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東京工業大学 様

コラボレーションに特化したWeb会議サービスと、Webセミナーサービスを組み合わせて、初めての遠隔ディスカッション環境を実現

離れた拠点を繋いでオンライン上の討論会を実施
会場開催型と同様の世論調査結果を得ることに成功

東京工業大学様

東京工業大学は、創立から130年を越える歴史をもつ国立大学であり、国内最高の理工系総合大学です。大学には3学部 23学科が、大学院には6研究科45専攻が設置され、さらに研究所や研究院等で構成されています。大岡山、すずかけ台、田町の3つのキャンパスに学部生約 5,000人、大学院生約5,000人の計約10,000人の学生が学び、うち、約1,200名が海外からの留学生です。学生の教育研究を支えるのは約 1,200人の教員と約600人の職員です。

21世紀、理工系大学の役割は無限に広がっています。
世界を舞台に科学技術の分野で活躍できる人材の輩出と地球規模の課題を解決する研究成果によって社会に寄与し、長期目標である「世界最高の理工系総合大学」の実現を目指します。

課題
  • 討論ができる環境に多人数を集めるには、主催側には会場準備の手間やコストがかかり、参加者には移動コストや時間の制限が負担となってしまう
  • オンラインの遠隔討論会では、対面の討論会よりも説明が難しく、うまく伝えられない
用途
  • クラウドサービスを活用して、遠隔地を繋いだ「討論型の世論調査」を実施
  • 専門家からの情報提供をWebセミナー形式で一斉にオンライン配信
選定した要件
  • 参加者が利用する時に、画面の操作がシンプルで分かりやすいこと
  • Web会議とWebセミナーのサービス提供に確かな実績があり、万全のサポート体制を有していること
評価
  • 遠隔参加によるオンライン上での討論会においても、スライドやフリップ、ホワイトボードなどの資料画面を使った意思疎通がしやすく、会場に集合して実施する討論会と同様の世論調査結果を得ることができた
  • 主催、参加者ともに、準備の手間やコスト、移動時間を削減することができ、討論型の世論調査を実施する際のハードルが低くなった
  • パイオニアVC社*1 やブイキューブ社のサポート体制により、オンライン討論会やセミナーの配信運用を安定して行うことができた

インタビュー

東京工業大学 価値システム専攻教授の坂野氏に、「オンライン討論型世論調査ソリューション」利用の背景、経緯、今後の取り組みについて詳しくお話を伺いました。

遠隔コミュニケーションサービスによって、討論型の世論調査をオンライン上に構築

一般的な世論調査と討論型の世論調査の違い
一般的な世論調査と討論型の世論調査の違い(クリックすると図が拡大します)

今回、オンラインサービスをどのように利用されたのでしょうか?

パイオニアVC社のWeb会議サービス xSyncPrime Collaboration(バイシンク プライム コラボレーション)*2を使って、遠隔参加による「討論型の世論調査」(DP; Deliberative Poll)を実施しました。
この「討論型世論調査」という単語はまだ一般には聞き慣れないかと思います。世論調査の手法のひとつなのですが、一般的な世論調査とは少し異なります。

一般的な世論調査では、調査の内容に対して、回答者には十分な情報が与えられていないケースも多く、表面的な意見を述べる参加者もいます。そのため、調査の結果が本当に民意を反映できているのか疑わしいと指摘する専門家も少なくありません。
このような問題点を解決するために企画された方法が、さきの「討論型世論調査」と呼ばれる方法です。
この方法では、一般の世論調査と同じようにアンケート調査を行いますが、回答者へ十分な情報提供と、さらに複数回の討論会を開催し、再度のアンケート調査を行います。2回のアンケート調査結果を分析することで、熟慮した世論の動向を明らかにしようとする特長を持った手法となります。

しかし、調査方法として優れた側面を持つ反面、コストや手間がかかるという課題も持ち合わせています。
討論会の開催には、回答者に1か所へ集まってもらう必要がありますし、内容によっては討議が複数回にわたり、2泊3日など、宿泊を伴うスケジュールとなるケースも少なくありません。
調査結果の精度向上のために、参加人数の規模は百数十人から数百人規模となり、交通旅費や宿泊費用などのコスト負担も大きくなります。

そこで、よりコストを抑えた開催を実現できないかと検討をしていた折、Web会議サービスやWebセミナーなどオンラインサービスの仕組みを導入できないかと考えました。

オンラインによる遠隔開催でも、会場集合型と同様の十分な討論が可能

東京工業大学 坂野様
「Webによる討議空間でも十分な討議を実施可能」と坂野氏

オンライン上での開催はどのように実現したのですか?

配信には都内(恵比寿)にあるブイキューブの映像配信スタジオ「Studio Octo(スタジオ オクトー)」を利用しました。108名の参加者は、全国各地の「自宅」からインターネット回線経由で接続。パネリストとなる専門家や、進行を助けるファシリテーターは、恵比寿の映像配信スタジオに集まりました。
全国の参加者は自宅に居ながら参加することができるため、宿泊も不要でしたし、何よりも気軽に参加できることが大きなメリットとなりました。

最初に、Web会議サービスの「xSyncPrime Collaboration」を立ち上げ、インターネットを通して参加者同士が遠隔で顔合わせをします。映像と音声だけではなく、PCの操作画面をそのまま全員で共有することができるので、資料表示や双方向書き込み機能などを活用して、Web会議による討論会を無理なく実施できました。討論会の最後には、パネリストとなる専門家への質問をまとめました。
次に、これら参加者の質問に、スタジオにいる専門家から回答を行いましたが、そこでWebセミナーサービスの「V-CUBEセミナー」を利用しました。
Studio Octoの大スタジオから映像配信システムを使ってリアルタイムで全国の参加者へ一斉配信することができ、参加者は自分のPCのWebブラウザを使って、難しい操作もなく簡単に専門家の説明を見られました。

インターネット接続を経由したオンライン上における仮想的な空間での討論会や説明会でしたが、参加者の9割以上から「役に立った」とするフィードバックを得ることができ、恵比寿のスタジオに集まった専門家やファシリテーター、モデレーターからも「いつもの会場開催型と変わらない感覚で実施することができた」と声が上がっていました。

ITに精通していない参加者ももちろん含まれていましたが、戸惑うことなく利用ができたことや、全国どこにいても討論会に参加できるという結果は、大きな成果と言えます。

サービス品質の高さ、手厚いサポート体制は、大規模開催には欠かせない

今回利用したブイキューブとパイオニアVCのサービスについて、印象をお聞かせください

とても良い印象を持ちました。
Web会議サービスとWebセミナーサービスの長所を活かした組み合わせ、まさに適材適所の使い分けになっていると強く感じました。
これまでの会場開催型にももちろん大きなメリットがありますが、準備の手間や負担、コストや参加者の負担を考えると、今回のようなオンライン開催型は新しい可能性を秘めています。高画質・高音質で相手の表情も良く分かりますし、途切れもなく通信の安定性も良好でした。

多人数がインターネット接続を経由して、それぞれの環境で参加するような方法では、ネットワーク環境や機器設定の最適化、トラブルの早期対応など、万全の運用サポート体制があることが、円滑に実施するための大きなポイントだと思っています。
例えば、軽微なトラブルがあった場合でも、ごく短時間のうちに対応しないと、本来の目的である討議の時間が短くなってしまいます。そのため、運営には十分なバックアップ体制が必要です。
今回の「討論型世論調査」を実施する大学スタッフは、Web会議やWebセミナーの仕組みや操作方法、スタジオでの映像配信に精通しているわけではないので、ブイキューブやパイオニアVCの運用サポートチームに支援してもらいました。大きなトラブルもなく円滑に討論会・説明会を完遂できたのは、ブイキューブとパイオニアVCの手厚いサポート体制のおかげだと思っています。

これまでにない「新しい討論型世論調査」への期待は高い

これからの取り組みについて教えてください

先ほども話したとおり、今回のようなオンライン開催型は新しい可能性を秘めています。これまでの方法では負担が大きく、気軽に実施というわけにはいきません。
今回はWeb会議サービス「xSync Prime Collaboration」で、遠隔拠点間の討論会を、多拠点にライブ配信できるWebセミナーサービスの「V-CUBE セミナー」で、専門家が参加者の疑問に回答する様子を全国に一斉配信する新しい試みでしたが、このような仕組みが一般化していくことで、実施のハードルが下がり、討論型世論調査が普及していくことは間違いありません。

今回の実施を通して、オンライン上で開催する遠隔コミュニケーションサービスのメリットを強く感じました。今後は講習会・教育研修における活用など、もっと広い活用の場を検討していくことを考えています。そのような観点からも、ブイキューブやパイオニアVCには大きな期待を持っています。幅広いサービスを持っているメーカーだからこそ、今回のような新しい組み合わせの価値提案をしてほしいと思っています。

*取材日時 2015年5月
*記載の担当部署は、取材時の組織名です。

*1 パイオニアVC株式会社。Web会議システム「xSync Prime Collaboration」や協働学習支援ツール「xSync Board」を展開しています。
*2 パイオニアVC株式会社が開発・販売する高機能・高セキュリティを誇るWeb会議システムです。

※xSync Prime CollaborationについてはパイオニアVC株式会社のWebサイトをご覧ください。

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URL
http://www.titech.ac.jp/
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