Agora SDKの概要
Agoraは、リアルタイムの映像・音声・メッセージの送受信を可能にする、配信・通話アプリの開発者用プラットフォーム(PaaS)です。配信用サーバーは不要で、クライアント側の実装だけで、通話やライブ配信アプリを低コストで開発・運用できます。
また、映像/音声に関するオプションも豊富に用意されていて、収益増につながるような配信が可能です。
Agoraは独自の配信方式(SD-RTN)によって、WebRTCのような低遅延・双方向性の高い通話と、HLSのような大規模配信の両方を実現しています。
Amazon Chime SDKの概要
Amazon Chime SDKは、リアルタイムの映像・音声・メッセージ・画面共有を、ウェブまたはモバイルアプリケーションにすばやく追加できる、リアルタイム通信コンポーネントです。
1万人の視聴者にリアルタイムに配信ができます。全員がWebRTCを使用しているため、配信側と視聴側に遅延が発生しません。
画像引用:Amazon Chime SDK 公式サイト
AgoraとAmazon Chime SDKの比較表
AgoraとAmazon Chime SDKの違いを、以下の表にまとめました。
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Agora
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Amazon Chime SDK
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従量課金料
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利用分数課金
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利用分数課金
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サポート
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対面打合せ、メール、チャットチケット、FAQ、Qiita
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配信技術
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参加可能人数(配信側)
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17人 (申請で128人まで対応可)
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参加可能人数(視聴側)
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対応プラットフォーム
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iOS/Android/ Mac/Windows/Web
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対応フレームワーク
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Electron/Unity/React Native/Flutter
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付帯・オプション機能
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画面共有
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メッセージング(RTM)
録画・録音機能
品質モニタリング(AA)
ホワイトボード
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メッセージング
録画・録音機能
音声強化
PSTN
SIP 電話
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ドキュメントの言語
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サーバ所在地
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日本含む世界に200ヶ所以上
(地域を絞り込むことが可能)
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日本含む世界に140ヶ所以上
(地域を絞り込むことが可能)
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API・オプション機能の違い
AgoraとAmazon Chime SDKで利用可能なAPI・オプション機能のうち、共通する機能に関しては表にまとめてご紹介します。
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Agora
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Amazon Chime SDK
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送信モード
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画面共有
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話者の検知
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入室・退室のイベント取得
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背景合成
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メッセージング
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RTM:チャット・ユーザ制御・ステータスの取得・着信・投げ銭など可能
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チャットや制御が可能
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録画・録音
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3rdパーティーのクラウドストレージを利用することで、個別・複合・webページの録画や録音が可能
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Media Pipelines:Amazon S3との連携
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その他、API・オプション機能は以下のような機能が提供されています。
【AgoraのAPI・オプション機能】
・画質の切り替え
・ネットワーク・端末情報の取得
・BGMと音声のミックス
・映像加工(美白フィルター)
・ボイスチェンジャー
・360度サラウンディング音声
・CDN連携:RTMP/RTMPSに変換し、CDN連携することにより、YouTubeなどでの配信が可能
・品質モニタリング(Agora Analytics):リアルタイムな品質モニタリングによって、早急の問題発見と原因調査が可能
・ホワイトボード:双方向での図や文字などの書き込みが可能
API・オプション機能については、こちらのページをご覧ください。
【Amazon Chime SDKのAPI・オプション機能】
・PSTN:AWS Lambdaを利用
・SIP 電話
・文字起こし:Amazon Transcribeを利用
配信規模の違い
AgoraとAmazon Chime SDKは、配信規模に違いがあります。
Agoraの参加可能人数は、配信側が17人(申請で128人、表示は50人)で、視聴側が100万人まで対応できます。ホストとオーディエンスの入れ替えも可能です。
また、Agoraはパケットロス※にも耐久性があり、パケット間でのデータ補完や再送機能で高いパケットロスに対応できます。一般的なWebRTCではパケットロスが30%を超えるとビデオ通話に支障が出てきますが、Agoraはパケットロスが80%でも音声通話を可能とします。
※パケットロスとは、ネットワークの通信量が増加し、ネットワーク機器の処理能力を超えた場合、送受信しようとしたパケットが消えてしまうこと。
>【記事】パケットロス(パケロス)とは?
一方、Amazon Chime SDKの参加可能人数は、配信側が50人(表示は25人)で、視聴側が250人/1万人まで対応可能です。WebRTCのSFU方式にて、1セッション250人まで、最大40セッション複製することで1万人までの参加を可能とします。
開発環境の違い
Agoraの開発環境は、他社にはないプラットフォームにも対応しており、要件にあった開発環境を選択することができます。一方、Amazon Chime SDKは主要な開発環境が提供されています。
【Agoraの開発環境】
・WEB:Google Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge
・ネイティブ:Android、iOS、MacOS、Windows
・クロスプラットフォーム:Unity、React Native、Flutter、Electron、Cocos
【Amazon Chime SDKの開発環境】
・WEB:Google Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge、Opera
・ネイティブ:Android、iOS、MacOS
Agoraのサンプルやドキュメントは以下からご覧いただけます。
>クイックスタート
サポートの違い
Agoraの日本総代理店である株式会社ブイキューブでは、他のビデオ通話の製品も取り扱っていることから、質の高いサポートを受けられます。
・技術サポート: 仕様から不具合調査まで幅広く対応
・FAQ:ヘルプセンターにて、実際の問い合わせ内容から記事が掲載
・GitHub:様々な機能のサンプル提供
・Blog:開発者ブログにて、実装例やサンプルコードを確認可能
・Qiita:ブイキューブ技術者より情報発信
・Demo:その場で試せるデモの提供
Amazon Chime SDKは、以下のようなサポート内容です。
・AWSサポート: Chime SDKのみの提供はなし
・FAQ:FAQページに一般的な内容が掲載
・GitHub:基本機能・他AWSサービス連携のサンプル提供
AgoraかAmazon Chime SDKか。適した利用ケースは?
AgoraとAmazon Chime SDKのどちらが自社に適しているかを判断したい方に向けて、それぞれの特徴とおすすめの方をご紹介します。
Agoraは、独自の通信技術により、リアルタイム性と安定性に強みを持ちます。また、APIやサンプルが豊富に提供されているため、WebRTCの知識を持ち合わせていない場合でもサービス構築が可能です。
【Agoraがおすすめの方】
・開発工数を最小限にしたい方
・ユーザのニーズに応える機能を入れたい方
・充実した技術サポートを受けたい方
・開発フェーズで無料枠があるので、低コストで十分な検証を実施したい方
Agoraは開発期間は無料で、利用時間10,000分/月まで利用可能です。
>Agoraの無料トライアル
Amazon Chime SDKは、AWSが提供しているサービスという信頼性があります。ただし、AWS SDK・AWSの他サービスの知識も必要です。また、Amazon Chime SDKは無料枠がないため、開発段階から費用が発生することも注意してください。
【Amazon Chime SDKがおすすめの方】
・AWSの他のサービスと連携したい方
・AWSのサービスで完結したい方
・限定的なビデオ通話をしたい方
・複雑な機能を必要としない方
まとめ|APIやサポートが充実したAgoraを導入するには
AgoraとAmazon Chime SDKの違いは、配信規模・開発環境・サポート・APIやオプション機能にあります。
サービスやアプリに合うSDKを選択することが必要です。
Agoraは無料トライアルが可能で、開発期間は無料で利用できるため導入前に仕様などを確認するのはいかがでしょうか。
ブイキューブはAgoraの日本総代理店です。Agoraの料金シミュレーションや詳しい内容を確認したい方は以下よりお問合せください。
>Agoraの料金シミュレーション、ご相談
>クイックスタート