インタビュー
東日本旅客鉄道株式会社 総合企画本部 システム企画部 インフラ計画グループリーダー 北村知氏と同グループ 宮木圭介氏に、V-CUBE ミーティング導入の背景、活用状況、そして今後の取り組みについて詳しくお伺いしました。
就業場所を選ばない勤務スタイル実現のために
V-CUBE ミーティングを導入された背景について教えてください。
JR東日本では、2012年度より「グループ経営構想Ⅴ(ファイブ)~限りなき前進~」を掲げ、「信頼される生活サービス創造グループ」として、社会的責任の遂行とグループの持続的成長を目指しています。その一環として「人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり」に取り組んでおり、ワークスタイル改革、ならびに組織運営の効率化を進めています。
その取り組みの中に、就業場所を選ばない勤務スタイルの実現が挙げられており、Web会議サービスを利用した遠隔コミュニケーションを使えば、勤務スタイルの変革が可能となり、会議に要する時間やコストの削減にも有効ではないかと考えました。
当社の営業エリアは東日本全域で、本社や支社で行う会議など、社内外を問わずかなりの数の会議が実施されています。会議を実施するために一箇所に集合する時間的ロスやコストはもちろん、会議の集中により会議場所が常時混み合っているという問題もあり、場所にとらわれない仕事のやり方が求められていたのです。
Webベースで運用できる、使い勝手の良さが決め手
V-CUBE ミーティングを選択された理由を教えてください。
V-CUBE ミーティングを含む8社のシステムを比較検討しました。テスト運用による使い勝手の確認、コスト、ライセンス形態、セキュリティ、タブレットへの対応、サポート体制などから総合的に判断して、V-CUBE ミーティングの導入を決めました。
導入の一番の理由は使い勝手の良さにあると思います。当社の場合、セキュリティポリシーで、パソコン端末へのソフトウェアの追加インストールは原則禁止していますから、インストール不要でWebベースで運用できるV-CUBE ミーティングは最適でした。また、社員数が多いので、ID毎の課金ではなく、会議室単位の課金はコスト面から見ても当社の現状に一番合致していました。
現在、どのようにV-CUBE ミーティングを利用されていますか。
通常の社内会議・拠点間会議という使い方の他に、メンテナンスや工事における現場と本部のコミュニケーションにも利用しています。
通常の会議では、従来は各支社から本社に集っていた会議、支社内の各部署で集っていた会議、支社間の会議などをV-CUBE ミーティングを通じて実施しています。また、現在、当社は積極的に海外進出を行っており、ロンドン、パリ、タイなどの海外拠点との会議にも活用しています。
メンテナンスや工事を担当する現業部門では、保安打ち合わせ、施工確認、埋設物確認など、実際に施工を担当するパートナー企業と頻繁に打ち合わせの必要があります。2014年4月より同部門に1万4000台のタブレット端末を支給し、現場での活用を推進してきました。
以前はFAXやメールを元に、対面や電話で実施していた打ち合わせが、V-CUBE ミーティングにより遠隔で、対面と遜色ない形で実施できるようになりました。また、以前は、打ち合わせを行うために、担当者は事務所や会社まで戻らなくてはなりませんでしたが、タブレットを使用することで、現場で状況を確認しながらの打ち合わせが可能になりました。
1日平均25回以上V-CUBE ミーティングを使用
V-CUBE ミーティングの導入効果について教えてください。
時期にもよりますが、平均すると1日に約25回、V-CUBE ミーティングが使用されています。
通常の会議では、従来、部門代表者が本社に集って会議に参加し、会議内容を持ち帰り支社内に展開していたのですが、V-CUBEミーティングを使うことで、会議と同時に支社内への展開、共有が可能となりました。ワークスタイル改革という観点からも、時間と空間にとらわれない仕事の仕方が推進され、仕事のやり方が変わりつつあると感じています。同時に会議にかかっていたコスト、時間的拘束が 低減したこともプラスに作用しています。
現業部門では、V-CUBE ミーティングを打ち合わせ机のように利用しています。計画的に会議をセットするだけでなく、今空いている会議室を使用してすぐに打ち合わせを行う、という使い方も広がっています。特に、大規模な切り替え工事においては、V-CUBE ミーティングの活用で対策本部の情報収集方法が大きく変わりました。
大規模切換工事で、
対策本部と工事現場をV-CUBE ミーティングで結ぶ
対策本部と工事現場で接続する点について、具体的にお教えください。
最近の例では、2014年9月24日に実施した「吾妻線一部付替え工事」は、JR吾妻線岩島駅から長野原草津口駅に至る10.4Kmの線路付替え工事という大規模なものでした。
この工事において、対策本部では、V-CUBE ミーティングを使って工事現場の映像を見ながら、進捗状況を確認することができました。この時、1314分連続してV-CUBE ミーティングを利用しています。
これまで対策本部では、施工現場との電話連絡と進捗表を用いて工事の進み具合を把握していました。今回は、工事現場からタブレットで映像を対策本部と共有し、実際の工事の進捗状況を目視確認しながら進めることができたので非常に効果的でした。現地の状況を的確に把握するという本来の意味で対策本部が機能するようになったと感じています。
以前、カメラを設置して現場から中継を行ったことがありましたが、事前に機材の手配、設置、要員確保などが必要で、負担が大きいものでした。今では、スタッフが持つタブレットで生中継できますので、手軽かつ確実な方法といえるでしょう。工事現場が複数個所になっても同様の対応ができ、対策本部では、V-CUBE ミーティングを通じて、すべての工事現場を把握できます。
今後実施する同様の工事においても、同じようにV-CUBE ミーティングが活用できると想定しています。
国内外で活用が広がるV-CUBE ミーティング
V-CUBE ミーティングの今後の活用予定、
ブイキューブへのリクエストがありましたらお教えください。
利用は進んでいますが、まだまだ活用の余地があると考えています。利用したことがない社員も大勢いますので、どんどん使ってもらえるよう推進していきたいと思います。また、メンテナンス・建設部門では、前出の利用法以外にも、災害など緊急時の対応、情報共有の推進、積極的に進めている海外展開先とのやり取りについても、さらに活用範囲が広がっていくものと考えています。
ブイキューブには、今後もサポートと新たな活用方法のヒントなど提案に期待しています。
*取材日時 2014年11月
*記載の担当部署は、取材時の組織名です。