消防指令システム更新で「V-CUBE Board」を採用
多様な端末からの映像を集約、整理して各市町と共有
5つの自治体を管轄区域とする芳賀地区広域行政事務組合消防本部。16年間活用してきた消防指令システムの更新の際に、指令センターに警防本部指揮ボード「V-CUBE Board」を導入。災害や火災現場から車載カメラ、スマホ、タブレット、ウェアラブルカメラ、ドローンの映像を遠隔会議システム「V-CUBE コラボレーション」でリアルタイムに映像情報を共有できる体制を構築した。都道府県や政令指定都市以外で、「V-CUBE Board」と「V-CUBE コラボレーション」を併せて導入しているケースは希少であり、全国的に見ても先進的な事例となっている。
従来の消火活動や災害対策における課題
無線での情報共有では状況の認識にズレ
災害現場との無線などの交信による音声での情報伝達は、状況の認識に齟齬が発生することも。
状況報告が各種活動の負荷に
消火救助活動中などにおける無線交信が、初動期、急性期の現場活動の負荷になるケースも。
複数箇所での迅速な情報共有が困難
災害現場と警防本部、各市町の災害対策本部において、迅速な情報共有が困難であった。
「V-CUBE Board」と「V-CUBE コラボレーション」でこう解決!
映像や画像情報の共有で状況の共通認識を持てるように
映像や画像で災害現場の状況を共有すれば、音声では伝えにくい災害状況もリアルタイムに把握できる。
現場への移動時に車載カメラで捉えた現場周辺の映像や、ヘルメットにつけたウェアラブルカメラなどからの現場映像を「V-CUBE Board」上に集約・共有することで、地図と照らし合わせて判断でき、現場支援がスムーズに。
現場活動の映像をリアルタイムに取得
各デバイスカメラから、消火や救助活動の現場映像を送信。
警防本部では「V-CUBE Board」の画面に書き込みながら、リアルタイムな状況把握と判断が可能になる。
リアルタイムの一斉通信により、複数拠点で同時に情報の共有化
警防本部・各市町災害対策本部に、災害現場の映像や画像、地図情報を集約し、「V-CUBE Board」と「V-CUBE コラボレーション」により、迅速かつ同時に情報の共有ができる。
「V-CUBE Board」上の映像や画像を「V-CUBE コラボレーション」を活用してリアルタイムに一斉送信。その結果、災害現場と本部等、複数の拠点でも認識のズレや遅延なく現場の状況を把握・共有できる。
「緊急対策ソリューション」選定のポイントは?
複数拠点でもリアルタイムに映像共有できるか?
無線だけではなく、現場の映像情報を各拠点で共有できること。
- 「V-CUBE Board」に集約された映像や地図情報を「V-CUBE コラボレーション」で離れた拠点とも共有
- 映像や画像をもとに刻々と変化する情報を複数拠点から同時に書き込み
複数名が同時に「V-CUBE Board」の画面を操作できるか?
1つの画面に表示された複数の情報を、それぞれ別の隊員が同時に操作できること。
- 1つの画面に複数のアプリケーションの情報を表示し、同時に異なる隊員がオペレーション可能
緊急時にも容易に操作できるか?
消防業務で使用する機器として、過酷な環境下でも、素早く容易に操作できること。
- 「V-CUBE Board」はタブレット感覚で操作でき、簡単に映像や画像を挿入して書き込みができる
- ワンタッチで「V-CUBE コラボレーション」へ接続し、複数拠点で同時に書き込みによる情報共有が可能
お客様の声
多彩な端末からの映像を集約し、情報共有の質が向上
平成15年に導入した旧消防指令システムは、無線交信による相互情報伝達が主となるものでした。
消防指令システム更新にあたり先進のICTに関する情報収集をしてきたなか、展示会に出展されていた「V-CUBE Board」であれば、大画面に複数の映像や地図情報などを集約し追加情報を書き込める上、隊員用ウェアラブルカメラ、タブレット、ドローンなども導入することで、リアルタイムな情報把握が可能な、拡張性の高い情報収集と配信システムを構築できると考えました。
導入後は、災害現場の状況をライブ映像で確認可能なため、無線通信などによる認識の齟齬も生じにくくなり、正確な情報の収集力と共有化は格段に上がったと実感しております。
芳賀地区広域行政事務組合消防本部 通信指令課 課長補佐 栁沢 淳一 氏
直感的な操作で緊急時にも複数拠点での情報共有が可能に
「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」は直感的な操作が可能で、災害発生時の急性期においても確実に操作できると感じています。幸いにも導入後に大規模な災害の発生はありませんが、火災や救急救助活動での運用における画質や音質は良好です。
また同時に導入したタブレットやドローンなどの映像も警防本部に集約して、現場の状況を多角的に確認できるようになったので、リアルタイムな情報の共有ができるようになりました。
今後は大規模地震や台風、記録的な大雨などによる、広域災害の発生時にも「緊急対策ソリューション」を活用して、災害現場と警防本部、そして災害対策本部との連携を強化し、さらなる安全、確実、迅速な消防活動の実現を目指していきたいと考えています。
芳賀地区広域行政事務組合消防本部 通信指令課 課長補佐 飯島 直人 氏
芳賀地区広域行政事務組合消防本部様における「緊急対策ソリューション」の活用法
芳賀地区広域行政事務組合消防本部では、火災や救急救助活動の現場映像をリアルタイムに複数拠点で共有し、迅速な判断が可能となる「緊急対策ソリューション」を導入。大規模地震や台風、記録的な大雨などによる広域災害が発生した際に、災害現場・警防本部・各市町災害対策本部などにおけるスムーズな情報共有に活用していく。
警防本部では「V-CUBE Board」上に集約された情報を整理・共有
これまで、主に無線交信によって指令管制業務を行っていた通信指令課に「V-CUBE Board」を設置。
遠隔会議システム「V-CUBE コラボレーション」で現場から得た映像や画像、地図等の情報を「V-CUBE Board」に集約して整理する。
これにより、リアルタイムで現場の状況を把握できるとともに「V-CUBE Board」上に直接書き込んだ情報なども、各市町災害対策本部に設置した端末(ノートPC)によるネットワークで共有することも容易に可能となった。
ドローンやウェアラブルカメラなど多彩な端末からハンズフリーで情報取得
緊急対策ソリューション導入前の情報取得手段は、無線機などによるものであった。そこで、基本的にハンズフリーで、カメラによる映像やマイクでの音声情報を取得可能なデバイスを複数導入した。
災害現場への移動中、車載カメラで捉えた現場近辺の映像をリアルタイムに取得。ヘルメットにつけたウェアラブルカメラや専用ベストに装着したタブレットによる、災害現場のライブ映像を取得できるようになった。
この結果、各種現場活動を中断することなく、リアルタイムな各隊の活動状況を把握可能になったほか、ドローンによる迅速で広範囲な情報取得も可能になった。
広域的な災害時には自治体とも同じ映像や音声を共有
芳賀地区広域消防は5つの自治体を管轄としており、記録的な大雨などによる広域的な災害においても、各市町災害対策本部に「V-CUBE コラボレーション」をインストールしたノートPCを導入し、同じ映像や地図情報を共有することが可能となった。