オンライン内定式とは

オンライン内定式とは、Web会議ツールやライブ配信システムなどのオンラインツールを活用して実施する内定式のことです。内定の正式通知・代表挨拶・誓約・内定者同士の交流といった内定式本来の目的は対面と変わらず、開催場所を問わずに実施できる点が最大の特徴です。
近年の傾向
2020年以降、コロナ禍をきっかけにオンライン内定式が急速に普及しました。現在もオンライン・ハイブリッドで内定式を継続する企業は多く、内定者の参加しやすさ・コスト効率の高さから、完全対面には戻さずオンラインを維持・活用している割合は一定数を占めています。
近年はコロナ禍の規制緩和とともに「対面回帰」の動きも見られますが、地方在住の内定者への配慮・全国拠点からの参加のしやすさを理由に、ハイブリッド形式(一部会場参加+オンライン参加)を採用する企業も増えています。「どちらか一方」ではなく、参加者の状況に合わせた柔軟な形式の選択が今後のスタンダードになりつつあります。
オンラインで内定式を行うメリット

オンライン内定式には、対面形式にはない3つの強みがあります。導入を検討する際の判断材料として整理しておきましょう。
内定者の参加コストが低い
オンライン内定式の最大のメリットのひとつは、内定者が自宅から参加できることです。地方在住の内定者にとって、上京・移動にかかる交通費・宿泊費・移動時間の負担はかなりのものになります。オンライン開催であれば、こうした参加コストが大幅に削減されます。
移動時間がゼロになることで、大学の授業・ゼミ・アルバイトとの日程調整がしやすくなり、参加率の向上が期待できます。特に地方大学に在籍する学生が多い採用構成の企業ほど、オンライン開催による参加率改善の効果は大きくなります。
企業側の実施コストが低い
企業側にとっても、会場費・設営費・ケータリング費・印刷物の準備など、対面開催にかかる各種コストをオンラインに切り替えることで大幅に削減できます。浮いた予算を内定者フォローの充実や研修コンテンツの強化に充てることも可能です。
また、全国の拠点・部署から社員が参加しやすくなるため、内定者がより多くの社員の顔を見られるという副次的な効果もあります。多様な社員と「顔合わせ」できることは、内定者の会社への期待感と安心感を高めます。
ITリテラシーや社風をスマートに提示できる
オンラインツールを使いこなした内定式を実施すること自体が、「デジタル化に積極的な会社である」という企業ブランドの表現になります。スムーズで洗練されたオンライン内定式を体験した内定者は、「この会社はITリテラシーが高い」「働きやすそう」というポジティブな印象を持ちやすくなります。
入社前からオンラインツールに慣れてもらうことで、入社後の業務での活用もスムーズになるという実務的なメリットもあります。
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オンラインで内定式を行うデメリット

メリットが多い一方で、オンライン内定式には対面では生じにくい固有の課題があります。
会社の「リアルな空気感」が伝わりにくい
画面越しでは、オフィスの雰囲気・社員の人柄・職場の空気感といったリアルな温度感が伝わりにくいというデメリットがあります。対面の内定式では、会場に足を踏み入れた瞬間に感じる「この会社の感じ」が内定者の帰属意識を自然に高めますが、オンラインではその体験が生まれにくいのが現実です。
対策として、社内の様子を映した紹介動画の挿入・社員が笑顔でカメラに映る工夫・先輩社員によるリアルな入社体験談の紹介などを組み合わせることで、画面越しでも会社の空気感を届けることができます。
内定者同士での交流が難しい
対面では自然に生まれる「隣の席の人との会話」「休憩時間のやりとり」が、オンラインでは意図的に設計しなければ発生しません。内定者同士の関係構築が進まないまま入社日を迎えると、入社後の孤独感や離職リスクが高まります。
対策として、ブレイクアウトルームを活用した少人数グループでの自己紹介タイムを設けること、式後に内定者向けのオンラインコミュニティやSNSグループへ招待することが有効です。交流の「場」を意図的に作り出すことが担当者の腕の見せどころです。
通信環境や機材によるトラブルの可能性がある
内定者側の回線不安定・音声不良・映像フリーズ、あるいは企業側の配信環境トラブルなど、オンライン開催では技術的なトラブルが起きうることを前提に準備する必要があります。
事前の接続テスト・内定者向け接続マニュアルの配布・企業側のバックアップ回線の準備・トラブル時の対応フローの事前決定が不可欠です。「起きたらどうするか」をあらかじめ決めておくことで、当日の対応が落ち着いてできるようになります。
オンライン内定式はどのように実施するのか

オンライン内定式で使用するシステムは、大きく「ライブ配信システム」と「Web会議システム」の2種類に分けられます。参加人数・双方向性の必要度・予算に応じてどちらを選ぶかを判断することが重要です。
ライブ配信システム
ライブ配信システムは、企業側が映像・音声を一方向で配信し、内定者が視聴する形式です。大人数への安定した配信に強く、式典的な雰囲気を保ちやすいのが特徴です。
代表的なツールとしては、V-CUBE セミナー・YouTube Live・専用ウェビナープラットフォームなどが挙げられます。特に数百名規模で代表挨拶・来賓スピーチが中心の内定式には適しています。双方向のコミュニケーションが限られる分、チャット機能・Q&A機能・アンケート機能を補完的に活用することで、内定者の参加感を高める工夫が必要です。
Web会議システム
Web会議システムは、企業側・内定者側の双方向でカメラ・マイクを使ったコミュニケーションが可能な形式です。内定者一人ひとりの表情が見え、ブレイクアウトルームによる少人数交流も実施できるため、交流・関係構築を重視した内定式に向いています。
代表的なツールはZoom ミーティング・Microsoft Teams・Google Meetなどです。参加人数が数十〜百名程度で、内定者との双方向的なやりとりを重視する場合はWeb会議システムが適しています。ただし、参加者全員のカメラ・マイクが映り込む分、内定者への事前案内(接続確認・服装・背景設定など)を丁寧に行う必要があります。
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オンライン内定式を成功させるコツ

オンライン内定式の成否は、「準備・企画・開催中・開催後」の4つのフェーズそれぞれの設計の質で決まります。フェーズごとに押さえるべきコツを整理しました。
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準備
当日のトラブルを防ぐ最大の保険は、徹底した事前準備です。担当者がすべきことを漏れなく実行しておくことで、内定者・社員ともに安心して本番に臨めます。
接続マニュアルの配布
内定者全員が当日迷わず接続できるよう、接続手順・推奨環境(PC推奨・スマートフォンの注意点)・よくある接続トラブルの対処法をまとめたマニュアルを事前に配布しましょう。マニュアルが充実していることで、当日の接続トラブル対応に費やす時間を大幅に削減できます。
マニュアルには接続URL・開始時間・ログイン方法・音声・カメラの設定方法を図解付きで記載することを推奨します。内定者のITリテラシーに差があることを前提に、「初めてZoomを使う人」でも迷わない丁寧な説明を心がけましょう。
機材・通信環境の確認
企業側の配信環境(カメラ・マイク・照明・インターネット回線)は、本番1週間前までに実際の配信環境と同じ条件でテストを行いましょう。有線回線を基本とし、モバイル回線をバックアップとして用意しておくと安心です。
内定者側には、招待メールに「推奨接続環境(有線または安定したWi-Fi・PC推奨・イヤホン推奨)」を記載しておくことで、接続品質が大幅に改善されます。事前にテスト接続の機会(任意参加の接続確認会)を設けることも有効な対策です。
服装
内定者への服装案内は、招待メールに必ず明記しましょう。指定がないと「スーツで行くべきか私服でよいのか」と悩む内定者が多く、当日のばらつきや不安につながります。
基本は「スーツ着用」ですが、オンライン開催の場合は「上半身のみ映るためジャケット着用・下はカジュアルでも可」としている会社もあります。自社のカラーや式の雰囲気に合わせて、具体的な基準を一文で示しましょう。案内例としては「当日はスーツ(またはオフィスカジュアル)でご参加ください」のように、解釈の幅が出ない表現にすることがポイントです。
髪型
服装と同様に、髪型についても案内しておくと内定者の不安を減らせます。特に「髪色はどこまで許容されるのか」は多くの内定者が検索で調べるほど関心の高いテーマです。
案内のポイントは、NGを並べるより「入社初日をイメージした、清潔感のある髪型でご参加ください」のようにポジティブな表現で伝えることです。髪色については「自然な色を推奨します」「明るすぎる髪色はご遠慮ください」など、自社の基準を簡潔に一言添えておくと、当日の印象のばらつきを防げます。オンラインでも顔周りは画面に大きく映るため、髪型が第一印象に与える影響は小さくありません。
ネイル
ネイルについても、事前に案内しておくと丁寧な印象を与えられます。画面越しにはネイルが目立ちにくいこともありますが、一部の企業では就業規則上ネイル自体を制限していることもあるため、内定者が入社後のルールを推し量る情報として参考にされます。
案内例としては「ネイルは派手な装飾を避け、自然なカラーかナチュラルな仕上がりを推奨します」のように、禁止ではなく「推奨」の形で柔らかく伝えるのが一般的です。服装・髪型・ネイルの案内をまとめた「当日の身だしなみガイドライン」として一つのセクションに整理すると、内定者にとって確認しやすくなります。
メールなどでの細かいリマインド
開催1ヶ月前・2週間前・前日の3回のリマインドメールを送ることで、内定者の参加率と事前準備の完了率が高まります。各リマインドメールには、接続URL・開始時間・服装指定・接続マニュアルのリンクをセットで記載しておくことで、内定者が毎回確認できる状態にしておきましょう。
前日のリマインドは特に重要で、「明日の〇時からです。当日は15分前に接続テストをお願いします」という具体的な行動を促す内容にすることで、当日の遅刻・接続ミスを防ぐ効果があります。
企画
オンラインは対面と比べて「離脱しやすい・受動的になりやすい」という特性があります。内定者が画面の前で主体的に参加できる企画設計が、オンライン内定式の満足度を左右します。
参加型で考える
「見ているだけ」の一方通行プログラムは、内定者の集中力を維持しにくく、「ただ時間を使っただけ」という印象を与えてしまいます。アンケート・投票・リアクション機能・チャット投稿など、内定者が積極的に参加できる仕掛けを随所に組み込みましょう。
たとえば「今の気持ちをひと言チャットに書いてください」「この中で一番気になる仕事内容に投票してください」など、答えやすいお題で参加を促すことが有効です。参加型のコンテンツを取り入れた企業ほど、内定者の満足度・参加した割合に対する好評価が高い傾向があります。
チャットのフル活用
チャット機能は、オンライン内定式で最も手軽に双方向性を生み出せるツールです。発言するハードルは高くても、チャットに書き込むことなら多くの内定者が自然にできます。
社員側が積極的にチャットに書き込むことで、内定者も反応しやすい雰囲気が生まれます。チャットのお題例としては「出身地を書いてください」「今日楽しみにしていることは?」「入社したらやってみたいことは?」など、正解がないカジュアルなものが盛り上がりやすいです。司会・ファシリテーターがチャットの内容を適宜拾って読み上げることで、参加者全員が「自分も参加している」という感覚を持てます。
短時間・多構成のプログラム
オンラインでは集中力が持続しにくいため、1セッション20〜30分を目安にプログラムを分割することを推奨します。長い挨拶・講話が続く構成は、画面の前の内定者の離脱を招きやすくなります。
全体の開催時間は2〜3時間が目安です。代表挨拶(15〜20分)・会社説明(20〜30分)・先輩社員との座談会(30分)・内定者グループ交流(30分)・閉会(10分)のように、コンテンツを細かく区切り、内容のメリハリを作ることで参加者の集中が維持されます。
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開催中
当日の社員の振る舞い・演出が、内定者の「参加してよかった」という体験の質を大きく左右します。
ブレイクアウトルームでの少人数交流
Zoomなどのブレイクアウトルーム機能を活用し、4〜5名の少人数グループに分かれてフリートーク・自己紹介を行う時間を設けましょう。少人数になることで全員が発言できる環境が生まれ、同期との関係構築が一気に進みます。
ブレイクアウトルームには社員を1名ずつ配置し、会話のきっかけを作るファシリテーターとして機能させると効果的です。「最近ハマっていること」「大学で一番力を入れたこと」など、話しやすいテーマを事前に設定しておくことで、初対面同士でも自然に会話が生まれます。
社員の顔出しと笑顔
式に参加するすべての社員がカメラをオンにし、笑顔で内定者を迎える姿勢が、「この会社に歓迎されている」という内定者の実感を生みます。社員のカメラがオフのまま進む式は、内定者に「なんとなく冷たい」「歓迎されていない」という印象を与えるリスクがあります。
事前に参加する社員全員へ「カメラをオンにする・積極的に反応する・チャットに書き込む」という共通認識を共有しておくことが重要です。社員の温かい反応が、オンラインという制約を超えて「この会社に入ってよかった」という体験を生み出します。
画面越しの壁をなくす!オンラインとオフラインの一体感を醸成するハイブリッド開催ガイド
開催後
開催後のフォローが、内定者の「参加してよかった」という体験を完成させます。式が終わったあとも、丁寧な対応を続けましょう。
個別メッセージの送信
式終了後、できれば当日中に、担当者から内定者一人ひとりに個別メッセージを送りましょう。「今日はありがとうございました。〇〇さんの自己紹介、とても印象に残りました」のように、名前と具体的な内容を含めたパーソナライズされたメッセージは、「自分のことを見てくれている」という実感を生み、会社への信頼感と帰属意識を高めます。
全員一斉配信のお礼メールに比べて手間はかかりますが、内定辞退防止と入社後の定着に対するリターンは大きい施策です。
アーカイブ動画の限定公開
通信トラブルで式の一部を見逃した内定者・体調不良で欠席した内定者のために、録画したアーカイブ動画をパスワード付きURLで限定公開することを推奨します。「欠席しても後から見られる」という安心感が、欠席者への丁寧な対応として伝わります。
公開する際は視聴可能期間を明示すること(例:1週間限定)、録画・スクリーンショットの禁止を案内文に明記することを忘れずに行いましょう。
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オンライン内定式の配信環境構築・当日の運営スタッフ手配・ハイブリッド対応など、準備から本番まで多くの専門知識と工数が必要です。ブイキューブでは、企業のオンラインイベント・内定式の開催を幅広くサポートしています。ライブ配信システムの提供から当日の技術スタッフの常駐まで、自社のニーズに合わせた柔軟なプランをご提案しています。「何から相談すればいいかわからない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ

本記事では、オンライン内定式の概要・メリット・デメリット・実施方法・成功のコツ・他社事例を解説しました。要点を以下に整理します。
- オンライン内定式は内定者の参加コスト削減・企業のコスト効率向上・ITブランドの提示という3つの強みを持つ
- 一方で「空気感の伝わりにくさ」「交流の難しさ」「通信トラブルリスク」というデメリットへの対策設計が不可欠
- システムは「ライブ配信型(大規模・一方向)」と「Web会議型(中小規模・双方向)」から自社の目的に合わせて選ぶ
- 成功のカギは「準備(マニュアル・服装・髪色・ネイルの案内・リマインド)」「企画(参加型・チャット活用・短時間多構成)」「開催中(顔出し・ブレイクアウト)」「開催後(個別メッセージ・アーカイブ)」の4フェーズをしっかり設計すること
- 他社事例を参考に、自社の内定者層・規模・目的に合ったオンライン内定式を設計することが重要
オンライン内定式は設計の質が内定者体験を左右します。準備と企画に不安がある場合は、専門会社への相談も有効な選択肢として検討してみてください。