展示会の準備/出展5〜6ヶ月前

出展が決まったら、まず最初にすべきことは「何のために出展するのか」「いつまでに何をするのか」を明確にすることです。この時期に基盤となる意思決定を固めておくことが、その後の準備をスムーズに進める鍵になります。スケジュールの全体像もここで設計しましょう。
出展目的と目標(KPI)の設定
展示会出展の第一歩は、「なぜ出展するのか」を明文化することです。目的が曖昧なまま準備を進めると、ブースデザインも集客も判断基準がブレて、終わってみれば「出展が意味なかった」という結果になりがちです。
KGI(最終目標)の例としては、「新規リード獲得数50件」「商談創出数10件」「製品認知度の向上」などが挙げられます。KPI(中間指標)は「ブース来場者数」「名刺獲得枚数」「アンケート回収率」「その場でのデモ実施件数」などで設定するのが一般的です。
目的と目標を数値化することで、ブースの見せ方・配布物の内容・スタッフの接客方針といった後続の準備判断がすべて一貫したものになります。
「出展して終わり」にしないための数値設計。イベント成果を最大化するKPI設定・活用ガイドはこちら
展示会の選定と申し込み手続き
出展する展示会を選ぶ際は、以下の観点を参考に情報収集を行いましょう。
- ターゲット来場者層との合致:展示会の来場者属性(業種・職種・規模)が自社のターゲットと重なっているか
- 規模・集客力:過去の来場者数・出展社数・メディア露出の実績
- 競合の出展状況:競合他社が出展しているか、そのポジショニングはどうか
- 費用対効果:ブーススペース費用・出展関連費用と期待リード数のバランス
人気の展示会はブーススペースの申込受付開始から早期に埋まるケースがあるため、出展したい展示会が決まったら早めに事務局へ確認・申込を行いましょう。
出展までのスケジュール設計
開催日から逆算して、準備の全体スケジュールを設計します。スケジュールテンプレートを活用することで、担当者間での認識共有がしやすくなります。以下は主要マイルストーンの目安です。
- 5〜6ヶ月前:出展申込・目的設定・スケジュール確定
- 3ヶ月前:コンセプト確定・施工会社決定・配布物制作開始
- 1〜2ヶ月前:集客告知開始・スタッフ決定・申請手続き
- 2週間前:リマインド送付・持ち物確認・最終オペレーション確認
- 前日〜当日:搬入・設営・本番
- 会期後:フォロー・振り返り
このスケジュールを社内で共有し、担当者ごとのタスクと期限を明確に割り振ることが、準備の遅れを防ぐコツです。
展示会の準備/会期3ヶ月前

3ヶ月前は「ブースをどう見せるか」「何を配布するか」の具体化フェーズです。この時期に施工会社・配布物制作の発注先を確定しないと、スケジュールが後倒しになり、品質やコストに悪影響が出ます。
出展のコンセプトの決定
ブースのコンセプトとは「誰に・何を・どう伝えるか」の一文で表せるメッセージのことです。たとえば「中堅製造業の現場DXを体験できるブース」のように、来場者が遠くから見ても「自分ごと」として感じられるコンセプトを設定します。
コンセプトが定まることで、ブースのキャッチコピー・デザイン・展示内容・スタッフのトーク・配布物のメッセージがすべて一貫したものになります。逆にコンセプトがブレたままだと、来場者には「何を売りたい会社かわからない」という印象を与えてしまいます。
来場者の足を止める「刺さる」メッセージの作り方。人を動かすコンセプトと企画の作り方はこちら
ブースデザイン・施工会社の手配
施工会社を選ぶ際は以下の観点を確認しましょう。
- 過去の展示会でのブース施工実績
- デザイン提案力(自社のコンセプトを形にしてくれるか)
- 費用の透明性(見積もりに搬入出作業費・廃材処理費が含まれているか)
- 展示会会場との取引実績(スムーズな搬入出が期待できるか)
人気の施工会社は3〜4ヶ月前には予約が埋まり始めるため、遅くとも3ヶ月前には依頼先を確定させましょう。ブースデザインで意識したいポイントは、遠くからの視認性(高さのあるサイン・目を引くカラー)、来場者が自然に立ち寄れる開放的な動線設計、そしてコンセプトとの一貫性です。
良いパートナー選びが成功の5割を決める。失敗しないための「外注活用」ガイドはこちら
配布物・ノベルティの制作
配布物と社名入りノベルティは印刷・制作に時間がかかるため、3ヶ月前にはデザインを確定させることが理想です。
配布物の種類と役割の目安は以下のとおりです。
- 会社案内・製品パンフレット:ブランドと製品概要を伝えるメイン資料
- 事例集・導入実績資料:商談フェーズを進める説得力のある資料
- 名刺サイズのカード・QRコードシート:WebサイトやLPへの誘導
- ノベルティ:ブース来場の動機づけとブランド記憶の定着に貢献
ノベルティは「もらって嬉しい・使えるもの」を基準に選びましょう。ターゲットが現場エンジニアであれば実用的な文具、経営層であれば品質感のあるアイテムなど、来場者像と合致したものを選ぶことが重要です。
展示会の準備/会期1〜2ヶ月前

いよいよ準備が本格化するフェーズです。集客告知・スタッフ準備・搬入出の申請という複数のタスクが同時に走るため、スケジュール管理を徹底しましょう。
スタッフの選定とシフト作成
展示会当日のスタッフ配置は、ブースの成果に直結します。必要なスタッフ数はブース規模によって異なりますが、「接客担当」「名刺・アンケート管理」「誘導・呼び込み」の役割を明確に分けることが基本です。
事前に行うべき準備として以下が挙げられます。
- 製品・サービスの基本知識の共有
- 想定Q&Aとスタッフトークスクリプトの作成
- アンケート用紙・名刺の扱い方の統一
- 来場者に聞くべきヒアリング項目の確認(課題・検討時期・決裁権の有無)
1〜2日間という限られた時間の中で最大限の成果を出すために、事前のトレーニングと役割分担の徹底は欠かせません。
集客施策と告知(招待状・SNS)
展示会への集客は「待つ」ではなく「自ら呼ぶ」姿勢が重要です。以下のチャネルを組み合わせて告知を進めましょう。
- 招待状の送付:既存顧客・見込み顧客・休眠顧客に向けて、展示会の招待状をメール・郵送で送付する。「あなたのために案内しています」という個別感を意識した文面にすると来場率が上がる
- メールマーケティング:複数回にわたる配信と開封率のモニタリングを行い、未開封者には件名や文面を変えた再送を検討する
- SNS告知:X(Twitter)・LinkedInなどでブース番号・見どころ・特典情報を発信する
- 展示会公式サイトへの出展者情報登録:来場者が事前に「会いたいブース」を探す際の導線になる
搬入出の手配と電気・回線工事の申請
展示会の運営事務局への各種申請には締切があり、見落としが多い項目のひとつです。以下を期限内に手配・申請しましょう。
- 電気工事の申請:使用電力量・コンセント位置の届出
- インターネット回線の申請:有線LAN・Wi-Fiの引き込み手続き
- 搬入出車両の申請:搬入出可能日時・車両サイズの届出
- 搬入出業者の手配:会場への持ち込み・持ち出しを担当する業者との日程調整
これらは展示会事務局から届く「出展者ガイド」に手続き一覧が記載されていることが多いため、届いたらすぐに確認してスケジュールに組み込みましょう。
紹介資料・リーフレットの用意
展示会当日の商談では、来場者の課題に応じた複数パターンの資料を使い分けられるように準備しておくと商談の質が高まります。
- 初回接触向け:会社・製品の概要を1〜2ページで伝えるサマリー資料
- 課題別・業種別:来場者の業種や課題に合わせた提案資料
- 導入実績・事例集:類似企業の成功事例を示す信頼構築のための資料
- 価格・プラン表:商談が進んだ場合に手渡せる見積もりベースの資料
リーフレットや資料は印刷の最終確認(誤字・QRコードの動作確認・連絡先の正確性)を必ず行いましょう。
展示会の準備/会期2週間前〜当日

会期直前のこの時期は「確認と仕上げ」のフェーズです。新たなタスクを増やすのではなく、準備の完成度を高めることに集中しましょう。
招待の最終リマインドの送付
開催1週間前を目安に、招待済みの顧客・見込み客へリマインドメールを送付します。このひと手間が当日の来場率を大きく左右します。
リマインドメールに盛り込む要素として、以下を参考にしてください。
- ブース番号・会場フロアマップ
- 展示会の日時・アクセス情報
- 「ぜひ〇〇様とお話ししたい」という個別感のある一文
- 事前アポイント受付フォームのURL(設定している場合)
前回メールを開封していない相手には、件名を変えて再送することも有効です。
当日オペレーションの確認
会期2〜3日前には、スタッフ全員が集まる最終確認ミーティングを実施します。当日を成功させるコツは、「誰が・何を・いつ・どこで行うか」を曖昧にしないことです。
確認すべき主な項目は以下のとおりです。
- タイムスケジュール(開場時間・セッション時間・撤収開始時間)
- スタッフの配置と交代タイミング
- 名刺・アンケート用紙の管理方法と回収ルール
- トラブル発生時の緊急連絡先と対応フロー
- 来場者へのデモ・説明の担当者とトーク確認
抜け漏れを防ぎ、現場の混乱をゼロにする。イベント当日準備マニュアルをダウンロードする
展示機材のパッキングと持ち物リストチェック
搬入前日までに持ち物のチェックリストを使い、展示機材・販促物・事務用品をすべて確認します。カテゴリ別の持ち物の例は以下のとおりです。
展示・設営物
- バナースタンド・パネル
- タブレット・デモ用PC
- テーブルクロス・什器
- 延長コード・電源タップ
販促物・配布物
- リーフレット・パンフレット(多めに用意)
- 名刺(スタッフ全員分)
- ノベルティ
- アンケート用紙・筆記具
事務用品
- 名刺ホルダー・クリアファイル
- 養生テープ・はさみ・ガムテープ
- 筆記具・メモ帳
- 会場Wi-Fi情報・緊急連絡先シート
ブースの最終設営と導線確認
搬入・設営が完了したら、必ず「来場者の目線でブースを歩いてみる」ことを実践しましょう。確認ポイントは以下のとおりです。
- ブース遠くから見て、社名・キャッチコピーが読みやすいか
- 来場者がスムーズにブース内に入れる開放的な動線か
- 資料・ノベルティが手に取りやすい配置か
- スタッフが接客しやすい立ち位置が確保されているか
- 照明・電源の位置は問題ないか
気になる点はこの段階で修正し、万全の状態で本番に臨みましょう。
展示会の準備/会期後

展示会の本当の成果は「閉幕後に何をするか」で決まります。会期中に獲得したリードを商談・成約につなげるための動きを、できる限り早く始めましょう。
お礼メールと商談フォロー
会期終了後48時間以内を目安に、ブース来場者全員へお礼メールを送付します。早いフォローほど「熱量が高いうちに」アプローチできるため、商談化率に大きな差が出ます。
名刺・アンケート情報をもとにリードを以下のように分類し、優先度の高い層から順にアプローチします。
- A:その場で商談意欲を示した来場者 → 翌営業日以内に電話・メールでアポ打診
- B:課題は持つが検討初期段階の来場者 → お礼メールにコンテンツ(事例集・ホワイトペーパー)を添付してナーチャリング
- C:情報収集目的の来場者 → メールマガジンへの登録を促し、中長期的な関係を育てる
出展成果の整理と振り返り
会期終了後1〜2週間以内に、スタッフ全員で振り返りミーティングを実施します。「出展が意味なかった」という評価を繰り返さないためにも、成果と課題を客観的に記録し、次回の改善計画に落とし込むことが重要です。
振り返りの軸は以下の3点です。
- KPIとの比較:目標に対して実績はどうだったか(名刺獲得数・商談創出数など)
- 現場スタッフの気づき:接客で感じたこと・来場者からよく受けた質問・ブース設計への意見
- 来場者アンケートの分析:自社製品・サービスへの関心度・認知経路・課題の傾向
振り返り内容はドキュメントとして保存し、次回出展の企画書や担当者引き継ぎ資料として活用しましょう。
展示会準備でよくある失敗と対策

展示会への出展経験がある担当者が「意味なかった」「次はこうすればよかった」と感じる場面には、共通したパターンがあります。以下に代表的な失敗と対策をまとめます。
- 目的・KPIを設定しないまま出展した
→ 対策:出展申込と同時に「何のために出るか」「何をもって成功とするか」を数値で定義する。ゴールがなければ準備の方向性も事後の評価もできない
- 集客告知を直前まで行わなかった
→ 対策:招待状の送付は遅くとも1〜2ヶ月前。SNS告知は複数回に分けて行う。事前アポ設定数を集客KPIとして設ける
- ブースコンセプトが定まっていなかった
→ 対策:来場者視点で「このブースは自分に関係がある」と感じさせるコンセプトを1文で定義してから、デザイン・配布物・トークを設計する
- 事後フォローが遅れ、リードが冷めてしまった
→ 対策:会期終了翌日には少なくともお礼メールを送付。優先度の高いリードには翌営業日中にアポ打診を行う
- 振り返りをしないため毎回同じ失敗を繰り返す
→ 対策:スタッフ振り返りMTGをあらかじめ日程に組み込み、定例化する。記録を次回の改善計画書として残す
企業イベント開催支援はお任せください

展示会の準備は膨大なタスクが長期間にわたって発生するため、社内リソースだけで対応しようとすると担当者の負荷が限界に達することも少なくありません。ブイキューブでは、展示会をはじめとする企業イベントの企画・準備から当日運営・事後フォローまで、幅広く支援しています。「何から相談すればいいかわからない」という段階でも、ぜひお気軽にお問い合わせください。
プロのノウハウで展示会を成功へ。お気軽にご相談ください。
まとめ

本記事では、展示会準備のスケジュール別手順とやることリストを解説しました。要点を以下に整理します。
- 展示会準備は開催の5〜6ヶ月前から始め、目的・KPIの設定とスケジュール設計を最初に行う
- 3ヶ月前にブースコンセプト・施工会社・配布物を確定させ、1〜2ヶ月前から集客告知・申請手続きを進める
- 直前は持ち物チェックリストと当日オペレーションの最終確認に集中する
- 会期後48時間以内のお礼・フォローが商談化率を左右する最重要アクションである
- 振り返りとKPI検証を次回の改善計画に反映させることで「意味のある出展」が積み重なっていく
展示会は準備と事後フォローの質で成果が大きく変わります。社内リソースに限界を感じている場合は、専門会社への相談も検討してみてください。