2022年10月17日

Photon VoiceやAgoraを活用したメタバース空間上での音声通話・映像配信の構築

Agoraの導入事例でメタバースでの利用が増えてきました。メタバースのシステムを支える技術としては映像・音声の送受信、3D環境の構築、ARやVR、NFT、IoT等が考えられます。要素としてはクライアントアプリ、ユーザー管理サーバー、コンテンツ管理サーバーがあげられます。

この記事ではUnityでのメタバースアプリケーションの音声通話・映像配信部分について解説します。

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Photon Voiceの概要

Photon VoiceはUnityで作られたXR向けのボイスチャットサービスになります。

サーバーとクライアント用のSDKが提供されており、サーバーは世界各地にホスティングし低レイテンシのボイスコミュニケーションサービスを実現できます。

公式情報についてはこちらをご参照ください。SDKはUnity Asset Storeにも公開されています。

Agoraの概要

Agoraは独自プロトコルでの音声通話・映像配信を簡単に実現できるPaaSとなっています。最近ではCPaaS(Communications Platform as a Service)と表現される場合もあります。クライアント側のSDKを提供し、かつ、豊富なサンプルが公開されていますので開発期間やコストを軽減できます。また、SDKには音声通話や映像配信に必要なAPIが多数用意されており、機能追加も積極的に実施されています。日本国内では30ms〜200msの低レイテンシを実現しています。SDKはUnity Asset Storeにも公開されています。

音声通話・映像配信技術選定のポイント

配信技術については前述のPhoton VoiceやAgora以外にもIVSやChime、Azureなどたくさんのプラットフォームがあります。選定して1つに絞る必要がありますが、開発終盤に実は要件を満たしていないプラットフォームであれば0から作り直しという羽目に陥ります。参考としては、以下のポイントを確認すればよいかと思います。

  • 動作環境
  • 同時視聴数などの制限事項
  • 対応言語(フレームワーク)
  • サポート有無
  • サンプルコード有無
  • トライアル有無

トライアルがあれば最低限のプロトタイプを作成し、要件を満たせているか確認する事をおすすめします。

また、メタバース空間でシアタールームのような機能を提供するケースもあるかと思います。Photon Voiceは音声配信に特化している為、将来的に映像をメタバース空間で配信する予定がある場合は音声も映像も対応しているAgoraを採用していただいたほうがよいかと思います。

実装例

SDKを利用すれば簡単に配信と視聴部分が実装できます。以下はAgoraの実装例です。数行のコードで実装可能な為、配信以外の機能開発に時間をさくことができます。

using agora_gaming_rtc;

IRtcEngine mRtcEngine = IRtcEngine.getEngine(appId);
mRtcEngine.EnableVideo();
mRtcEngine.EnableVideoObserver();
mRtcEngine.JoinChannel(channel, null, 0);
VideoSurface remoteVideoSurface = go.AddComponent ();

録音

メタバース空間上で何かしらのトラブルが発生したり、秩序を保つには運営側で通話内容を録音する必要が出てくる場合もあります。

Agoraではオンプレミス型の録画SDKと、クラウド型の録画を提供しています。オンプレミス型の場合は、自社のサーバーにアプリを組み込み録画します。クラウド型はAgoraのサーバーで録画プロセスが動き、最終的に自社で用意していただくクラウドストレージに転送されます。S3やAzure、GCP等に保存可能です。

音声技術

音声に対する品質も非常に重要です。スマホでは通話用とメディアプレイヤー用の音声システムを持っており、利用用途やシーンによってはチューニングする必要があります。

Agoraは音声についても多くのAPIを提供しています。以下が一部の例になります。

  • 利用シーンに合わせた最適化
  • 音声美化
  • 音声エフェクト
  • AIノイズキャンセル

ストレスの無い音声を視聴者に届ける事でユーザー満足度が向上する場合もあります。また、メタバースに有効な空間オーディオ機能もリリースされました。今後は文字起こしの機能も追加予定となっています。

Agoraの導入事例

国内

株式会社アンビリアル 様

バーチャルな空間で、3Dアバターでカラオケ歌い放題。低遅延で双方向性のサービスを提供。

株式会社ビフロスト 様

バーチャル空間でのイベント開催において優れたファンエンゲージメントを実現。

株式会社ハシラス 様

膨大な人数が同時参加するバーチャル空間でユーザー同士が会話を交わすことが可能に。

クラスター株式会社 様

メタバースプラットフォーム「cluster」で画面共有を可能に

海外

HTC 様

HTC VIVE Sync VR アプリは、現実世界と仮想世界の間のギャップを Agoraのリアルタイム ストリーミングで埋めています。

SuperGaming 様

モバイルゲームのSilly Royaleは、Agora を利用したボイスチャットを追加した後、リテンションとセッションの長さが 300% 増加しました。

Bunch 様

Bunch アプリを使用すると、物理的に離れていても、お気に入りのマルチプレイヤー ゲームを一緒にプレイしながら、友達と音声またはビデオ チャットを行うことが可能。

最後に

この記事では音声通話・映像配信の概要を解説しました。V-CUBEが開催しているセミナーではもう少し詳細な内容や小ネタを紹介していますので是非ご参加ください。

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藤本 諭志

執筆者藤本 諭志

株式会社ブイキューブ 技術本部 Agora担当。 2007年ブイキューブ入社。 自社開発サービスであるV-CUBE セミナーの開発に携わる。現在はAgoraとTencent Cloudのプロダクト担当SEをしている。 スキル:Docker/AWS/Linux/DB/Ruby/PHP/JavaScript

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