災害現場からの映像を警防本部でリアルタイムに共有
大規模災害時だけでなく通常災害時の情報共有にも活用
さいたま市内10区、217.43㎢を管轄区域とするさいたま市消防局。2016年に開催された展示会に出展されていたブイキューブの「緊急対策ソリューション」を目にし、今後起こりうる大規模災害に備えて必要性を感じて導入。「V-CUBE Board」と「V-CUBE コラボレーション」と同時に、電子黒板1台、55インチモニター2台、6面マルチモニター、iPad13台を導入し、リアルタイムに災害状況を映像で共有・把握し、集約された情報を複数拠点にいる職員で共有するための体制を構築した。
従来の消火活動や災害対策における課題
文字や言葉だけでは状況の認識にズレ
紙の地図に付箋に書かれた情報を貼り付けたり、無線の音声だけでの共有では、現場の状況が伝わりづらく、聞き手によって異なる解釈が生まれてしまう。
刻々と変化する状況を瞬時に把握できず
状況が絶えず変化していても、現場からの無線のみの情報共有では、瞬時に正確な状況把握をするのが難しい。
複数箇所での情報共有が困難
現場の最前線と指揮本部、警防本部など、3箇所以上で同時に情報共有を行える方法がなく、無線などによる1対1での伝達にとどまりがち。
「V-CUBE Board」と「V-CUBE コラボレーション」でこう解決!
映像や写真の共有で状況の共通認識を持てるように
画像や映像を用いて火災等災害現場の状況を共有することで、各所での認識のズレを防ぎ、活字や音声では伝えにくい災害状況も細部まで伝達しやすくなる。
火災時の風向き・煙の流動に合わせて、消防車を配置する際、音声だけでなく映像とともに災害地点・車両部署位置を「V-CUBE Board」上で共有することで、地図と照らし合わせて対応できる。
リアルタイム共有で瞬時に判断、早期に対応
現場部隊がiPadでリアルタイムに映像を共有することで、警防本部でも状況を瞬時に判断でき、対策を速やかに行うことが可能。
大量に送られ集約される現場映像は「V-CUBE Board」上に表示。リアルタイムな状況把握と判断が可能になり、消防力の優劣を早期に分析し、時機を逸することのない部隊増強・応援要請に対応することができる。
遠隔での一斉情報共有で大人数での状況把握を可能に
災害現場とは離れている警防本部などにも、災害現場から送られてくる画像や映像を集約し、正確な情報を一斉共有できる。
「V-CUBE コラボレーション」なら、リアルタイムに現場の映像や画像を一斉送信することができる。その結果、現場と本部との間で遅滞のない情報共有が可能となり、統一した認識を持つことができる。
「緊急対策ソリューション」選定のポイントは?
複数拠点で情報集約・共有ができるか?
紙の地図でのアナログ共有ではなく、現場映像と合わせた情報を各拠点で集約・共有できること。
- 「V-CUBE Board」は、大画面に地図を表示させながら現場からの画像や映像を並べることができる
- 追加情報や本部からの指示は、「V-CUBE Board」上に複数拠点からの同時書き込みが可能
リアルタイムに映像を共有できるか?
刻々と変化する災害状況を、現場部隊のiPadからリアルタイムに共有できること。
- 「V-CUBE Board」や電子黒板に災害情報を集約
- 「V-CUBE コラボレーション」で離れた場所でもリアルタイムに共有
個人情報等の秘匿情報を扱えるか?
災害・火災情報など個人情報が絡む現場で、秘匿情報を安全に共有できること。
- セキュリティレベルに応じて、ユーザID・パスワードによる認証・端末認証が設定可能
- Print Screenの禁止のほか、SSL暗号化通信により、データ漏えい対策も
お客様の声
緊急災害に備え、埼玉県の代表消防機関から取り組みを開始
さいたま市消防局 警防部長 永瀨 邦彦 氏
災害発生時の状況を早期に把握するため、市内5箇所に6基の高所カメラを設置していましたが、こうしたシステムは今後の大規模災害対策上、重要になってくるだろうと感じていました。
「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」と合わせて電子黒板や6面マルチモニター、iPadを導入しましたが、当初の想定よりもうまく活用できています。やはり現場のリアルな災害状況を、映像とともに確認できる点が非常に良いですね。大規模災害発生時に落ち着いて使いこなせるよう、現在は反復した訓練を行うとともに、延焼中の火災や特異事案等、災害現場においても使用しています。
さいたま市消防局は埼玉県の代表消防機関です。市内災害に留まらず、県内応援、緊急消防援助隊等の広域応援時にも当該システムを最大限に活用し、今後発生しうる大規模災害に備えたいと考えます。
リアルタイム映像をもとにした判断の重要性を実感
さいたま市消防局 警防部警防課長 内田 雅志 氏
これまでは無線のみで現場の災害状況を共有していましたが、2019年秋の台風第19号における災害時では、現場映像を共有できる既存の端末を活用し、指揮隊を越水危険区域に特命出場させ、その映像を判断材料として今後の活動方針を決定しました。
リアルタイム映像をもとにした判断の重要性を感じていた中で、いざ、当該システムを導入して火災現場等で活用してみると、静止画や映像をもとに現場の状況を早期に掴むことができる上に、圧倒的にこれまで以上の情報量を集約できるようになりました。
地図と映像のリンクも簡単でした。「さいたま国際マラソン」消防特別警戒時においては、コースの各ポイントに置いたiPadからの関係情報を、地図と紐付けてリアルタイムに把握することもできました。
大規模災害が発生すると、情報を瞬時に集約し、共有しなければなりません。当該システムを最大限に活用することで、リアルタイムな情報を瞬時に集約し、多くの隊員が一斉に共有することが可能となることから、市民の安心・安全を守る上で大変有効なツールになると期待しています。
さいたま市消防局様における「緊急対策ソリューション」の活用法
さいたま市消防局では、火災や災害などが発生した際に、現場映像や地図情報を元に最適な判断を迅速に行うための情報共有のしくみとして、ブイキューブ の「緊急対策ソリューション」を2019年11月に導入した。政令指定都市の消防としても、今回の「緊急対策ソリューション」の導入は先進的な取り組みとして注目されている。
警防本部では「V-CUBE Board」と電子黒板などで情報を共有・整理
大規模な火災や災害などが発生した際には、さいたま市消防局警防本部で、刻々と集まる現場映像や気象情報などを地図情報に紐付け、総合的な判断を下すこととなる。遠隔会議システムである「V-CUBE コラボレーション」で現場からの映像を送り、各種情報を「V-CUBE Board」に集約。警防本部内で共有が必要な情報は、電子黒板や大画面モニターに表示する運用方法となる。
現場では13台のiPadをフル活用
火災の際には、風向きによる煙の流動や家屋の密集状況などが消火活動において重要な判断材料となる。現場での最前線基地となる「指揮本部」でもiPadを活用し、火災現場の映像を見ながら対応を判断する。
テロを想定した大規模な訓練でも活用
2019年12月には、埼玉スタジアムで化学剤散布により多数の傷病者が発生したとの想定のもと、救助活動、除染活動、トリアージ及び救急活動を災害の発生から一連の流れで実施する特殊災害連携訓練が行われた。
現場の情報を正確に伝えることを目的として、この訓練でもiPadの映像を「V-CUBE コラボレーション」で電子黒板に共有。2020年以降に控える大規模イベントを見据え、情報共有体制の強化につながった。