ビデオ・ボイスチャット
WebRTCの進化によってオンラインでのリアルタイムな映像・音声送受信の低遅延化が加速しています。友人とオンラインでゲームを楽しむ場合や、eスポーツのオンラインレッスンには必要な技術要素になります。以下のようなゲームを例に考えてみます。
すごろく:
黙々とすごろくを画面で遊んでいても物足りなさを感じます。ビデオ・ボイスチャットを導入することで没入感が増してユーザーの満足度が良くなると思われます。プレイヤーの位置によって立体的に音声が聞こえるというのもおもしろそうです。空間オーディオ機能が搭載されたPaaSを採用すれば実装が簡単になります。
だるまさんがころんだ:
誰もが子供の頃に遊んだ事があると思います。これをオンライン化する場合にはおなじみの掛け声をリアルタイムにプレイヤーに伝える必要があります。これも空間オーディオを活用すると臨場感が増します。
お絵描きクイズ:
ボイスチャットが無くても成立しますが、音声コミュニケーションがあったほうが盛り上がります。
リバーシ(オセロ):
対局者映像と盤面の状況を見ながら、リアルタイムで勝敗予想するゲームはどうでしょうか。
>実装ブログ
※『オセロ』は株式会社オセロが保有する登録商標です。
eスポーツのオンラインレッスン:
一般的なビデオ通話アプリの機能があれば基本的には事足りるかもしれません。ですが、細かく掘り下げていくと、手元カメラと顔のカメラを同時に写す等の専門的な要件が発生する場合もあります。既存のZoomやTeamsでは足りていない場合ではPaaSを活用して専用のレッスンアプリを構築する事でユーザーの満足度があがると思われます。
その他にもMMORPGやオープンワールドでのゲームにもビデオ・ボイスチャットは重要な機能になると考えられます。よりエンタメ性を高めるのであれば、アバターでユーザーがゲームに参加するという機能も魅力的です。
活用できるPaaSとしてはAgoraのVideoSDK、Tencent CloudのTRTCやGMEが挙げられます。アバターについてはTencent CloudのEffectSDKが挙げられます。
ライブ配信
ライブ配信ではWebRTCかHLS方式での配信が考えられます。オンライン対戦をそのゲームアプリ経由で配信したり、画面共有機能を使って配信するというサービスが考えられます。以下のようなゲームやサービスを例に考えてみます。
声劇:
キャラクターになりきって映像や画像に声をのせて楽しむサービスです。ロールとしては演者側と視聴者に分かれます。演者側に求められる機能としてはリアルタイムなボイスチャットなのでWebRTCがおすすめです。視聴側は多少の遅延が許容されるので大規模な配信にも耐えれるHLSがおすすめです。ノベルゲームと声劇を組み合わせてもおもしろいかもしれません。キャラクターもアバターで動かすとより自由度があがりそうです。
ゲーム実況:
ゲーム本体ではありませんが、関連するサービスとしてゲーム実況アプリがあります。基本的な技術としては画面共有と音声の配信になります。スマートフォンでの画面共有はiOSとAndroidで仕様が異なり実装難易度が高いものとなっていますが、Agoraではスマートフォンでの画面共有のサンプルコード(iOS | Android)も提供されています。
カラオケバトル:
お題の楽曲を歌って視聴者に判定してもらうアプリです。同時進行で歌って、視聴者がどちらか好きなほうに投票するといった機能が考えられます。曲をチャンネルに流し込む機能と歌う人はリアルタイムに映像・音声を送受信できる必要があります。視聴者はHLSでもWebRTCでもよいかと思います。
活用できるPaaSとしてはAgoraのVideoSDK、Tencent CloudのTRTCやGME、CSSが挙げられます。
メタバース
ゲーム業界にもメタバースが浸透してきました。リアルタイムなコミュニケーションとゲームの融合はどんどん拡大していくと予想されます。以下のようなゲームやサービスを例に考えてみます。
オンラインゲームセンター:
リアルなコインゲームやUFOキャッチャーをリモートから操作して楽しめるサービスが増えてます。単体でのサービスが多く見られますが、ゲームセンターをメタバース空間で表現するとユーザー体験も向上しそうです。リモートでの操作にはリアルタイム性が求められるのでWebRTCでの映像受信が想定されます。
>【事例】オンラインクレーンゲーム
バトルロワイヤル:
バトルロワイヤル系では端末スペックへの要求が年々高まっています。ユーザー側には対応する端末への更新が求められますが、クラウドレンダリングの技術を活用すると、処理能力が求められるアプリをクラウド上で実行し、ブラウザを通してその画面にアクセスする事が可能です。手元の端末のスペックが低くてもリッチな体験が実現できます。
WebRTCで活用できるPaaSとしてはAgoraのVideoSDK、Tencent CloudのTRTCが挙げられます。リッチな映像や動きのライブ配信に対応するにはTencent CloudのCAR(Cloud Application Rendering)の活用が考えられます。
最後に
Agoraには豊富なサンプルコード、Tencent Cloudにはテストツールやアンチチート機能の提供があります。ゲーム開発の工数短縮、品質向上にPaaSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。