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Convo AI World Japan 潜入レポート:対話型 AI の未来

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Agoraとブイキューブ共催のイベント「Convo AI World Japan」のイメージ

対話型 AI が、単なる「効率化」のためだけではなく、「感情」「文化」「信頼」に基づいて設計されたとしたら、どのような可能性が広がるでしょうか。

2025年 11月 5日、Agora とブイキューブの共催により「Convo AI World Japan」が開催されました。本イベントには、世界的なテックリーダー、創業者、投資家が一堂に会し、対話型 AI、アバター、そしてマルチモーダル・インテリジェンスがどのように進化しているか、そしてなぜ日本の視点が国境を越えて重要視されるのかについて議論が交わされました。

リアルタイム翻訳やストリーミングアバターから、ロボティクスの伝統、文化的なストーリーテリングに至るまで、本イベントはアジア各地域の強みが融合し、世界の AI 体験における次の大きな飛躍に影響を与えている現状を明らかにしました。日本での議論の中心は、単なる規模の拡大ではなく「意味」にありました。すなわち、AI がいかに自然で、敬意を払い、人間らしい方法で人々の声に耳を傾け、応答し、つながりを持てるかという点です。

以下に、各セッションの要約と、素晴らしい登壇者たちがプレゼンテーションで語った主要なトピックを紹介します。

※この投稿は、Agora の日本総代理店であるブイキューブが、Agora ブログを翻訳した記事です。

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セッション 1:オープニングリマークス - AI 時代における日本の役割を再定義する

Agora 共同創業者 兼 CRO Tony Wang 氏のオープニングセッションの講演の様子

Tony Wang 氏(Agora 共同創業者 兼 CRO)

Tony Wang 氏は、グローバルな AI の議論における一般的なナラティブを再構築することからイベントの幕を開けました。同氏は、日本がリーダーシップを発揮するために、米国や中国と規模(スケール)で競う必要はないと主張しました。むしろ、日本は AI におけるリーダーシップのあり方そのものを再定義できるポテンシャルを持っています。

日本の強みは、感情、職人技(クラフトマンシップ)、信頼、そしてストーリーテリングにあります。アニメ、マンガ、ゲーム、音楽、デザインにわたるその文化遺産は、長きにわたり世界の想像力を形成してきました。これらの強みにより、日本は単に出力効率を最適化するのではなく、人間の機微を汲み取り、適応し、尊重する、共感型の マルチモーダル AI を構築できる独自の立ち位置にあります。

「私たちは今、完璧さよりも反復(イテレーション)が、慎重さよりも好奇心が、そして機械的な性能よりも意味が重要視される時代に突入しています。なぜなら、未来を制するのは『プロダクト・マーケット・フィット』ではなく、『エモーション・マーケット・フィット(感情への適合)』だからです。」

セッション 2:AWS AI ソリューションと実世界のユースケース

Mantaro Yamada 氏(AWS ソリューションアーキテクト)

Mantaro Yamada 氏は、AI の導入フェーズが実験段階から急速に移行し、特にメディア、エンターテインメント、ゲーム、デジタルコンテンツの分野において、収益を重視した商用環境(プロダクションスケール)での展開へと進んでいる現状を解説しました。

このシフトの中心にあるのが Amazon Bedrock です。これにより、組織は単一の API を通じて複数の基盤モデルにアクセス可能になります。この統合的なアプローチは実装の複雑さを軽減し、技術チームだけでなく非技術チームであっても、重厚なインフラ構築やモデル管理のオーバーヘッドなしに、AI 機能を迅速にリリースすることを可能にします。

同氏は、以下のような実世界の適用事例を紹介しました。

  • パーソナライズされた会話トピックやレッスンフローを生成する英語学習プラットフォーム
  • ビデオハイライト、要約、多言語コンテンツを大規模に制作するメディア企業
  • 構造化されたプロンプトエンジニアリングを通じて、一貫したキャラクター性を維持するゲームスタジオやアバタープラットフォーム
  • 3D アセット、環境デザイン、迅速なプロトタイピングに生成 AI を活用するクリエイティブチーム

「AI は単に開発者の生産性を向上させるだけではありません。ライター、デザイナー、プロデューサー、マーケターの働き方そのものを変革しています。」

セッション 3:ストリーミングアバター時代の到来

Akool 製品責任者 Alicia Tseng 氏の「ストリーミングアバター時代の到来」の講演の様子

Alicia Tseng 氏(Akool 製品責任者)

Alicia Tseng 氏は、現在の対話型 AI における最大の課題の一つである「遅延(レイテンシ)」について言及しました。従来のインタラクションは、低速な STT → LLM → TTS パイプラインに依存しており、その結果、気まずい沈黙やロボットのような不自然な会話フローが生じていました。

Akool は、人間のリズムに合わせた会話を可能にする超低遅延ストリーミングアバターエンジンを構築することで、この課題を解決しました。現在、Akool は世界中で数百万人のユーザーをサポートし、画像、ビデオ、オーディオ、ライブアバターを網羅するフルスタックプラットフォームへと進化しており、数百種類のアバター、150 以上の対応言語、そして大規模な同時接続(Concurrency)を実現しています。

同氏は、さまざまな業界での実際の導入事例を紹介しました。

  • グローバルカンファレンスでのイベントガイドやホログラム
  • 不動産業界におけるバーチャル賃貸エージェント
  • 繊細な会話対応を可能にする保険業界のアバター
  • 通信キャリアの店舗における接客アシスタント
  • 初期の健康状態をモニタリングするヘルスケアアバター
  • 空港で旅行者をサポートする航空会社のアバター
  • 数千人の従業員と直接対話を行う CEO アバター

「AI の未来は人間を置き換えることではなく、人間の能力を拡張することにあります。Akool と Agora が連携することで、チャットボットを表情豊かで感情豊かなリアルタイム体験へと変貌させています。」

セッション 4:パネルディスカッション - 対話型 AI とアバターの未来

パネルディスカッション - 対話型 AI とアバターの未来の様子

Patrick Ferriter 氏がモデレーターを務めたこのパネルディスカッションでは、アバター、インフラストラクチャ、マルチモーダル AI の分野で活躍するリーダーたちが集結し、次に来るトレンドについて探求しました。

純粋なリアリズムよりも「エモーショナルなデザイン」を

AKA Virtual の共同創業者 兼 CEO である Jia Shen 氏は、なぜ日本において写実的なアバターよりも、様式化(スタイライズ)されたキャラクター主導のアバターの方が好まれることが多いのかを解説しました。ユーザーはキャラクター相手の方が「ジャッジされている」と感じにくく、心を開きやすいため、セラピー、教育、エンターテインメントの分野で特に効果的であるとのことです。

リアルタイム AI のためのインフラストラクチャ

Dify.ai のエンジニアリング責任者、Yongle Yang 氏は、高速なワークフローと半自律型のエージェントモデル(Agentic models)を用いた対話システムの構築について議論しました。リアルタイム処理に対応したインフラを活用することで、開発者は独自のデータを活用した、レスポンスの良い AI インターフェースをデプロイできます。

より速く、よりスマートなマルチモーダル AI

Wavespeed.ai の CTO、Zeyi Cheng 氏は、ニアリアルタイム(準リアルタイム)の拡散モデル(Diffusion models)の進歩に焦点を当てました。これにより、多大な制作コストをかけずに、広告の自動生成、対話型ビデオアバター、インタラクティブなコンテンツ制作が可能になります。

今後の展望

パネリストたちは、近い将来に起こるいくつかの変化を指摘しました。

  • 手頃な価格で広く普及するアバター
  • 物理的な知能と対話知能が融合した AI 搭載ロボット
  • 介護、人とのつながり、日常的なサポートのための AI コンパニオン
  • AI ネイティブなツールを活用して構築を行う新世代のクリエイターたち

さまざまな視点を通じて共通していたテーマは、「対話型 AI はより表現豊かで、感情的で、深くインタラクティブなものになりつつある」ということでした。

セッション 5:日本の音声 AI における感情的なつながりの再定義

Jason Chen 氏(Jarvis マーケティング責任者)

Jason Chen 氏は、対話型 AI における最も困難な課題の一つ、すなわち「日本語の音声インタラクションを長時間の会話でも自然に感じさせること」について掘り下げました。日本語はピッチ(抑揚)、敬語、文脈、そして割り込みへの対応において高い精度が求められますが、多くの音声システムはこれらの要素で破綻してしまいます。

Jarvis は、高度な手動チューニングを必要とせずに、感情表現、正確なピッチ、記憶保持、割り込み可能なターンテーキング(話者交代)、ノイズ耐性を実現する統合プラットフォームによってこの課題に対処しています。その AI は長時間の対話でも一貫した人格を維持し、台本通りではない「会話」を実現します。

アニメ IP から観光、エンタープライズ展開まで、Jarvis は音声 AI を単なるコンテンツから、真のコンパニオン(パートナー)へと変えようとしています。

「日本には自然な対話が可能な高品質な音声AIが必要です。Jarvis は音声、推論、記憶を一つの人間中心の体験に統合することで、その定義を塗り替えています。」

セッション 6:Tripo - すべての人にインスタントな 3D 制作を

Tripo 日本代理店 Frank Zhang 氏の「Tripo - すべての人にインスタントな 3D 制作を」の講演の様子

Frank Zhang 氏(Tripo 日本代理店)

Tripo は、3D 制作がついに 2D AI のスピードに追いつきつつあることを実証しました。テキストや単一の画像から、数秒でクリーンかつプロダクション品質の 3D モデルを生成することで、Tripo はジオメトリの品質、トポロジ、アセットのクリーンアップといった長年のボトルネックを解消しました。

Blender、Maya、Unreal、Unity といった主要ツールをサポートしており、クリエイターは生成したアセットを既存のパイプラインへ直接エクスポートして編集できます。セッション中のデモンストレーションでは、壊れたガンダムの玩具パーツをスキャンからプリントまで数分で再構築し、会場を驚かせました。

生産性の向上とコスト削減により、Tripo はスタジオ、ブランド、そして個人のクリエイターにとっても、高品質な 3D 制作を身近なものにしています。

「AI の次の飛躍は単なるスピードではありません。想像力を瞬時に 3D のリアリティへと変える力をクリエイターに与えることです。」

展望

Convo AI World Japan は、対話型 AI における力強いパラダイムシフトを強調しました。次世代の体験を定義するのは知能だけではなく、感情、文化、そしてリアルタイムの応答性です。AI が日常生活に深く浸透するにつれ、音声、ビデオ、アバター、そして環境を越えて自然にコミュニケーションをとる能力が、ユーザーの心に真に響くかどうかを決定づけるでしょう。

日本は明確なブループリントを示しています。それは、「まず耳を傾け、意図を持って応答し、時間をかけて信頼を築く対話型 AI」です。

こうした体験を構築するには、モデル以上のものが必要です。表現豊かで低遅延なインタラクションのために設計された、リアルタイム・インフラストラクチャが不可欠です。音声、ビデオ、AI 駆動の会話のための完全なプロダクションレディ・スタックを提供する Agora Conversational AI Engine について、デモやハンズオン評価を通じてぜひ体験してください。

Convo AI World Japan は、製品リーダー、開発者、AI イノベーターが集い、対話型 AI の実装についてつながりを深める Agora の Convo AI World イベントシリーズ の一環です。

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ブイキューブ

執筆者ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。
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2026年06月30日

AIoT 2023 - コネクト、エンゲージ、エンターテインメント(イベントレポート)
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※この投稿は、Agoraの日本総代理店であるブイキューブが、Agoraブログを翻訳した記事です。 AIoTは、効率性、分析、データ管理などを改善するために、IoT(Internet of Things)インフラと人工知能(AI)技術を組み合わせたものです。AIoTは、人間とデバイス間のインテリジェントで没入的な接続を促進し、AR/VRイノベーションの助けを借りて強化することもできます。先ごろ開催されたAIoT - Connect, Engage, Entertainイベントでは、スピーカーがAIoTの新たなトレンド、成果、課題、将来の可能性について詳しく説明しました。 このハイブリッド・イベントはシンガポールで開催され、以下のような世界的なIoTリーダーが参加。 Jimmy Zhang, CTO, Carbon Origins Wangshu Yang, Head of Hardware, Meta Motors Arlen Lu, Vice President of Mass Development, Turing Drive Adam Kirk, CEO, Forma Vision Patrick Ferriter, VP of Product, Agora Ek Goh, VP & GM ASEAN, Oracle Ni Meng, Co-Founder, RINO YC (Song Yan) Cai, CEO, YCVR Joe Tham, VP of International Sales, Simshine Yongli Chen, Founder & CEO, Edgenesis 本記事では、イベントの主な収穫について説明します。セッションの模様はオンデマンドでご覧いただけます。

2026年06月30日

Agora Skills:コーディングエージェントと共に音声 AI を構築する
  • Agora
  • 技術動向
※この投稿は、Agora の日本総代理店であるブイキューブが、Agora ブログを翻訳した記事です。 Codex、Claude、Gemini、Cursor などの AI コーディングアシスタントは、今や開発者がコードを書き始める際にまず最初に頼る存在になりつつあります。 これに伴い、開発者がツールやプラットフォームを利用する際における「開発者体験」のあり方も大きく変化しています。 長年、開発プラットフォームのインターフェースは、主に「人間が読んで理解すること」を前提に作られてきました。ドキュメント、クイックスタート、 API リファレンス、サンプルアプリ、コンソールのダッシュボードなどがその典型です。開発者はドキュメントを読み、認証情報をコピーし、パッケージをインストールし、手動でコードに落とし込んできました。 しかし、今やそのプロセスはここまでシンプルになっています。 npx skills add https://github.com/AgoraIO/skills --skill agora プロジェクトに「スキル」をロードし、コーディングアシスタントに、例えば次のようなプロンプトを投げるだけです。 「アメリカの歴史の試験勉強をサポートしてくれる、音声 AI チューターを作って」 これは、従来の開発とは本質的に異なるアプローチです。開発者はプラットフォームの仕様をステップバイステップで学習したいわけではありません。 AI エージェントが構成を自律的に判断し、最適なコンポーネントを選択し、環境を構築して、実際に「動くベースライン (最小限のプロトタイプ) 」を生成することを期待しているのです。 しかし課題として、現在のコーディングアシスタントの多くは、こうした処理を確実に行うために必要な「運用の文脈 (コンテキスト) 」を持ち合わせていません。

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