インタビュー
法政大学 地域研究センター 客員研究員 中島ゆきさんにV-CUBE ミーティング導入の背景、経緯、そして活用状況と今後について詳しくお伺いしました。
地域活性化のために、遠隔講義を活用
V-CUBE ミーティング導入前は、どのようなかたちで遠隔講義を行っていたのですか。
法政大学 地域研究センターでは、文部科学省や経済産業省などの省庁関係や地方自治体、各地の商工会議所などと、地域活性化のためのプロジェクトを行っています。そのプロジェクトにおいて、人材育成支援が必要となる場合、テレビ会議システムやWeb会議システムを利用した遠隔講義を実施してきました。
以前は省庁関係のプロジェクトで、テレビ会議システムで遠隔講義を実施していました。ところが、地域活性化が必要となる自治体とのプロジェクトの場合、自治体がテレビ会議システムを導入するにはコスト負担が大きすぎます。遠隔講義が行えないと、プロジェクト自体が成り立たない場合がありますので、4年前からWeb会議システムでの運用も試すようになりました。
使用者の不安を取り除く、使い勝手のよさと分かりやすいインターフェイス
「教育という本来業務に集中できる環境が一番です」と中島さん
そのWeb会議システムはうまく活用できたのですか。
その頃使っていたWeb会議システムは、つながるにはつながりましたが、例えば音声が聞えない時、原因がどこにあるのかわかりませんでした。サポート体制も不確かで、トラブルが起きてもその原因究明ができないのです。
あるプロジェクトでそのWeb会議システムを使用した遠隔講義を立ち上げるまでに、なんと8回の出張を行い、先方のPCの環境を確認して、毎回伺う度にさまざまな機材を持ち込み、試して、何とか使えるようになりました。
私たちの本来の仕事は、講義内容の構築や精度向上、先生・受講生のケアとフォロー、ファシリテートです。それが遠隔講義中に音が出なくなったら、受講生のケアをすべきところが、システムの不具合対応にあたらざるを得ない……。それが不安とストレスにつながりました。新たなプロジェクトの依頼があっても、本来なら「やりましょう」と即答したいところですが、規模などをお聞きするとシステムトラブルを想定して、ためらってしまうケースが多々ありました。 プロジェクトを運営する責任上、トラブルがあればその原因が特定でき、きちんと解決、再発防止の対策を実施できるシステムへの入れ替えを考え始めたのです。
V-CUBE ミーティングを導入された理由をお教えください。
2012年頃からシステムの入れ替えを考え始め、複数のシステムやサービスを調べ、試用もしてみました。そして2013年夏にV-CUBE ミーティングを試用してみて、導入を決めました。導入を決めた理由は下記の通りです。
- プロジェクトに集中できる安定したシステム
本来業務に集中できる安定したサービスが提供され、トラブルの際でも、原因が究明でき、適切な対処ができるサポート体制があること。
- 操作画面のインターフェイスなど使い勝手の良さ
遠隔講義の場合、接続方法が難しいだけで拒否反応につながるので、使い勝手の良さと、わかりやすいインターフェイスであること。
- 企業としての信頼性と、豊富な導入実績
法政大学として契約なので、企業としての信頼性、そして確かな導入実績があること。
遠隔講義を通じて、質疑応答やディスカッションを行う
V-CUBE ミーティングを使用した遠隔講義(東京 市ケ谷と、北海道 室蘭市を結んで)
どのようにV-CUBE ミーティングを活用されていますか。
具体例でお話しすると、西胆振産学官ネットワークと法政大学地域研究センターによる、平成25年度実施「次世代人材育成プログラム:胆振経営革新塾」において、V-CUBE ミーティングを活用して遠隔講義を行いました。このプロジェクトは今年で4回目となり、胆振地域(北海道 室蘭市)の活性化のために、若手経営者を中心に、地域を牽引していく人材の育成を目的に実施しています。
2013年8月から12月にかけて、計8回の講義があり、そのすべての回で遠隔講義を実施しました。といっても、すべてを遠隔講義で行ったのではなく、現地に先生が赴く対面講義と遠隔講義を併用し、遠隔講義を通じて質疑応答やディスカッションを行うなど、一方通行にならないようプログラムを工夫しました。 講義は非常に好評で、プログラムを通じて5つもの事業計画を立案するという素晴らしい成果につながりました。
本来業務に集中でき、受講生の満足度が向上し成果につながる
V-CUBE ミーティングを導入された効果を教えてください。
- 本来業務に集中でき、受講生の満足度が向上
運営側スタッフが遠隔会議システムの不具合対応をする必要がなくなり、本来の教育に関わる業務に集中できました。その分、内容の精度を高め、先生と受講生のケア・フォローに時間を使うことができましたので、満足度が高まり、成果につながりました。ちょっと音が聞き取りにくいことがあったとしても、講義内容の満足度が高いと、受講生もあまり気にしないようです。
- 教育を理解した上でのブイキューブのサポート
ブイキューブが提供しているWeb会議サービスそのものは当然として、プログラムの運営、講義における先生の動き、受講生の発表方法など、講義スタイル全体を理解した上で、V-CUBE ミーティングの使い方、講義・運営方法を提案していただけるブイキューブのサポート体制には大変助けられました。
- 相手の状況がわかるインターフェイス
相手側がどのマイクを使っているのか、どの接続拠点の通信遅延がどの程度発生しているのかが数字でわかりますので、トラブルの際、こちらが状況を把握した上で、相手側に対応・誘導でき、安心して遠隔講義に臨めます。また、運営側が状況を把握して指示を出していることは、相手側にとっても大きな安心感につながります。
- スマートフォンやタブレット端末からのつながりやすさを活用
講義ではありませんが、出張の移動中にV-CUBE ミーティングを使って打ち合わせを行いました。その際、手元のスマートフォンから接続したのですが、とてもスムーズにつながりました。今後はこうした方法も講義にも活用していきたいですね。
複数拠点をつないだ遠隔講義に取り組みたい
今後のV-CUBE ミーティングの活用予定をお教えください。
今年もいくつかのプロジェクトの準備を進めており、その中で必要に応じてV-CUBE ミーティングによる遠隔講義を行っていく予定です。今までは1対1での接続が中心でしたが、今後3か所、4か所との接続を行い、タブレット端末などからの配信も活用していきたいと考えています。
私たちが取り組む「地域活性化」の実現に、遠隔講義は不可欠な要素の一つです。ただ、遠隔講義に抵抗感を持つ方もまだ多いので、私たちの活用内容を知ってもらって、内容の良さとつながりやすさ、操作のしやすさが加われば、その抵抗感もなくなると思います。V-CUBE ミーティングによる遠隔講義をこれからもうまく活用しながら、日本全国の地域活性化を考えるみなさんに学ぶ機会を提供していければと考えています。
※取材日時 2014年4月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。