インタビュー
課題
- もっといい環境で授業を受けてもらいたい
- Mac(マック)ユーザーにも受講してもらいたい
クリエイター養成スクールとして1994年に誕生したデジタルハリウッド株式会社。2004年に株式会社として初となる専門職大学院、翌2005年に4年制大学を設立。2005年6月には、インターネットを通じて自宅などから授業をリアルタイムに受講できる「デジハリ・オンラインスクール」を開講した。「デジハリ・オンラインスクール」は、プロとして必要なスキルと最新のノウハウを身につけられる「新しい学習の場」として、受講者が年々増加している。
しかし、従来の配信システムではOSやブラウザに非常に制限があり、IT初心者もいる受講者にとっては、ソフトをインストールしたり、セキュリティーソフトを切るといった準備が、ハードルになってしまうこともあった。また、クリエイターを目指す受講者にはMac(マック)ユーザーが多いのに、同システムではMacで受講することができなかったという。
デジハリ・オンラインスクールのマネージャー石原博美氏は「従来の配信システムでは、機会損失が大きかった。受講生が増えていく中、もっといい環境で授業を受けていただきたいという思いが強まり、そうした時にV-CUBE セミナーを知った」と導入の経緯を語る。
決め手
- 受講方法で受講生にストレスを感じさせない
- ウィンドウズ、Macを問わず受講できる
最も重要だったのは、受講方法で受講生にストレスを感じさせないこと。石原氏は「最初の時点でストレスを感じてしまうとお客様にはなりえない。V-CUBE セミナーはお客様にとって非常に準備が簡単で、操作も分かりやすかったので、『これほど簡単に使えるなら、ぜひ』と導入を決めた。導入に当たっては、弊社のLMS(学習管理システム) に連動させる仕組みを、素早く柔軟に対応して作っていただいたので、大変助かった」と語る。
デジハリ・オンラインスクールでは今年4月から、配信システムをV-CUBE セミナーに変更。もちろんV-CUBE セミナーは、ウィンドウズ、Macを問わず受講でき、より高いクオリティーで授業が配信できるようになった。
グラフィックデザインとWebデザインを中心とした学習コースを提供しており、授業内容によって提供スタイルは変わるが、V-CUBE セミナーでの授業はライブで週2コマほど行われている。デジハリ・オンラインスクールの受講者は年間で約800人おり、通学できない地方在住者ばかりでなく、首都圏に住みながらも仕事が忙しくて通えない社会人なども多く、さらには海外在住者も常に2%ほどいるという。
効果
- 受講生数が1.5倍になり、「売上に直結」
- 講師と受講生が一緒のテンションで授業に臨める
V-CUBE セミナーを導入した今年4月からの授業では、3分の1の受講生がMacで受講しているという。単純計算では、受講生数が1.5倍に増えたことになる。石原氏は「Macユーザーがストレスなく受講できるというのは売上に直結する部分でもあり、どのお客様にも同じように授業を提供できているという点で、私たち学校側も満足度がとても高い」と効果を話す。
また、授業のクオリティーもより向上したという。デジハリ・オンラインスクール専任講師の栗谷幸助氏は「V-CUBE セミナーを導入したことで、実際の通学スタイルの授業でやっていることと、ほぼ同じことができるようになった。まず講師映像が滑らかなので、ライブ感が非常に出た。またアンケート機能は、受講生に問いかけた結果をこちらの好きなタイミングで表示できるので、授業の進行上とても便利。以前のシステムは結果を見せられなかった上、回答のタイムラグが数十秒あり、テンポが悪くてやりづらさを感じた。その点、V-CUBE セミナーはダイレクトにレスポンスがあるので、テンポが良く、受講生とのやりとりにすごくリアル感が増した」と語る。
また、メッセージ機能やチャット機能も重宝しているという。栗谷氏は「授業の中では参考にしてほしいWEBサイトを紹介する時、これまではスライドでサイトのキャプチャー画像を見せることしかできなかったのが、V-CUBE セミナーはメッセージ機能を使ってURLを入力すれば、受講生はクリックするだけで、その場でそのサイトを閲覧できる。サイトは別ウィンドウで開くので、授業の画面が閉じることなくご覧いただけるので、大変スムーズ。また文字チャットの表示スペースが広いことも、授業に活気を与えている。積極的に書き込まれるようになった」と話し、そうした機能をフルに使うことで、講師と受講生が一緒のテンションで授業に臨めることが、活気ある授業につながると重要性を説いた。
展望
- ゼミ形式の授業をV-CUBEミーティングでできないか検討
- 完全に通学と同じ授業内容を提供したい
デジハリ・オンラインスクールでは、V-CUBE セミナーだけでなく、V-CUBEミーティングも授業に利用できないかを模索中だという。石原氏は「リアルの授業では、ディスカッションのようなグループワークをしているが、オンライン授業ではそれができていないので、V-CUBEミーティングをうまく活用できないかと考えている。これができると、全国各地の受講生が、自分の意見を出し合って議論しながら、チームでプロジェクトを行えるようになり、完全に通学と同じ内容を提供できる」と語り、栗谷氏も「大学のゼミ的な授業がオンラインで出来るようになる」と課題に挙げる。
また同スクールでは、iPadをV-CUBE セミナーでの授業の受講に使えないかというような、様々なツールの教材活用も検証しているといい、最新の内容の授業をどのように各地の受講生に届けるかの研究に余念がない。。
今年4月に授業配信システムをV-CUBEセミナーに切り替えたデジハリ・オンラインスクール。運営上と授業内容の両面でどのような効果や変化があったかなどを、デジタルハリウッド株式会社デジハリ・オンラインスクールのマネージャー石原博美氏と、同じく専任講師の栗谷幸助氏に聞いた。
※本事例は2010年8月に取材した内容を基に作成・掲載しております。