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失敗しない「Web会議」と「テレビ会議」の選び方

2017.03.13

失敗しない「Web会議」と「テレビ会議」の選び方

皆様
ブイキューブの佐藤 岳です。

最近多くの企業で検討され、実際に導入が進んでいる遠隔会議ソリューション。企業や組織にとって欠かすことのできない重要なコミュニケーション基盤として普及しつつあると言えます。

そんな遠隔会議ですが、そもそも遠隔地同士を映像と音声でつなぐ仕組みは、米国のベル研究所が1927年に世界初のテレビ電話装置を開発したのがきっかけといわれており、すでにその歴史は90年ほどが経過しています。多くの企業で導入が進んだのは、インターネット接続が容易になった2000年代ですが、かなり以前から存在していたソリューションなのです。

そんな遠隔会議も、今では打ち合わせやミーティング、会議など拠点同士でのやり取りのシーンで、まるで電話をかけるように日常的に利用されているのです。

そんな遠隔会議ですが、その手法の違いによって大きく2つに大別されています。それが、「Web会議」と「テレビ会議(またはビデオ会議)」です。どちらも遠隔地同士を映像と音声でつなぐ仕組みであることは間違いありませんが、具体的な違いはいったいどんなところにあるのか、ご存知でしょうか。

Web会議とテレビ会議、いったい何が違う?

まずWeb会議について説明しましょう。Web会議とは、PCをはじめ、スマートフォンやタブレットなど各デバイスにアプリケーションをインストールして利用するものです。ネットワークが接続されていればいつでもどこからでも、どんなデバイスからでも会議に参加することができる仕組みとなっており、距離の離れた個人同士で打ち合わせやミーティングをするといった使い方が一般的です。

対してテレビ会議は、会議室に設置された専用機材を用いて会議を行うスタイルです。距離の離れた会議室同士を接続することになり、グループ対グループで会議を行うといった使い方がオーソドックスと言えます。

つまり、ソフトウェアで利用するのがWeb会議、専用機材で利用するのがテレビ会議という形で区別することができ、使い方も主に個人同士で利用するのかグループ対グループで利用するのかでその違いが出てきます。

Web会議とテレビ会議の違い

それぞれのメリット、デメリット

では、Web会議とテレビ会議には、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのかご存知でしょうか。具体的には以下の表にまとめることができます。

Web会議とテレビ会議のメリット・デメリット

Web会議のメリットデメリット

Web会議は、機器構成からも明らかなように、普段利用しているPCやスマートフォンなどのデバイスにアプリケーションをインストールするため、新たに購入する機材がほとんどありません。つまり、専用機材が必要なテレビ会議に比べて初期投資を抑えることが可能です。

また、アプリケーションさえインストールすればすぐに使うことができるため、初めて使う場合でも気軽に始められるという点はWeb会議の大きなメリットでしょう。スマートフォンやタブレットにも対応していることから、客先など社外から会議に参加するといったモバイル会議にも対応できる仕組みになっています。

ただし、事前の環境設定をしっかり行う必要がある点は多少のデメリットと言えます。アプリケーションのインストールはもちろん、ファイアウォールやプロキシの接続設定などデバイスごとにセットアップが必要になります。もちろん、簡単にインストールできるように工夫されているものが多く見られますが、カメラの調整も含めてボタンを押すだけですぐに会議が始められるテレビ会議に比べて多少の手間はかかります。

また、インストールされたデバイスのスペックや通信回線に音質や画質が左右されてしまうため、スマートフォンのカメラ性能やCPU・メモリスペックがそれほどでもない場合、高品質な環境でミーティングを行うのは難しいケースもあります。

テレビ会議のメリットデメリット

テレビ会議は、音声や映像を専用に処理するための高い能力を持った専用の機材を使います。そのため、比較的安定した品質が確保できるようになっているのが大きなメリットの1つです。

また、カメラやマイク、スピーカーなど専用のものが最初から用意されており、最適な組み合わせの状態で手元に届きます。細かなチューニングをせずともすぐにテレビ会議を利用できるようになっているため、IT管理者が不在の拠点に導入する際は、機材を郵送で送ってネットワークに接続するだけで使い始めることだってできるのです。

ただし、専用機材を使うためにどうしても初期費用が高くなりがちです。なかにはMCUと呼ばれる多地点接続を可能にする機能を持つサーバーの管理が必要なケースも出てきます。

さらに会議室に設置して利用することが前提となっており、当然ながら利用する場所が限られてきます。社内の会議であれば稼働式のラックに搭載することで多少の移動は可能ですが、テレビ会議端末を持ち出して社外から利用するなんてことは現実的に難しいところ。会議室での利用が前提となってしまうことで、会議以外の用途には応用しにくいのが現実です。

なお、実際の商談では、新規でコミュニケーション環境を構築したい場合はWeb会議を、すでにテレビ会議を導入済みの場合は使い勝手を変えずに利用できるようテレビ会議を改めて希望する方が多く見られます。特にテレビ会議は、2016年7月31日にPolycom社が提供するVSXシリーズのサポートが終了したため、今でも問い合わせが増えている状況が続いています。

今回はWeb会議とテレビ会議それぞれの特徴について見てきましたが、いかがだったでしょうか。次回以降は、それぞれの仕組みについてさらに掘り下げていきながら、その選択の勘所について詳しく紐解いていきます。ぜひお楽しみに!

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