Web会議システムに必要なセキュリティ対策とは?リスクと注意点
2021.08.12
「Web会議」はインターネットを通じて会議を行うため、専用システムの設置やセキュリティ対策が必須です。
特にセキュリティ対策は万全にしておかないと、情報流出やアカウントの乗っ取りなどのリスクが高まります。安全にWeb会議を行うために、しっかり対策をしておきたいところです。
そこで本記事では、Web会議システムの選び方や必要なセキュリティ対策について詳しく解説していきます。
- Web会議のセキュリティ対策不足で起こりうるリスク
- Web会議システムのセキュリティにかかわる機能
- Web会議システムの選び方
- セキュリティ面に強いWeb会議システム
- Web会議で参加者それぞれが行うべきセキュリティ対策
- まとめ
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Web会議のセキュリティ対策不足で起こりうるリスク
Web会議の際、セキュリティ対策を行わないとどのようなリスクが起こるのかご存知でしょうか。実際にあったトラブルを確認しておくことで、セキュリティ対策の重要性を確認できます。こちらでは、以下の3つのリスクを解説していきます。
Web会議のセキュリティ対策の重要性を知りたい方は、参考にしてみてください。
1.不正アクセスにより重要な資料が流出する
Web会議システムへの不正アクセスにより、重要な資料が流出するリスクがあります。誰もがアクセスできる状態で会議を行うと、第三者が会議に参加し、共有していた資料が流出する恐れがあるため注意が必要です。
2020年に香川大学テレビ会議システムに不正侵入された事件がありました。画面上に不適切な文章や画像が出る事件でしたが、もし教員や学生名簿を共有していたら個人情報が流出する危険性があったでしょう。
会議を行う際はパスワードをかけて入室制限を行い、部外者が入らないように注意しましょう。また、開催者は参加者を把握しておき、第三者が参加している場合には強制退出させる権限が必要です。
2.参加者のアカウントを乗っ取られる
不正な方法で参加者のアカウントを入手して、Web会議を乗っ取るケースがあります。
Cybleの発表によると、海外ではZoomが不正にアクセスされ、53万人分のメールアドレスなどを含んだ個人情報が販売された事件が実際に起きています。
外出先でWeb会議を行う際は、端末を紛失したり盗難にあったりしないよう気をつけることが大切です。また、Web会議システムをデフォルトのまま使用することも危険なので、きちんとパスワードを設定するようにしましょう。
3.参加者のプライバシーが流出する
Web会議はパソコンやスマートフォンのカメラを利用して参加するものです。顔だけでなく背景も映り込むため、第三者によって参加者のプライベートな情報や会議に参加する様子をスクリーンショットで撮影され、インターネット上に上げられるリスクが考えられます。
会社の重要な資料に気を配ることはもちろんですが、参加者のプライバシーをしっかり守る配慮も必要です。背景をオフにする設定が利用できるシステムがあるので、Web会議を行う際は利用を検討してみましょう。
Web会議システムのセキュリティにかかわる機能
前章のようなリスクを回避するためには、セキュリティの整ったWeb会議システムを使う必要があります。Web会議システムのセキュリティにかかわる主な機能は以下の4点です。
Web会議はインターネット上で行うため、不正にアクセスされ情報が流出するリスクがあります。セキュリティ対策に強いシステムを導入し、万全の対策を行った上でWeb会議を行いましょう。
1.パスワード
最も基本的なセキュリティ対策がIDとパスワードです。Web会議を行うということは、いわばネットワーク上にある架空の会議室にそれぞれの拠点から入室するのと同じです。
その会議室に誰でも入れてしまうのでは、セキュリティを保てません。そのため、会議室への入室にはIDとパスワードを設定しておき、あらかじめそれらを伝えてあるユーザーのみが会議を行える、という形を採るのが一般的です。
導入するWeb会議システムがどのような形でIDとパスワードを割り振ることができるのか、ユーザー認証をどのような形で行うのか、確認しておきましょう。
2.暗号化
Web会議システムは、テレビの映像などと同じく、撮影した映像をR(赤)とG(緑)とB(青)に分解し、電気信号に変換します。
その電気信号をIPネットワークにそのまま乗せたのでは、データの量が大きすぎます。そのため、情報を一旦圧縮してネットワーク回線に乗せ、相手側で圧縮されたデータを解凍することによって、映像の送受信を行っているのです。その圧縮されたデータに鍵をかける作業が「暗号化」です。
Web会議システムで利用される暗号化の方法で主流なものは、「SSL暗号化通信」と「AES暗号化通信」です。
SSLとは「Secure Sockets Layer」の略で、httpと組合わせて、認証情報、個人情報、決済情報などを送受信する手段として使われます。
AESとは「Advanced Encryption Standard」の略で、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が採用した暗号化方式です。Web会議システムではより強度な暗号化方式である「AES」が基本です。
3.IPアドレス
IPアドレスとはパソコンやスマートフォン、タブレットそれぞれに割り当てられているアドレスです。Web会議システムの中には会議に参加するIPアドレスを指定できるものがあります。
許可したデバイスだけでしか参加できなくなるため、セキュリティを高められます。
4.ファイアウォールの構築とサーバー
暗号化・復号化に加えて、社内のネットワークを閉域化するファイアウォールの設定も、セキュリティ対策には重要です。
ファイアウォールとは、日本語で「防火壁」のことで、ネットワークを外部の攻撃から保護するためのソフトウェア、システムなどのことを指します。
一般的には、ファイアウォールに内部ネットワークの回線と外部ネットワークの回線を両方つなぎ、内部と外部の通信が必ずファイアウォールを通過するように設定します。
Web会議システムの中には、「MCU」という接続装置同士によって複数の拠点を結ぶ方法と、各拠点からサーバーに接続して通信するシステムがあります。
自社でWeb会議用のサーバーを設置する場合には、サーバーをファイアウォールの内側(内部ネットワーク環境下)に設置することで、不正アクセスをされるリスクを軽減可能です。
社内の会議に限定するのであれば、この方法は非常にセキュアな環境を構築できます。
また、仮想空間上だけではなく、物理的にもサーバーが設置してある部屋には施錠はもちろん、外部の人間が入れないようにする、入室権限を設けるといった対策が必要です。
ファイアウォールにはさまざまな方式・形式がありますが、Web会議システムで参加する場合にも非常に重要になります。Web会議システムの導入とあわせて、社内のファイアウォールの設定やサーバーの管理状況を確認しておいたほうがいいでしょう。
Web会議システムの選び方
Web会議システムの導入にあたっては、セキュリティ面以外にも考慮すべき点があります。
セキュリティ機能に加え、上記の点も確認してWeb会議システムを導入しましょう。
1.種類
Web会議システムは「オンプレミス型」と「クラウド型」にわかれ、それぞれ特徴やコストが異なります。概要を表でまとめました。
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
特徴 | ・自社内でシステムを構築 ・活用スタイルやイントラネット環境に応じたカスタマイズが可能 ・自社のセキュリティポリシーに合わせて導入可能 |
・外部のインターネットサービスを利用 ・社外からWeb会議が可能 ・システム管理者が不要 |
セキュリティ | 独自に対策可能 | 利用する環境に依存 |
コスト | 高くなる | おさえられる |
カスタマイズ | 自由に調整可能 | 柔軟性が低い |
オンプレミス型は自社内でシステムを構築するため強固なセキュリティが特徴ですが、ハードウェアやソフトウェアの購入や設置作業費用などが発生するので、その分費用が高くなります。
クラウド型は、外部のサーバーやシステムを使用するため、コストを抑えて素早くWeb会議システムを導入可能です。ただ、セキュリティの高さは利用する外部のサーバーやシステムに依存します。
どれくらいのセキュリティや機能が必要か考慮した上で、自社に合ったタイプをお選びください。
Web会議システムの種類について知りたい方はオンプレミス型・クラウド型について解説している記事をご覧ください。
2.映像・音声の安定性
途中で映像や音声が乱れると会議の進行が乱れ、会議時間が伸びたり、参加者の集中力が低下したりするため、映像・音声の安定性は非常に重要です。
株式会社ビズヒッツが発表した「WEB会議の悩みに関する意識調査」によると、Web会議を行う上で困っていることとして最もあげられたのが「音声や映像の不具合」でした。映像や音声が乱れると自分だけでなく、会議に参加している人全員がストレスを感じます。
通信を安定させるのにスペックの高い機器や安定した通信回線を使用することに加え、Web会議システム自体の安定性が重要です。少ないデータ量で映像を伝送できる技術や、帯域状況に合わせた送受信技術が搭載されているシステムを選びましょう。
3.機能
Web会議システムは機能面にも細かな差異があります。録画機能や、クラウドサービス・招待機能、動画配信や特殊なアプリケーションへの対応といった機能に対応しているか否かも確認する必要があるでしょう。
4.カメラ・マイクの対応性
Web会議ではパソコンやスマホに内蔵されたカメラやマイクを利用できます。しかし、重要な会議などで「より鮮明に映るようにしたい」「クリアに聞こえるようにしたい」という場合はカメラやマイクを取り付ける場合もあるでしょう。
利用するパソコンのスペックに合うカメラやマイクを選ばなければ、いざ会議を始めたときに声が聞こえなかったり、映像が映らなかったりするトラブルが発生する可能性があります。市販品を接続することができるかどうかも、確認すべき事項の一つです。
5.操作性
Web会議を行う際は、複雑な操作が少なくさまざまな機能がわかりやすいものを選ぶようにしましょう。例えば、以下のような機能があるものは使いやすいです。
- 専用のアプリケーションがなくてもURLを共有すれば会議を行える
- 画面操作がシンプル
誰でも操作しやすいような、シンプルなWeb会議システムを選べば、スムーズに導入できるでしょう。
セキュリティ面に強いWeb会議システム
セキュリティと前章で解説した選び方のポイントを踏まえて、おすすめのWeb会議システムとして「V-CUBE ミーティング」と「Zoom ミーティング」を紹介します。
1. V-CUBE ミーティング
セキュアで操作性の高いWeb会議システムの導入を検討している方には「V-CUBE ミーティング」がおすすめです。Web会議システム「V-CUBE ミーティング」は、パソコンやモバイルなどさまざまな環境で使用できるクラウド型のサービスです。世界最高レベルの映像・音声技術を採用し、テレビ会議システムに劣らない高画質・高音量を可能にしました。
V-CUBE ミーティングのセキュリティとメリットについて解説します。
1)V-CUBE ミーティングのセキュリティ
「V-CUBE ミーティング」は、クラウドサービス情報開示認定機関から、安全・信頼性の情報開示基準を満たしていると認定されているサーバーを利用しているため、セキュアなWeb会議を実現できます。
V-CUBE ミーティングはクラウド型のWeb会議システムなので、前述したようにセキュリティの高さは利用するサーバーに依存します。V-CUBE ミーティングを運営しているブイキューブは、2010年から「ASP/SaaS情報開示制度」に認定されており、ASP・Saas・IoT クラウドコンソーシアムからセキュリティが高いと認められてため、安心して利用可能です。
また、Web会議に参加できるIPアドレスを指定することができます。IPアドレスからアクセスを制限することで不正アクセスを防ぎ、セキュアな環境でWeb会議を利用可能です。
2)V-CUBE ミーティングのメリット
「V-CUBE ミーティング」を導入するメリットは以下の通りです。
- 操作性の高さ
- 高画質・高音質
- 安定した通信を持続性
- 多拠点・大人数で利用可能
URLをクリックするだけで会議に参加できるため、誰でも簡単にWeb会議に参加できます。シンプルなインターフェイスで操作性も高い点が特徴です。
また、HD対応や音声の自動調整を搭載しており、鮮明な映像で快適に会議を行えます。多拠点・他人数で利用できるのはもちろんのこと、指差し機能が備わっており、画面共有した資料に指差しを行い、わかりやすく説明可能です。
最高の映像・音声・セキュリティ品質のWeb会議システムを使いたい方は「V-CUBE ミーティング」をご検討ください。
2.Zoom ミーティング
「Zoomミーティング」は、世界各国で利用されている「Zoom」を利用したWeb会議サービスです。Web会議を行う際は、主催者のみライセンスを取得し、参加者へは会議アドレスで招待します。そのため、ブラウザから誰でもWeb会議に参加できるのが特徴です。
Zoomミーティングのセキュリティの特徴とメリットを詳しく紹介していきます。
1)Zoomミーティングのセキュリティ
Zoomミーティングでは、以下のようなセキュリティ対策が導入されています。
- 暗号化通信
- 入室パスワードや待機室機能で安全性を確保
- 特定のドメイン・ユーザーのみ入室可能
- 参加者が利用できる機能を主催者が細かく制御できる
重要な会議でも問題ないセキュリティです。
Zoomミーティングのメリット
Zoomミーティングは、以下のようなWeb会議で役立つ機能が多いのが特徴です。
- 画面共有
- チャット
- ブレイクアウトルーム
- 外部ツールとの連携
Web会議中に画面共有ができるので、アジェンダや資料を表示しながら会議を行えます。チャット機能もあるので、メモやURLを会議中に送信可能です。
参加者を少人数に分けるブレイクアウトルーム機能や、Slackなどのツールと連携できる機能があるので、業務効率化をはかれます。
また、Zoomは通信の安定性が優れていることもメリットとして挙げられます。独自の技術で映像や音声データを圧縮し、少ないデータ通信量で安定して通信可能です。
ブイキューブでは、Zoomミーティングの有料プランを提供しています。3つのプランがをご用意しているので、手軽に導入したい方や充実したサポート付きのプランを利用したい方などの目的に合わせて選べます。Zoomミーティングの導入を考えているなら、ブイキューブへご相談ください。
Web会議で参加者それぞれが行うべきセキュリティ対策
Web会議を行う際は、セキュリティ対策に強いシステムを導入することが大切です。しかし、システムに頼るだけでなく、各参加者がセキュリティ対策を行うことも必要です。具体的なセキュリティ対策を以下の4つの項目に分けて解説していきます。
Web会議の参加者は、こちらも参考にしてみてください。
1.セキュリティコードを慎重に扱う
セキュリティコードを設定することで、第三者が会議に参加することを予防可能です。しかし、セキュリティコードが流出すると不正アクセスされてしまう可能性があるので、慎重に扱う必要があります。
公共の場でパソコンを開きっぱなしで席を立ったり、置き忘れたりしないよう気をつけましょう。
2.フリーWi-Fiを利用しない
Web会議を行う際はフリーWi-Fiを利用しないようにしましょう。
外出時にはカフェなどから参加する場合も考えられますが、フリーWi-Fiは通信が暗号化されていないものもあり、そうしたフリーWi-Fiを使ってしまうと不正にパソコンにアクセスされ、パソコン内の情報を盗まれるなどのセキュリティ面でのリスクが高まります。
警視庁はハッキングされて情報漏洩されるリスクを回避するために、「公共のWi-Fiを使用する際は、パスワードがかかっていなかったり、公開されていたりするものは控えましょう」と注意喚起をしています。
3.システム・セキュリティソフトなどのアップデートをこまめに行う
Web会議システムやセキュリティソフトのアップデートはこまめに行うようにしましょう。アップデートは、セキュリティ機能の改善や強化を目的に行われることがあるからです。最新状態でない場合、セキュリティ機能がうまく作動しない可能性があります。
また、OSのソフトウェアアップデートも行うようにしましょう。OSが古いままだと、セキュリティソフトがうまく作動しない場合があるので注意が必要です。
セキュリティを高めるために、システムやソフトを常に最新の状態にしておくようにしましょう。
まとめ
今後ますますテレワークが広く普及していくなかで、Web会議システムをはじめとする遠隔会議システムも急速に増加することが見込まれています。
どのようなシステムを導入する上でも、大切な情報を守るセキュリティはしっかり対策をしなければなりません。
Web会議システムのセキュリティ対策はもちろん、社員自身が対策を行うことも必要です。Web会議を安全に行えるよう、ニーズに合わせて適切なシステムを導入してみてください。
働き方の実践!「ゼロから学べるテレワーク導入完全ガイド」
働き方改革が始まり、「何から手をつければ良いかがわからない……」そうお困りの企業担当者さまも多いことでしょう。そのような課題解決の一手として導入を検討していきたいのが、テレワークです。
テレワークの導入には以下のようなメリットがあります。
- 災害や感染症の蔓延時にも通常と同じように業務を継続できる
- 通勤や移動の時間を有効活用し、大幅なコスト削減につながる
- 地方や海外にいる優秀な人材をスムーズに確保できる
自社の働き方改革を成功させるため、ぜひ「ゼロから学べるテレワーク導入完全ガイド」をご参考ください。資料は無料です。