【トレイダーズ証券の事業概要】
大手総合証券会社や大手オンライン証券会社とは差別化した独自のサービスを展開するブティック型のオンライン証券会社、トレイダーズ証券。同社は現在、外国の通貨を売買して利益を出す取引「FX(外為)」(サービス名称:みんなのFX)と、為替レートの変化を予想する取引「バイナリーオプション」(サービス名称:みんなのバイナリー)という、個人投資家にとって新しい分野の金融商品に特化して事業を展開している。
FX取引を提供している証券会社は数多くある中、トレイダーズ証券の強みについて加藤氏は語る。
「当社は、国内で初めてオンラインによるFXの個人向けトレーディングシステムを提供した証券会社であり、取引システムの機能や操作性に関してはお客さまから高い評価を得ています。特に、頻繁にトレーディングを行うお客さまにとって使いやすい機能を充実させています。
また、営業日には24時間体制でサポートスタッフが電話対応をしており、お客さまの投資サポートにも力を入れています」(加藤氏)。
インタビュー
課題
新規顧客の囲い込みや休眠顧客の取引の活性化を図るため、低コストかつ最小限の人件費で、定期的に顧客向けのセミナーを開催したい。
V-CUBEセミナーを利用して、100~400名規模のWebセミナーを定期的に開催
現在トレイダーズ証券では、V-CUBEセミナーを利用して月1回のペースで既存顧客および見込み顧客向けのWebセミナーを開催している。投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、セミナーごとにテーマを設けて各専門分野の講師を迎えて実施している。
「以前は別の配信サービスを利用していたのですが、1年ほど前からV-CUBEの利用を開始しました。それ以来、V-CUBEだけを利用するようになりました。
セミナーの配信は当社の会議室から行っています。システムとしてはPCとWebカメラを持ち込むだけですが、簡単なバックボードも設置するようにしています」(加藤氏)。
トレイダーズ証券が実施しているWebセミナーの画面例
セミナーの集客は、同社のホームページにセミナー情報のページを設けているほか、オフィシャルのブログやTwitter、Facebookなどでもセミナーの告知を掲載して行っているという。
セミナーの参加人数について加藤氏は、「先着100名~200名の規模で開催することが多いのですが、人気のある講師や内容の場合は400名の規模で開催することもあります」と語る。
また、リアルタイムでセミナーに参加できなかった方でもセミナーの内容を閲覧してもらえるよう、V-CUBEセミナーのオンデマンド機能を利用して、一定の期間、録画の配信も行っているという。
「セミナーのライブ配信は、お客さまが仕事から戻られて自宅でアクセスしてもらえるよう平日の夜に開催するようにしていますが、当日、ご都合の合わない方やアクセス数が上限に達してしまい参加できなかった方がいる場合もありますので、簡単な操作でセミナーの録画配信ができるのはとても助かります」(加藤氏)。
効果
定期セミナーを効率的かつ低コストで実施できるようになり、かつリアルなセミナーよりも顧客の傾向や要望がわかるようになり、セミナー参加者からも情報交換ができてよいとうれしい声が届くように
導入効果1 「セミナーの開催にかかる手間と時間が削減され、準備期間を短縮できる」
トレイダーズ証券株式会社 経営企画室長 加藤 潤氏
V-CUBEセミナーの導入による成果を伺ったところ、加藤氏は第一にセミナー運営に関する効果を挙げた。
「V-CUBEを利用するようになり、セミナーの運営面に関して、これまで以上に低コストかつ最小限の時間と人件費でセミナーを開催できるようになりました。
もともとWebセミナーの場合は、リアルなセミナーと比較してセミナー会場を確保する必要がなく、配布用資料のコピーといった事前準備の手間がかからないのですが、他のサービスを利用していたときと比べて、さらに準備にかかる手間と時間が削減されたと運営担当者からは聞いています」(加藤氏)。
その理由として加藤氏が挙げるポイントは使い勝手の良さだ。V-CUBEセミナーの使い勝手に関しては、セミナーの担当者だけでなくはじめて操作する講師からも「使いやすい」と好評で、直感的に操作ができることが準備作業の効率化につながっていると説明する。
「準備期間が短縮されたことで、セミナーの内容をタイムリーなものへと変更するなど柔軟な対応ができるようになりました。これも、V-CUBEセミナーを導入した効果だと考えています」(加藤氏)。
導入効果2 「参加者の意見や要望はもちろん、潜在的なニーズも把握することができる」
一方、セミナー運営面以外での効果については、特別な機器やソフトウェアのインストールなどは不要なので、インターネットにつながるPCがあれば全国どこからでもお客さまに参加してもらえること。そして、リアルなセミナーでは知ることができない、顧客の傾向や要望を把握できるようになったという効果も実感しているという。
「リアルセミナーでは、質疑応答の時間を設けても質問する人や内容は限られてしまいます。一方、Webセミナーの場合は匿名で顔が見えないということもあるためか、講師へ積極的に質問したり、チャットで自分の意見を書き込んだりする人が多く、リアルセミナーのアンケートなどよりも自然に、より多くの意見や要望を吸い上げることができます。
また時系列で参加者の入退率を確認できるので、セミナーのどの部分に興味が集まっているのか、いないのか、ということが簡単にわかります。どの時間帯に、どのような内容が取り上げられていたのかを確認し分析していけば、参加者の潜在的なニーズや傾向なども把握できます」(加藤氏)。
加藤氏によれば、このようなWebセミナーで得られた情報は社内で共有されており、将来的なセミナーの内容や講師を選ぶ際の資料として利用しているだけでなく、プロモーション戦略やサービス内容の改善につなげる情報としても活用されているという。
導入効果3 「普段は聞くことができない情報を聞けると参加者からも好評」
では、Webセミナーに対する顧客の反応はどうなのか。その点について加藤氏は、トレイダーズ証券はリアルな店舗は構えておらず、すべてのサービスをオンラインで提供しているので、顧客もインターネットに親和性があり、Webセミナーという形に顧客からの抵抗や拒否反応はなかったと語る。
「個人投資家というのは為替相場に単独で対峙しなければならず、それゆえ時にはとても孤独な立場であるため、チャット機能を使うことで、通常は知ることができないほかの投資家の意見を聞く(見る)ことができる点は、参加者からはとても好評です」(加藤氏)。
決め手
直感的に操作できるので、はじめて操作する講師でもすぐに使いこなすことができ、アンケートや集計結果の共有により、リアルタイムで講師とコミュニケーションが可能に。
5つのポイントで利用するセミナー配信サービスを選択
このように、トレイダーズ証券ではV-CUBEセミナーを活用したWebセミナーを開催することで大きな成果を上げているが、そもそも、なぜセミナー配信サービスを利用するようになったのか。その経緯について加藤氏は次のように語った。
「当社の場合、新しい分野の投資商品を取り扱っていますが、ある意味競争も厳しく、啓蒙活動と併せてプロモーションをどう効率的に実施していくかは重要な課題です。その一環として以前はリアルセミナーも実施していたのですが、開催にかかる経費や手間の問題、さらにはどうしても集客が首都圏に限定されてしまうので、数年前からWebセミナーに絞ってセミナーを開催するようになりました。
セミナー配信サービスを選択するときには、次の5つの要件事項を満たしていることを条件に配信サービスを選んでいます」(加藤氏)。
【トレイダーズ証券がセミナー配信サービスを選定する際の要件】
- 配信や閲覧に特別なシステムや機器が不要
- スポットで利用できる
- 資料の閲覧や配付が簡単
- アンケートやチャットで双方向のコミュニケーションができる
- コストパフォーマンスが高い
さらに、以前は別の配信サービスを利用していた同社がなぜV-CUBEセミナーを利用するようになったのか。その理由について加藤氏は説明する。 「利用するサービスの選定はセミナーを運営する担当者が主導権を握っていますが、V-CUBEセミナー以外のサービスも実際に利用していた経験を踏まえ、使い勝手が優れているV-CUBEセミナーのほうを選択し、使い続けているのだと思います。 たとえばセミナーの内容をわかりやすく伝えるために、受講者の画面を簡単にカスタマイズしたり、バナーやリンクを表示したりできるといった機能は、V-CUBEセミナーの優れているところで、そうした使い勝手の良さやシステムの安定性は結果としてマーケティング活動の効率化とコストの削減に直結します。 また使い勝手以外のところでも、参加者の人数により料金がメニュー化されていて、スポットで利用ができるので目的や予算に合わせて参加者の数やセミナーの開催回数を柔軟に調整できるというのも、V-CUBEセミナーを使い続けている理由の一つだと思います」(加藤氏)。
展望
今後の活用予定とV-CUBEへの期待
「効率的にWebセミナーを開催できるようにするため、双方向のコミュニケーションが活性化するような機能の向上を期待しています」とV-CUBEへの期待を語る加藤氏。
「さらに参加者の本音を引き出し、当社へのロイヤリティを高める『場』としても活用していきたい」と、今後の抱負を語った。
※本事例は2012年5月に取材した内容を基に作成・掲載しております。
記載の担当部署は、取材時の組織名です。