災害発生時の通信設備等の被災状況把握における情報の可視化・集約をオンラインで正確かつ迅速に
東日本の電気通信サービスの提供を担う東日本電信電話株式会社。管轄内における災害発生時に通信サービスの早期復旧に向けた指揮統制機能を持つ「NTT東日本 災害対策本部」では、2020年夏頃からオンライン上で通信設備の状況や社外関係機関の情報を把握できる状態を整えようと検討を始めた。既存システムでの情報集約の課題は、可視化が難しかったり情報格差が生まれたりと非効率が生まれていたことだった。そこで「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」「電子黒板」を導入し、遠隔・複数人での情報の可視化・収集をリアルタイムで実施できるように整備した。
従来のオンライン上の災害対策における課題
災害現場の状況を可視化できない
Web会議システムで情報共有を行なっても、 どんな状況かが見えにくい。情報ソースも複数に分かれており、 一元的な可視化が難しい。
個人によって情報格差がある
電話会議などで情報を得た社員と知らない社員との間で情報格差が生まれて、災害状況の共通認識を持てず判断・指示が難しい。
遠隔の社員との認識のズレがある
遠隔地の社員と本部の社員の間で認識のズレが生まれる。災害状況だけでなく、切迫感などの雰囲気や温度感も伝わりづらい。
緊急対策ソリューションでこう解決!
集約された映像やデジタル情報を 正確かつ迅速に可視化・一元化
報告される災害状況を大画面に映し出し、映像や資料を集約。全社員がリアルタイムに可視化された情報にアクセスでき、意思決定や指示ができる。
集約された災害情報を「V-CUBE Board」上に表示して整理することで、大人数で情報を一気に共有できる。バラバラだった映像や資料を可視化・一元化できる。「V-CUBE コラボレーション」により、リアルタイムに遠隔地とも情報共有が可能になる。
大画面の電子黒板に映し出して 複数人でも適切に情報共有できる
個々の情報格差を生むことなく、大画面の電子黒板も活用して、複数人でも遠隔地の社員とも迅速に情報共有できるようになる。
「V-CUBE Board」上に取りまとめた映像や資料を「V-CUBE コラボレーション」で一斉共有。さらに電子黒板に映し出すことで、複数人でも一度に情報共有できる。遠隔地の社員ともスムーズにコミュニケーションができる。
リアルタイムで接続し、遠隔でも 情報や雰囲気も共有できる
オンラインでは現場の切迫感などの雰囲気や温度感も含めて共有することが難しいが、常時リアルタイムで接続することで共有できるようになる。
映像や資料など災害状況だけでなく、社員の表情や本部の様子も映し出すことで、雰囲気も一緒に共有できる。復旧作業に向けた熱量に差が生まれがちなところを、オンライン上でも共有して一致団結させることができる。
「緊急対策ソリューション」選定のポイントは?
複数の情報を画面に表示できるか?
災害状況を画面に表示させて集約し、全体で可視化・一元化できること。
- 「V-CUBE Board」は、現場からの映像や画像を大画面に並べながら、表示・集約可能
- スマホ感覚でタッチして操作でき、簡単に映像や画像を挿入して書き込みができる
遠隔地にも情報の共有・可視化ができるか?
複数人や遠隔地の社員とも情報の共有・可視化ができ、情報格差がなくなること。
- ワンタッチで「V-CUBE コラボレーション」へ接続し、遠隔地ともリアルタイムで情報共有が可能
書き込みながら集約・共有できるか?
集約された情報に対し、判断や指示を直接書き込み、正確な情報を共有できること。
- 大画面の電子黒板を利用して資料の共有や双方向での書き込みが可能
- 映像や画像をもとに判断した指示は、「V-CUBE Board」上に複数拠点から同時に書き込みできる
お客様の声
情報の可視化、格差の解消、熱量の共有を目指したシステム導入
ネットワーク事業推進本部 災害対策室では、2020年夏頃から働き方が変化しオンラインでの対応が必要になったことをきっかけに、同じ基盤の中で情報収集して発信できるオンライン上のシステムを作ろうと考えていました。
従来のWeb会議システムを活用して実施しましたが、地震など災害発生時に管内で何が起こっているのかが分からず、どこに復旧作業のリソースを割くか判断することはできませんでした。そこで、集約した情報を「V-CUBE Board」と電子黒板を使って整理・一元化し、「V-CUBE コラボレーション」で一斉送信してリアルタイムに共有する形で、遠隔・複数人での情報の可視化・収集を円滑に実施できるように整備しました。
情報を可視化できず情報格差が生まれ、現場の雰囲気や温度感も共有できていなかったところから、緊急対策ソリューションで改善へと近付いてきています。
東日本電信電話株式会社 ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 災害対策室長 笹倉 聡 氏
今後は、広範囲での被害に対して、情報を速やかに集約できるように
今回は、2021年に東京で開催された国際的なスポーツイベントでもネットワーク供給を担っており、本社と現地拠点を接続して情報共有を行う目的でも使用しました。イベント終了後も、平時にも情報収集し、日常業務を可視化して関係者に共有することで、世の中に対してどのような影響が出ているのかが分かるようになることが業務において重要だと感じています。
今後、広範囲の災害・被害の場合にも迅速に情報共有する必要があるため、どのような情報を集約するのかを考えながら設計していきたいと思います。
ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 災害対策室 担当課長 寒河江 幸成 氏
直感的な操作で使い勝手もよく、緊急時にも落ち着いて活用できる
現場の映像や画像を大画面の「V-CUBE Board」に並べて集約するときも、スマホ感覚でタッチして操作できるので、非常に使い勝手がよいと感じました。「V-CUBE コラボレーション」でリアルタイムに情報共有が可能になり、電子黒板へ投影して書き込むことも簡単で、大人数でも一気に情報共有ができる点で従来の課題を解消できました。
職場に集まって一元的に情報を得られる体制が整ったことで、情報格差が生まれなくなり、副次的な情報や現場の雰囲気なども共有しやすくなりました。
ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 災害対策室 佐藤 俊平 氏
東日本電信電話株式会社様における「緊急対策ソリューション」の活用法
NTT東日本 災害対策本部では、災害発生時、被災地における通信サービスの早期復旧に向けた指揮統制の役割を持つ。2020年夏頃からオンライン上で管轄内の通信設備の状況や社外関係機関の情報を把握できる方法を検討し、既存システムでは可視化できなかったり情報格差が生まれたりと非効率になっていた課題を「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」「電子黒板」で解決した。また、2021年に東京で開催された国際的なスポーツイベントにおいても使用し、本社と現地拠点をリアルタイムに接続して、スムーズな情報共有の体制を作り上げた。
統括本部では「V-CUBE Board」と電子黒板に情報を集約
2021年に東京で開催された国際的なスポーツイベントにおける活用では、NTT東日本大会統括本部にて「V-CUBE Board」と電子黒板を活用して情報を集約。主に「V-CUBE Board」上に必要な情報を集約して表示させた。
イベント会場のネットワーク状況を常に監視する中で、現地拠点にいる社員の様子や共通の画面を「V-CUBE コラボレーション」で接続して電子黒板に映し出し、リアルタイムに書き込みながら情報を共有した。
平時にも日常業務を可視化して影響範囲を把握
イベントにおける使用だけでなく、平時にも「V-CUBE Board」「V-CUBE コラボレーション」を活用し、管内ネットワークの状況を可視化。
地図情報や映像、現場からの情報を集約し可視化・一元化させることで、大画面で複数人が同時に書き込みながら情報共有が可能になる。ネットワークの運用状況など、日常業務も可視化することで、影響範囲を常に把握できるようになった。
今後は大規模災害での対応にも活用予定
今後は、「V-CUBE Board」と大画面の電子黒板を活用して、現場の状況や災害情報を一元管理し、リアルタイムに情報共有できる仕組みの構築を検討している。
広範囲にわたる被害状況も、情報を速やかに収集して意思決定に活かしていく必要がある。そのためにも、どのような情報を集約していけばよいのか考えながら活用していく予定だ。