期回だったので、今年も昨年に引き続き開催予定です。まだコロナの状況がどうなるか分からないし、リアルとオンラインの併用は予算的に厳しい面がありますが、この経験を活かして準備したいと思います。
佐藤氏 今後のコロナの状況次第ですが、やはり飲食店の屋台が並ぶなかを歩くような体験は代えがたいものなので、リアル開催ができればとは思います。ただ、今回開催した「マイクラバトル」が好評だったので、同様のゲームバトル企画を学生会執行部が開催するなど、「茨香祭」以外のところにも、今回のオンライン開催の影響が広がっています。