2023年08月16日

AgoraとAmazon Chime SDKの比較

配信・通話ができるサービスやアプリを検討している中で、配信・通話機能を簡単に追加できる「Agora SDK」と「Amazon Chime SDK」の違いを知りたい方がいるのではないでしょうか。

今回は、Agora SDK・Amazon Chime SDKの概要や違い、適した利用ケースをご紹介します。配信規模・開発環境・サポート・APIやオプション機能の違いについても具体的に解説しますので参考にしてください。


【こんな方におすすめ】
・アプリ開発の技術者
・技術選定しているアプリ開発の技術者
・配信、通話のサービスやアプリを検討している企画者、技術者
・自社のサービスに配信、通話の機能を追加したい企画者、技術者

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Agora SDKの概要

Agoraは、リアルタイムの映像・音声・メッセージの送受信を可能にする、配信・通話アプリの開発者用プラットフォーム(PaaS)です。配信用サーバーは不要で、クライアント側の実装だけで、通話やライブ配信アプリを低コストで開発・運用できます。
また、映像/音声に関するオプションも豊富に用意されていて、収益増につながるような配信が可能です。

Agoraは独自の配信方式(SD-RTN)によって、WebRTCのような低遅延・双方向性の高い通話と、HLSのような大規模配信の両方を実現しています。

Amazon Chime SDKの概要

Amazon Chime SDKは、リアルタイムの映像・音声・メッセージ・画面共有を、ウェブまたはモバイルアプリケーションにすばやく追加できる、リアルタイム通信コンポーネントです。

1万人の視聴者にリアルタイムに配信ができます。全員がWebRTCを使用しているため、配信側と視聴側に遅延が発生しません。

agora_chime

画像引用:Amazon Chime SDK 公式サイト

AgoraとAmazon Chime SDKの比較表

AgoraとAmazon Chime SDKの違いを、以下の表にまとめました。

 

 

Agora

Amazon Chime SDK

従量課金料

利用分数課金

利用分数課金

サポート

対面打合せ、メール、チャットチケット、FAQ、Qiita

AWSのサポート、FAQ
配信技術
SD-RTN (Agora独自)
WebRTC (SFU)
参加可能人数(配信側)
17人 (申請で128人まで対応可)
50人
参加可能人数(視聴側)
1,000,000人
250人/10,000人
対応プラットフォーム
iOS/Android/
Mac/Windows/Web
iOS/Android/Web
対応フレームワーク
Electron/Unity/React Native/Flutter

付帯・オプション機能

画面共有
Dual Stream
CDN連携
メッセージング(RTM)
録画・録音機能
品質モニタリング(AA)
ホワイトボード
画面共有
サイマルキャスト
メッセージング
録画・録音機能
音声強化
PSTN
SIP 電話

ドキュメントの言語

英語、中国語
英語、日本語

サーバ所在地

日本含む世界に200ヶ所以上
(地域を絞り込むことが可能)
日本含む世界に140ヶ所以上
(地域を絞り込むことが可能)
稼働率
99.99%実績
99.9%保証

API・オプション機能の違い

AgoraとAmazon Chime SDKで利用可能なAPI・オプション機能のうち、共通する機能に関しては表にまとめてご紹介します。

 

 

Agora

Amazon Chime SDK

送信モード
Dual Stream:低・高画質複数送信
サイマルキャスト:webのみ、低・高画質複数送信
画面共有

話者の検知

入室・退室のイベント取得
Amazon EventBridgeを利用
背景合成
webのみ
メッセージング
RTM:チャット・ユーザ制御・ステータスの取得・着信・投げ銭など可能

チャットや制御が可能

録画・録音
3rdパーティーのクラウドストレージを利用することで、個別・複合・webページの録画や録音が可能
Media Pipelines:Amazon S3との連携
音声強化
AI Denoiser:beta版で提供中
Amazon Voice Focusを利用

 

その他、API・オプション機能は以下のような機能が提供されています。

【AgoraのAPI・オプション機能】
・画質の切り替え
・ネットワーク・端末情報の取得
・BGMと音声のミックス
・映像加工(美白フィルター)
・ボイスチェンジャー
・360度サラウンディング音声
・CDN連携:RTMP/RTMPSに変換し、CDN連携することにより、YouTubeなどでの配信が可能
・品質モニタリング(Agora Analytics):リアルタイムな品質モニタリングによって、早急の問題発見と原因調査が可能
・ホワイトボード:双方向での図や文字などの書き込みが可能

API・オプション機能については、こちらのページをご覧ください。

【Amazon Chime SDKのAPI・オプション機能】
・PSTN:AWS Lambdaを利用
・SIP 電話
・文字起こし:Amazon Transcribeを利用

配信規模の違い

AgoraとAmazon Chime SDKは、配信規模に違いがあります。

Agoraの参加可能人数は、配信側が17人(申請で128人、表示は50人)で、視聴側が100万人まで対応できます。ホストとオーディエンスの入れ替えも可能です。

また、Agoraはパケットロスにも耐久性があり、パケット間でのデータ補完や再送機能で高いパケットロスに対応できます。一般的なWebRTCではパケットロスが30%を超えるとビデオ通話に支障が出てきますが、Agoraはパケットロスが80%でも音声通話を可能とします。

※パケットロスとは、ネットワークの通信量が増加し、ネットワーク機器の処理能力を超えた場合、送受信しようとしたパケットが消えてしまうこと。

>【記事】パケットロス(パケロス)とは?

一方、Amazon Chime SDKの参加可能人数は、配信側が50人(表示は25人)で、視聴側が250人/1万人まで対応可能です。WebRTCのSFU方式にて、1セッション250人まで、最大40セッション複製することで1万人までの参加を可能とします。

開発環境の違い

Agoraの開発環境は、他社にはないプラットフォームにも対応しており、要件にあった開発環境を選択することができます。一方、Amazon Chime SDKは主要な開発環境が提供されています。

【Agoraの開発環境】
・WEB:Google Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge
・ネイティブ:Android、iOS、MacOS、Windows
・クロスプラットフォーム:Unity、React Native、Flutter、Electron、Cocos

【Amazon Chime SDKの開発環境】
・WEB:Google Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge、Opera
・ネイティブ:Android、iOS、MacOS

Agoraのサンプルやドキュメントは以下からご覧いただけます。
>クイックスタート

サポートの違い

Agoraの日本総代理店である株式会社ブイキューブでは、他のビデオ通話の製品も取り扱っていることから、質の高いサポートを受けられます。

・技術サポート: 仕様から不具合調査まで幅広く対応
・FAQ:ヘルプセンターにて、実際の問い合わせ内容から記事が掲載
・GitHub:様々な機能のサンプル提供
・Blog:開発者ブログにて、実装例やサンプルコードを確認可能
・Qiita:ブイキューブ技術者より情報発信
・Demo:その場で試せるデモの提供

Amazon Chime SDKは、以下のようなサポート内容です。
・AWSサポート: Chime SDKのみの提供はなし
・FAQ:FAQページに一般的な内容が掲載
・GitHub:基本機能・他AWSサービス連携のサンプル提供

AgoraかAmazon Chime SDKか。適した利用ケースは?

AgoraとAmazon Chime SDKのどちらが自社に適しているかを判断したい方に向けて、それぞれの特徴とおすすめの方をご紹介します。

Agoraは、独自の通信技術により、リアルタイム性と安定性に強みを持ちます。また、APIやサンプルが豊富に提供されているため、WebRTCの知識を持ち合わせていない場合でもサービス構築が可能です。

【Agoraがおすすめの方】
・開発工数を最小限にしたい方
・ユーザのニーズに応える機能を入れたい方
・充実した技術サポートを受けたい方
・開発フェーズで無料枠があるので、低コストで十分な検証を実施したい方

Agoraは開発期間は無料で、利用時間10,000分/月まで利用可能です。
>Agoraの無料トライアル

Amazon Chime SDKは、AWSが提供しているサービスという信頼性があります。ただし、AWS SDK・AWSの他サービスの知識も必要です。また、Amazon Chime SDKは無料枠がないため、開発段階から費用が発生することも注意してください。

【Amazon Chime SDKがおすすめの方】
・AWSの他のサービスと連携したい方
・AWSのサービスで完結したい方
・限定的なビデオ通話をしたい方
・複雑な機能を必要としない方

まとめ|APIやサポートが充実したAgoraを導入するには

AgoraとAmazon Chime SDKの違いは、配信規模・開発環境・サポート・APIやオプション機能にあります。

サービスやアプリに合うSDKを選択することが必要です。
Agoraは無料トライアルが可能で、開発期間は無料で利用できるため導入前に仕様などを確認するのはいかがでしょうか。

ブイキューブはAgoraの日本総代理店です。Agoraの料金シミュレーションや詳しい内容を確認したい方は以下よりお問合せください。

>Agoraの料金シミュレーション、ご相談
>クイックスタート

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執筆者ブイキューブ

Agoraの日本総代理店として、配信/通話SDKの提供だけでなく、導入支援から行い幅広いコミュニケーションサービスに携わっている。

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