山間部に位置する吉備中央町は、岡山市の岡山大学病院から車で往復2時間以上かかる場所に位置しており、医療を必要とする住民やその家族にとって、病院への往復は非常に大きな負担となっていました。
吉備中央町では規制改革特区としてオンラインによる遠隔医療を推進していますが、医師が検査データを加味して診断・フォローアップをするためには、多くのケースで採血する必要がありました。遠隔での採血は法律的にもハードルが高いのですが、岡山大学病院では特区だからこそできる取り組みとして、病院を訪れることなく同町の診療所で採血を受けられる体制を整え整えるべく、そのうえで診療所にオンライン診療のスキームを配置することを実装しました。患者様のプライバシーをきちんと確保しつつ、大学病院とオンラインでつなぎ、診察や検査を遠隔で行えるようにしました。
オンライン診療の環境づくりとしては、できる限り対面診療に近い環境を目指しました。そこで、今回設置したテレキューブは、患者様が入室しやすいように扉の位置を変更し、ディスプレイ内の医師に正対できるよう、内装もカスタマイズしてもらいました。そうした対応がブイキューブでは可能だったこと、また、必須となる機密性・遮音性の高さについても、必要な吸音材がオプションではなく初期導入時からワンパッケージになっていることも選定の決め手になりました。
導入後もおおむねスムーズに運用できており、病院のリアルでの医療体制に大きな負担をかけることなくオンライン診療を推進できていると考えています。今後は各地域とそこに根ざしている既存の病院・診療所と岡山大学病院が連携することで、より患者の負担を軽減しながら医療を受けられるような体制づくりを目指していきたいです。