インタビュー
群馬医療福祉大学 企画調整室 室長 准教授の田口敦彦氏にV-CUBE ミーティング導入の背景、経緯、活用状況、そして今後の取り組みについて詳しくお伺いしました。
3つのキャンパスをつないだ遠隔講義を実現したい
V-CUBE ミーティング導入前の課題について教えてください。
本学は群馬県前橋市に川曲キャンパスと本町キャンパス、藤岡市に藤岡キャンパスと3つのキャンパスがあります。それぞれに学部は異なっていますが、例えば教職員の会議の際には、前橋川曲キャンパスに集ってもらい実施していました。学園祭や体育大会の運営は学生の実行委員会によって行われますが、その会議も同様です。授業の合間をぬって移動することは、時間も交通費もかかり、不便を感じていました。
また、本学は地元である前橋市、藤岡市と地域貢献、地域連携を積極的に進めており、公開講座などを毎年開催しています。しかし、実際に開催する場所は1 カ所のみとなりますので、今までは前橋川曲キャンパスで実施していました。ずっと藤岡キャンパスでも行いたいと考えていましたが、実施できずにいました。これを改善できるシステムがないかを調べている時に、Web会議システムを知りました。
そして文部科学省などの平成25年度「私立大学等教育研究活性化設備整備事業」に採択され、V-CUBE ミーティングを導入しました。
双方向、資料の表示、タブレット・スマホからの参加
課題解決のために V-CUBE ミーティングを選択された理由をお教えください。
講義での活用、遠隔授業が念頭にありましたので、導入理由は下記の3点です。
1.双方向のコミュニケーションが取れること
公開講座、キャンパス間をつないでの講義を想定していましたので、双方向での対話ができること。つまり一方通行ではなく、双方向で質疑応答などがででき、その場で疑問の解決ができるシステムであることが重要でした。
2.ホワイトボードに資料やレジュメを掲示して講義ができること
講義には資料やレジュメがつきものです。これを同じ画面の中に表示させ、資料を使って解説したり、レジュメを見せながら講義を進められることは、分かりやすい講義を行う上で欠くことができないポイントです。
3.タブレットやスマートフォンから講義に参加できる
講義や公開講座を前提に導入を検討していますので、通常の使用場所、設置場所は教室となります。 ただ、その場に固定されてしまうのではなく、タブレットやスマートフォンを用い、他の場所から一部の講義を行うといったことが可能であることが必要でした。
キャンパスをつないだ講義などで地域、保護者から高評価
現在、どのように V-CUBE ミーティングを活用されていますか。
1.平成25年度公開講座の開催:2つのキャンパスをつないで実施
2014年3月25日に「認知症の予防と介護方法のヒント 自分らしく生きる~認知症を通して~」と題した公開講座を開催しました。以前は1つのキャンパスで実施していたものを、主会場を前橋本町キャンパスとし、前橋川曲キャンパスとつないで実施しました。参加者の方には最寄りのキャンパスに来訪いただくかたちとし、平日にも関わらず、前橋本町キャンパスに70名、前橋川曲キャンパスは30名の市民の方々にご出席いただきました。参加された皆さんにも好評で、前橋川曲キャンパスにご参加いただいたお客様からの質問が最も多く、終了時刻になっても質問が途切れることはありませんでした。
2.保護者会の開催:3キャンパスをつないで実施
2014年7月19日にV-CUBE ミーティングで3つのキャンパスをつなぎ、保護者会を同時開催しました。
前年までは、キャンパス毎に開催時間をずらし、学長や担当職員は3つのキャンパスを順番に廻っていました。開始時間が早い学部と遅い学部があり、保護者からは、スケジュールに関して、何とかならないかという要望も寄せられていました。
今回は、V-CUBE ミーティングを使って、同時刻に保護者会を開催することができ、保護者からも好評でしたし、ICTを活用した大学の取り組みを評価していただくことができました。
3.平成26年度公開講座の開催:3つのキャンパスをつないで実施
以前からの課題であった、藤岡市での公開講座の開催を実現すべく、2014年10月末から11月に計8回開催する公開講座は3つのキャンパスをつないで開催します。今後のセッション内容によっては、藤岡キャンパスを主会場とすることも検討しています。
「目の前で行われているよう」と参加者の評価
V-CUBE ミーティングの導入効果について教えてください。
課題だった3つのキャンパスをつないでの遠隔講義を実現することができました。ご参加いただいた市民の方や保護者の方からは、講義や質疑応答が、まるで目の前で行われているようだと、とても好評でしたので、これからも様々な機会を通じて V-CUBE ミーティングを活用していきたいと考えています。
様々な講義などに積極的に活用したい
V-CUBE ミーティングの今後の活用予定を教えてください。
すでに実施した内容については継続的に活用していくことに加え、さまざまな分野での活用を計画しています。
1.キャンパス間をつないだ講義での活用
- チーム医療が叫ばれる中、本学では看護師、社会福祉士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士の人材育成をしています。学部ごとにキャンパスが異なり、実現することが難しかった学部間を超えた授業を行うことで、チーム医療への取り組みを、実践的な講義として実施したいと計画しています。
- 教養科目などでは同内容の講義を教員が3キャンパスを巡回しながら実施していました。2015年度より、その講義の一部を、V-CUBE ミーティングを使った講義へ変更していくことを計画しています。
2.教職員の会議をV-CUBE ミーティングで実施
現在、一つのキャンパスに集って実施している会議を、V-CUBE ミーティングへ置き換える計画をしています。
3.学生の委員会での活用
学生による委員会も、異なるキャンパス間で、会議ができるようV-CUBE ミーティングの活用を検討しています。
4.地域連携、高大連携など、地域との連携における活用
公開講座をはじめ、さまざまに地域と連携していく中での活用を計画しています。例えば藤岡市と協同で講座を実施する「世界遺産・高山社学」についても、V-CUBE ミーティングを活用する予定です。今後、幅広い活用を計画していますので、ブイキューブのサポートに期待しています。
*取材日時 2014年8月
*記載の担当部署は、取材時の組織名です。