すべてはお客様の安心と快適なフライトのために
整備業務の正確性と効率性の向上を目指して
日本航空株式会社(以下、JAL)の航空機整備を担当し、JALグループの”空の安全”の一翼を担っているのが株式会社JALエンジニアリング。国内線、国際線で毎日多くの航空機が国内外の空港を行き来する中、「安全運航」の堅持と「乗客の利便性」の追及が求められる。 各拠点や整備現場で発生した緊急性の高いメンテナンスなどには迅速かつ正確性の高い情報共有が求められる。JALの航空機の安全性と快適性を高めるために、2017年に導入されたのが場所を選ばず遠隔会議が行える「V-CUBE」だった。
従来のテレビ会議システムの課題
音声と映像が不安定で参加者にストレス
毎朝15拠点の担当者を集めての遠隔会議を行っていたが、音声が聞こえなかったり不安定だったりしたことから、参加者のストレスとなっていた。
専用会議室なので開催日時が限定的
従来の遠隔会議は、テレビ会議システムが設置された会議室でのみ開催が可能だった。そのため、国内外の拠点や空港との緊急性の高い遠隔会議を開催したくても会議室が利用されていると開催できないことがあった。
利用場所が限定され整備現場では使えない
整備現場ではテレビ会議が行えないため、整備現場との情報共有は電話、FAX、メール添付の写真などに限られ、リアルタイムでの映像共有が難しかった。
「V-CUBE」でこう解決!
音声も映像も高品質なのでストレスフリーのテレビ会議を実現
テレビ会議に参加している拠点数が多くても、音声も映像もクリアなので、毎朝の情報共有がスムーズになった。
毎朝の主要拠点を接続した遠隔の定例会議。テレビ会議システムを「V-CUBE Box」に切り替えた初回の会議で、参加者から「映像と音声の品質が劇的に変わった」との声がすぐに上がった。
打ち合わせの必要が発生したら空いたスペースですぐにWeb会議
専用機器のある会議室だけでなく、パソコンやタブレット端末があれば場所にとらわれずに開催できるので必要が生じたときにすぐにWeb会議を実施できる。
1対1だけでなく複数拠点間でのWeb会議を、場所を選ばずに開催可能。また、自社の拠点間だけでなく社外ミーティングも、国内、国外を問わず実施することができる。
運航整備現場との情報共有も映像を通じてリアルタイムで実現
運航整備現場に配備したタブレット端末やスマートフォンを通じて、緊急を要するメンテナンス箇所の映像を共有し、相互書き込みで正確性の高い指示を出すことが可能に。
センチ単位、ミリ単位が運航の可否を左右するため共有している画像に「この位置から計測」などの書き込みを行うことで、電話などでは正確に伝えにくかった情報も、確実に共有できるようになった。
「V-CUBE」選定のポイントは?
音声品質がよくストレスフリーでWeb会議を開催できるか?
毎朝の定例会議でストレスとなっていた「音声のフラストレーション」を解決できる品質を、国内外の拠点間でも担保できること。
- 帯域状況に合わせて送受信が可能な最も高い品質の映像に自動調整
- 国際間接続用の独自ネットワーク網による安定した通信環境
運航整備現場との情報共有で整備の業務も劇的に改善できるか?
整備現場に配備しているタブレット端末などを有効活用し、センター拠点から映像を通じた明確な指示を出せること。
- タブレット、スマートフォンなど端末を選ばずにWeb会議が可能
- ホワイトボード機能により双方向で資料に書き込みが可能
お客様の声
定例の遠隔会議の品質を劇的に改善
「V-CUBE」の導入を検討し始めたのは、もともと導入していたテレビ会議専用システムの品質に課題があったからです。
JALエンジニアリングの拠点は羽田空港や成田空港を始め、全国そして海外の空港に広がっています。運航の安全を期すために、毎日全15拠点との間で定例の遠隔会議を行っていましたが、音声が聞こえなかったり途切れたりで、参加者のストレスが高まっていました。
「V-CUBE」へのリプレイスにより、音声品質が劇的に改善されました。社員の「V-CUBE」への期待は非常に高く、運用開始当日の会議には、会議室の後方に見学者が集まったほどです。モニタを通じても後方の参加者、見学者の顔までクッキリと表示されていたことで、映像の品質にも驚嘆の声が上がっています。(中井悠葵氏)
写真右から、株式会社JALエンジニアリング 運航整備変革推進室 室長 竹村 彰氏、IT企画部 統括マネジャー 中井 悠葵氏、IT企画部 大家 彰悟氏
運航整備の正確性やスピード向上にも寄与
私が所属する運航整備変革推進室は、運航整備士の働き方を改善して、如何に機材品質を向上させるかを考えるのが役割の1つです。整備現場での業務改善のために、IT企画部に対し、運航整備現場からセンター拠点との間で映像を共有できるツールの導入を依頼していたところ、ちょうどテレビ会議システムのリプレイスタイミングとのことでしたので、整備現場でも使えるツールの導入をリクエストしました。
従来は、例えば鳥が機体にぶつかってへこみが生じた場合、何枚かの写真をメール添付で送り、写真を見ながら電話でやりとりするという対応でした。現在は、リアルタイムで資料を共有し双方で書き込みができるようになったことで、確実性も増しスピーディーな対応も可能になりました。(竹村彰氏)
現場からの要望はうれしい悲鳴
IT製品の導入時に、現場から声が上がることもあるのですが、今回の「V-CUBE」では、そういったことはありませんでした。既に配備していたタブレットやスマートフォンにアプリをインストールするだけで簡単に導入でき、音声も映像もクリアであることは、現場にも受け入れられやすかったです。順次、運用の範囲を広げる予定ですが、まだ運用対象でない現場から他部署での運用を見て「早くしてほしい」という要望も上がってくるほど、社内での期待が高まっています。( 大家彰悟氏)
日本航空株式会社様における「V-CUBE」の活用法
「拠点間の高品質な遠隔会議」と「整備現場とセンター拠点間の正確性の高いコミュニケーション」を同時に実現するために導入されたのが、テレビ会議システムの「V-CUBE Box」とWeb会議システムの「V-CUBE ミーティング」。「航空機の安全運航」と「安全で快適なフライト」のための情報共有とコミュニケーションに、日々V-CUBEが活用されている。
国内外の拠点間での遠隔会議にテレビ会議とWeb会議を状況に応じて活用
毎日の定例会議
羽田を中心に、成田、新千歳など全国15ヵ所の拠点を接続し、運航情報やメンテナンス情報などを毎朝共有。クリアな音声と映像で、多拠点、多人数が参加する会議もスムーズ。
国内外拠点間のミーティング
海外空港の整備拠点と本社とのテレビ会議に「V-CUBE Box」を活用。エリア単位の拠点間会議、運航に関する外部組織とのWeb会議に「V-CUBE ミーティング」を活用。
運航整備の現場とセンター拠点間のコミュニケーション
整備現場ではタブレット端末、スマートフォンを活用
JALエンジニアリングでは300台以上のタブレット端末、700台以上のスマートフォンを運航整備の現場に配備している。従来は、処置が必要な箇所の写真を撮影しメールで送付、電話で写真を見ながらセンターからの指示を仰いでいたが、現在はリアルタイムで必要な箇所の映像を映して情報を共有。
広域な整備工場では、Wi-FiではなくLTEモデルによりキャリアの回線を利用している。
センターからの「もう少し右側に寄って」「もっと接写して」などの指示に即時対応可能。メンテナンスのために必要な情報をタブレット端末から送信。
ホワイトボードによる書き込みが最重要
運航整備変革推進室室長の竹村氏がもっともこだわったのは、ホワイトボードによる双方向での書き込みだった。 「鳥がぶつかってできたへこみが、機体のある箇所から5インチ以内なら安全上運航できない」など、細かい規定が多数あるため、採寸の起点を書き込んで示せることは、情報を正確かつスピーディーに共有できることにつながる。 「写真を見ながら電話で指示を出すのはもどかしい。同じ情報を正確に共有することで今まで以上に迅速な判断が可能になる。」(竹村氏)
ホワイトボード機能を活用し、 センター側は大画面のモニタ上で 必要事項を書き込む。